日本人がワインを日常的に飲むようになったのにはドイツワインの役割が大きかったと私は思っています。
何度目だったのでしょうか、ある時期のワインブームで好んで飲まれたのがドイツワインだったと記憶しています。
特に人気があったのがマドンナです。
マドンナ
マドンナは白ワイン用のブドウをブレンドして造られているワインで、飲みやすいこと言うことなしです。
この時にドイツワイン=甘くて飲みやすいというイメージが日本で定着しました。
もともと日本酒に馴染んでいた日本人は甘口のお酒を取り入れる素地があったのです。
そして価格もリーズナブル…しかし、今と比べると二倍以上していたと思います。
私には今でもドイツワインには甘口で飲みやすいイメージがあります。
目次
リースリング白ワインとは?
リースリングはドイツ原産でローゼルやラインガウ、フランスを含むアルザスが有名で多く造られています。
人気のワインなのでもちろん新世界のアメリカにオーストラリア・ニュージーランドやチリ・中国・日本でも造られています。
小粒の実と小さな房で耐寒性にすぐれた品種ですが、収穫量重視の育て方をすると品質が落ちるデリケートなブドウでもあります。
繊細で香り高く美味しいという味わいはフランスの有名ワインに匹敵する評価を受けたことで大量生産に傾倒し、そのため品質が落ちてしまったためリースリングワインのイメージを悪くしてしまいました。
しかし、品質重視に転換してドイツワインの代名詞という名声を奪還しました。
リースリングワインのもう一つの特徴が冷涼な気候の地域で生まれる酸味基調のワインだということです。
リースリング種ブドウが持つキレイな酸味は長期熟成に向いており10年経っても酸化せずフレッシュ感がそこなわれないワインが造られます。
フランスワインは育てられる地域によっての等級付けですが、ドイツワイン糖度が基準の等級もあります。
品質等級は4種類で他に3段階の品質検査があります。購入の目安になる等級として
Q.m.P=カリテーツ・ミット・プレディカートは格付け最高級のドイツワインです。収穫時の糖度に対しての評価でフランスワインのような栽培地での格付けとは違います。
トロッケンベーレンアウスレーゼは貴腐ブドウを用いて造られる甘口のワインです。
アイスヴァインは木になったまま凍ったのブドウを圧縮して造ったワインです。
アウスレーゼは完熟したブドウで造られるワインです。シュペトレーゼより糖度の高いブドウで造られるため凝縮されたやや甘口から甘口のワインとなります。
ベーレンアウスレーゼは完熟または過熟したブドウを使って造られたワインです。芳醇で甘口のワインです。
シュペトレーゼは通常の収穫時期より1週間ほど遅く収穫されるたブドウで造られたワインです。甘口だけではなくやや辛口もあります。
カピネットはもっとも糖度の低いワインで辛口や中辛口で食事に合うワインが多くなります。
ドイツ国内の産地としては
モーゼルはモーゼル川流域でドイツで最も古いワインのと言われています。リースリングを主に生産し透明感のある辛口のワインを造っています。
ラインガウはライン川北側の丘陵でリースリングを主に造っています。濃縮感のある華やかなワインの産地としても知らています。
そして、フランスのアルザスはドイツとの国境にあり気候も似ているためリースリング種のブドウが造らています。特にグランクリュで生産されるリースリングワイン深みのあるミネラル感たっぷりでアロマの余韻が長いワインになります。
オーストラリアは冷涼な南部のクレア・ヴァレーエディションン・ヴァレーで造られるリースリングが最高級とされています。ドイツやアルザスに劣らない品質と評価が高いワインです。ライムやパッションフルーツの香りを持ち豚肉や酸味のあるお料理と合います。
ニュージーランドではやや温暖な地域で遅摘みのブドウを使ったワインが造られています。
アメリカはカリフォルニアだけでなくワシントン州でもリースリングワインが造られています。ミネラル感が豊かで、スパイシーなお料理や牡蠣・フルーツによく合う辛口やオフドライのワインが造られています。
チリでは標高の高い冷涼な地域で造られています。
アペリティフからデザートまで♪リースリング白ワインの魅力
リースリングは甘口から辛口まで幅広い味わいで高品質のワインが造られています。
その酸味が熟成に向いているので特にドイツ産では芳醇でフルーティなワインが生産されています。
そして、アルコール度数も低めなので女性が飲みやすいワインとして人気があります。
繊細な香りと甘みはアペリティフとしても美味しくいただけますし、シュペトレーゼやカピネットは食事ワインとして、トロッケンベーレンアウスレーゼやアイスバインはデザートワインとしても飲まれています。
デザートワインとして飲むときには、最近人気の高カカオチョコや柚子胡椒やブラックペッパーなどスパイスが効いた品やナッツが美味しいチョコレートはいかがでしょうか。スパイスの香りと刺激が甘口ワインと引き立てあいます。
有名ショコラティエのブティックにはリースリングに合いそうなチョコレートのが並んでいました。
また、デザートにいただくチーズも甘口なリースリングワインが合いますが、レアチーズケーキも美味しくいただけると思います。
食事の時だけでなくデザートのお供としてもリースリングワインがお勧めです。
リースリング白ワインの種類と選び方
リースリングは甘口から辛口まで幅広い味わいのあるワインです。
食事や素材によって、アペリティフからディジェフティフまでリースリングワインを揃えることができます。
アペリティフにはトロッケンアウスレーゼ、食事にはシュペトレーゼやカピネット。
ディジェフティフやデザートワインにはベーレンアウスレーゼアイスバインなどの甘いワインが良いでしょう。
私の一押しリースリング白ワイン
リースリングも今や世界的な産地を持つワインですが、私にとってはドイツワインの代名詞で甘口ワインが飲みたくなればリースリングワインが頭に浮かびます。
ピースポーター ミヒェルスベルク リースリング アウスレーゼ ゲブリューダー シュテッフェン
モーゼルらしい甘みと濃度でこの価格としてはかなり良いワインです。私は食後にくつろぎながら飲むのが好きです。
アルザスワインでは
F.E.トリンバックリースリング
果実味、酸味、ミネラルのバランスが整ったワインです。
今では日本人にもおなじみのアルザス料理キッシュロレーヌをいただいたりします。こちらのワインは和食とも合います。
リースリング白ワインおすすめランキング8選
第8位 G.A.シュミットNO.11リースリング
G.A.シュミット社は1618年創業で最も歴史の醸造所の一つです。
商品目のNO.11は素晴らしいワインが出来た樽のナンバーを付けたものです。
やや甘口で寿司、天ぷら、鶏料理に合うワインです。
第7位 辛口リースリング飲み比べセット
出典: Amazon.co.jp
ドイツからはトロッケン・ソヴァージュ・ゲオルグ・ブロイヤーです。
ラインガウ産で香りが華やかでミネラル感があり酸味が際立った爽やかな辛口リースリング。
フランスからはドメーヌ・メルシオルです。アルザスの自然派でオーガニック認証を受けています。
甘いワインが多いアルザスの中では辛口で酸とミネラルがしっかり味わえます。
ニュージーランドからはマールボロ・ドライ・リースリング・アストラーベ・ワインズです。
柑橘系の香りにしっかりとした酸味とミネラル感があるドライなリースリングです。
地域も性格も違うければリースリング種のブドウから造られたワインです。その違いを楽しめるお得なセットです。
第6位 イエローテール リースリング 辛口
おなじみイエローテールのリースリングです。
シトラスの香りがありフローラルでミネラルが感じられる辛口のリースリングワインです。
イエローテール商品群の中でもお高めですがデイリーワインとしては合格な価格です。
第5位 ラインガウ リースリング Q.b.Aトロッケン
ドイツ最古のワイナリーで造られたリースリングワイン。ラインガウはヘッセン州の右岸にある丘陵地です。
ドイツでも最高級と言われるブドウが多く栽培される地域でドイツでも最高級のワインが造られる地域です。
ビオデナミを採用しブドウの持つ良さを残した味わいのワインです。
第4位 コノスル リースリング レゼルバ
おなじみコノスルのリースリングで、蜂蜜のような香りにリンゴ、レモンの花、シトラスを感じさせるニュアンスが複雑に絡み合っています。
第3位 リースリング・クラッシック ファミーユ・ヒューゲル
アルザス産のリースリングで辛口です。
マスカットのような香りとフルーティなニュアンスにコクのある味でで魚介料理や白身の肉料理に合います。
第2位 サントリー・登美の丘ワイナリー・リースリング
サントリーが造っているリースリングワインです。
リースリングの名前を冠していますがドイツのリースリングとは遺伝子上の関連が無い品種なのです。
リンゴや柑橘、桃などの果実香とマスカットのニュアンスが感じられるワインです。
第1位 アルザス・グラン・クリュ/リースリング・スピーゲル
アルザスの家族経営のワイナリーで、ビオデナミでブドウを生産しています。
澄んだイエローゴールドの色で熟成したワインの証であるぺトロール香に桃のニュアンスを持つワインです。
ベック・オフや豚肉のソテーリンゴソースなどアルザス料理の他、魚のバターソテーにも合うワインです。
リースリングワインはよく冷やして
シャルドネワインは冷やしすぎない方が美味しいと以前書きましたが、リースリングワインはしっかり冷やしていただきたいワインです。
リースリングはフルートと呼ばれる背の高いボトルに入っていますので、ワインクーラーを使うときは首までしっかり水に浸かるようにするのが肝心です。
上部が冷やされていないと最初の1杯が美味しく味わえなくなってしまいます。
普段飲みはワインクーラーで冷やす手間も時間も惜しいので冷蔵庫の野菜室でお世話になっています。