私自身、生まれが佐賀県でして、地元のお酒はごく一般的なお酒だと思ってきました。恥ずかしながら、福岡へ出てきて初めて地酒というものがあることを知ったのです。
九州と言えば焼酎のイメージがあると思います。焼酎は実際のところ、九州の南半分が有名で、北半分は日本酒が有名なのです。
私が日本酒が好きになったきっかけは、実は熱燗なのです。
熱燗って飲む瞬間にアルコールがぷわっと漂ってきて、飲むとさらに身体の中から温まります。これが心地よくて日本酒にハマりだしたのです。私の場合、ぬる燗や熱燗で飲むと飲んだ次の日もきつくないので私には相性の良いお酒です。
佐賀は自然が豊富で食べ物が非常に美味しいものばかりです。山の幸から海の幸まで勢ぞろい!佐賀牛もジューシーで本当に美味しいです!有明海では佐賀海苔が有名で、香りが高く、パリッとした音が特徴で高級海苔として有名です。そして佐賀平野と言えば米!
お米も美味しくて御飯が進みます。広い平野があるからこそできるイベントでは、河川敷で毎年世界から集まるバルーンフェスタも行われます。朝からたくさんのバルーンが上がると佐賀の空は色とりどりに変化し、感動します。
また、食べ物をより一層美味しく魅せてくれるのは歴史の深い佐賀の陶磁器にもあります。写真は一例の高級ブランドである有田焼のとっくりです。
今回は魅力的な佐賀県で造られている日本酒をランキング形式で紹介していきます。
目次
そもそも佐賀産日本酒って?
九州は焼酎が有名なのですが、佐賀は日本酒を九州で一番飲む県です。佐賀の日本酒の特徴としては、味が濃く、旨みが強いのです。主に濃醇甘口で、特に濃醇さは全国でトップに値します。
背振山系・多良山系は軟水の良質な伏流水が豊富なので甘口の日本酒造りがなされています。もう一つ、冬場はスキーなどで賑わう天山山系では硬水に恵まれており、辛口の日本酒が造られています。
佐賀で日本酒が盛んになってきたのは江戸時代からです。佐賀藩主の鍋島直正公が米どころの佐賀平野の余剰米を使った、日本酒造りを奨励したことが始まりなのです。また、古くからの蔵人たちの意識も高く、蔵同士の盛んな交流があり、いかにおいしい酒ができるかの情報交換がなされてきています。ライバルでありながら団結力の高い酒蔵があるのが佐賀県なのです。
佐賀産日本酒の魅力
佐賀の日本酒の魅力は全国トップの濃醇さです。味が濃く、旨みが強いので日本酒の美味しさを存分に味わえます。口に含んだ瞬間に旨みを感じ、飲み込む時には濃厚さが残り、まったりと味わえます。アルコール度数はおよそ15度あたりのものが多いです。
The SAGA認定酒というラベルがあり、The SAGAのラベルがあるものは100%佐賀産で品質と美味しさを保証した純米酒や本格焼酎を販売するほど県を挙げて取り組みにこだわっています。酒米から仕込み水まで佐賀県のものを使用し、佐賀県の蔵元で造られています。
日本酒は原料がシンプルなゆえにちょっとした気温や湿度の変化が重要で高度な技術が必要となるのです。
また、IWC(世界最大級のワイン品評会)のSAKE部門で最優秀賞である「チャンピオン・サケ」を2011年に受賞し、世界一に輝き、佐賀の日本酒を世界に広めたのです。(SAKE部門は2007年に新しくできた部門になります)
佐賀産日本酒の種類
種類は非常に豊富で醸造アルコール入りの大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒、特別本醸造酒や、醸造アルコールなしの純米酒、純米吟醸酒、特別純米酒などがあり、他には生酒や長期熟成酒など幅広く造られています。ネット販売でよく流通しているのは純米酒が多いです。
ではどんな種類でどんなお酒があるのか一部ですが紹介させていただきます。
鍋島 三十六萬石 純米吟醸 orange label
出典: Amazon.co.jp
佐賀県鹿島市にある富久千代酒造の鍋島です。佐賀でも人気の鍋島はいちどは味わってみてほしい日本酒です。
こちらは純米吟醸酒で仕込み水は多良山系の地下水を使用されてあるので甘口で飲みやすく美味しいです。アルコール度数は16度で使用酒米は五百万石100%です。
東一(あづまいち) 大吟醸 山田錦
出典: Amazon.co.jp
佐賀県のお茶で有名でもある嬉野市にある五町場酒造の東一です。こちらも人気の高い蔵元です。
吟醸蔵を目標にされている酒造会社で、酒米の最高峰と言われている山田錦を自家栽培されているほどのこだわりがあります。使用されている酒米はもちろん山田錦100%!アルコール度数は17~18度。
香りが濃厚でメロンのような風味に甘さが後を引く味わいでお酒が進みます。
【日本酒】 佐賀県 天吹酒造 16度 天吹 純米吟醸すぱーくりんぐ
出典: Amazon.co.jp
佐賀県三養基郡の天吹酒造の純米吟醸スパークリングです。
日本酒がちょっと苦手だな。と感じる方もいらっしゃるはず。そんな苦手なイメージのあるかたへお勧めなのがスパークリングタイプ。
しゅわっとくる炭酸と共に華やかな香りが漂ってきて、爽やかさが日本酒のイメージとは違ってオシャレにフレンチなどにも合うお酒です。
限定生産 古伊万里 前(さき)純米酒【山田錦/佐賀の華】29BY 無濾過生原酒
出典: Amazon.co.jp
伊万里焼が有名な佐賀県伊万里市にある古伊万里酒造の前です。
2016年全米日本酒歓評会で金賞を受賞したお酒です。地元伊万里で酒米作りをされており、有田白磁泉の名水を仕込み水として使用されています。仕込み水は軟水のため、甘口のお酒です。佐賀県ならではの甘口の日本酒で、さらっとキレが良く絶妙なバランスの取れた味わいです。
より佐賀産日本酒を楽しみたい!佐賀産日本酒と食べ物
濃醇甘口の日本酒が多い佐賀県では食べ物が非常に豊富で、お勧めを聞かれるとキリがないほど出てきます。
代表的なものと言えば、佐賀牛、呼子のイカの活き作り、イカしゅうまい、和菓子の小城羊羹、みかん、鯉の刺身、がめ煮、嬉野茶、佐賀のりなど・・・野菜から果物までも濃厚で美味しいものが多く食べ物は贅沢三昧で育ちました。
海鮮類の刺身や煮物、佐賀牛のステーキにも濃醇で甘さの強い佐賀独自の日本酒がお勧め。食も酒も進みます。
また、佐賀の郷土料理は甘辛い煮物などが多く、味付けの濃いもの、甘口なおつまみなどがあり、濃醇甘口な日本酒が非常にマッチしているのです。
佐賀に来てみたらぜひ、新鮮な食べ物と地酒を楽しんでもらいたいです。日本三大美肌の湯とも言われている嬉野温泉は、嬉野茶も有名ですし、酒造会社もあり、水が豊富できれいなところです。
他にも温泉が点々としていて、旅館に宿泊して佐賀の美味しい食べ物と共にお酒を味わって佐賀を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
佐賀産日本酒選びのポイント
最初にも書きましたが、佐賀のお酒の特徴は甘口です。全国でもトップに値する甘口で女性でも飲みやすいのです。
辛口の日本酒もありますので、好みや、おつまみに合わせて選ぶとよいです。濃い味付けのものには甘口が特に相性が良いです。辛口は脂っこい料理とマッチします。
ではそのことをふまえ、選ぶポイントを紹介します。種類も豊富で私自身も迷ってしまいますが、初めて佐賀のお酒選びをされる方でも分かりやすいものは、The SAGAのラベルがついているお酒は佐賀が品質を保証している美味しいお酒ですので、迷ったらラベルをチェックしてみると簡単です。
私は、地元が甘口が多かったので甘口に慣れていて好きです。
純米吟醸「万齢」
出典: Amazon.co.jp
万齢は非常に甘口で酒好きから苦手な方まで幅広い方が美味しくのめます、のみ口はスッキリめで、とても飲みやすく、個人的にはお勧めです。
宗政酒造 はなMUNEMASA 純米吟醸 秋あがり
こちらも非常に甘口で濃厚な日本酒です。濃厚ですが、すっと口に入って飲みやすく、こちらも日本酒をあまりの飲まない方でも美味しくのめるお勧めな日本酒です。
紹介したこちらの2品もThe SAGA認定酒です。全国的には辛口が普及していますが、一度でいいので、是非この甘口を飲んでみていただきたいと思う逸品です。
お酒好きライターが教える!佐賀産日本酒おすすめランキング!
第1位:鍋島 大吟醸 特A山田錦
出典: Amazon.co.jp
佐賀のお酒を世界に広めたきっかけとなる日本酒です。
IWCチャンピオンで最優秀賞をを受賞した日本酒。吟醸酒ですのでThe SAGA認定酒ではありませんが、香りがとにかく優雅です。
メロンのような濃厚な風味と旨みが濃縮されていて香りだけでも忘れられない良い香り。
また、山田錦を35%まで磨き上げた贅沢さは是非味わっていただきたいものです。
第2位:東一純米大吟醸山田錦100%
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吟醸酒造りにちからをいれている酒蔵です。こちらの東一純米大吟醸は2016年の純米吟醸酒の部で最高金賞を受賞したお酒になります。
南国のフルーツのような美しい風味とすっきりとした味わいで飲みやすく、人気の高いお酒です。贅沢に山田錦を100%使用しているので旨みを味わいながら飲んでみていただきたいです。
第3位:古伊万里 前 純米大吟醸酒
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2018年6月、全米日本酒歓評会がハワイのホノルルで開催され、大吟醸部門で金賞を受賞した商品なのです。
その他多くの受賞歴を持つ日本酒で、JALのファーストクラスでも採用されている商品です。日本酒好きには飲んでみたくなるものですね。
佐賀ならではの甘みのある味わいで、香りも華やかです。
第4位 佐賀県 天山酒造 七田【しちだ】 純米大吟醸 火入れ
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すっきりとした飲み口で、吟醸香が豊か。深みのある味わいで美味しさのバランスが良く人気です。
2018年フランス パリで開催されたKURA MASTERでは純米大吟醸&純米吟醸部門で金賞を受賞。さらに同じく2018年ホノルルで開催された全米日本酒歓評会では大吟醸B部門で準グランプリを受賞。
他にも受賞歴が多いところは七田の魅力が高いことが分かります。
第5位:天吹 純米吟醸 いちご酵母 生 【佐賀 天吹酒造】
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昔よく耳にしていた佐賀でのCMであ~ま~ぶ~き~と今でも覚えています。
天吹の特徴は花の中から分離された花酵母を使って日本酒を造るのです。その中でもいちごの花酵母から造られているのが純米吟醸のいちご酵母です。
ふんわりと甘口で花の優雅な香りが心地よく、女性にも人気の日本酒です。飲みやすいので是非飲んでみて欲しいものです。
第6位:金賞受賞酒蔵太閤特別純米酒箱入限定品
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全量唐津産の山田錦を使用されています。The SAGA認定酒です。
佐賀のお酒の中では甘さ控えめですっきりした味わいで、後味がさっぱりしています。唐津のお土産としてよく見かけます。
私もよく太閤は飲んでいて、佐賀では甘口から辛口までありますが、こちらはちょうど中間あたりで、飲みやすいのです。
第7位:天山 純米吟醸 赤ラベル 瓶 [佐賀県]
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やや甘口です。よく酒屋などでも売れているので家庭でも人気のある日本酒です。
爽やかな香りと共に佐賀産の山田錦の米の旨みが感じられます。
第8位:特別本醸造 無濾過 雫しぼり
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光武酒造の雫しぼり。
僧口から垂れてくるしぼりたての原酒を生のまま濾過なしで汲んだものです。ピュアで旨みをしっかりと味わえます。
モンドセレクション金賞以上を10年連続で受賞。濃厚で香り豊かでスッキリとしているので、旨みがじっくり感じられます。
第9位:特別純米酒 「万齢」
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上でも紹介した私のお勧めな甘口の日本酒です。
日本酒が苦手なかたから、大好きな方までとても飲みやすくて、この甘さを飲んで感じていただきたいほどです。甘いといってもすっきりとした甘さですのでお酒もおつまみも進みます。The SAGA認定酒です。
第10位:【日本酒】 佐賀県 天吹酒造 16度 天吹 純米吟醸すぱーくりんぐ
出典: Amazon.co.jp
日本酒で飲みやすいものはやはりスパークリングタイプです。
今まで日本酒が飲めなかったかたでもチャレンジできる飲みやすさです。炭酸の微発泡が爽やかで後味サッパリで、スパークリングワインのような感覚です。シュワッさらっとお口に入り、女性にも人気です。また、肉料理とも相性がよく、美味しく飲めます。
普段のお酒の気分転換にもお勧めです。
まとめ
佐賀県の美味しい日本酒を紹介してみましたが、いかがでしょうか。
流行りの辛口とは違い、甘さのきいた日本酒が佐賀の日本酒の特徴となりますが、辛口に慣れている方でも、佐賀の甘口を飲んでみたら、違いが歴然と感じられるはずです。
その瞬間にどう感じられるか。佐賀の甘さは日本でもトップに値するのできっと驚かれると思います。
私個人的には甘さが効いているほうがお酒が進みます。まったりと美味しいお酒を飲んで、佐賀の美味しい料理を食べて、佐賀の各地にある温泉でからだを癒してみてはいかかでしょうか。
きっとあなたも佐賀が好きになれると思います。