神奈川県に住み始めてもうすぐ20年。最初に神奈川県産日本酒を口にしたのは「箱根山」だったと思います。友人からのお土産で飲んだのがきっかけでした。軽やかで口当たりよく、おいしかったことを覚えています。
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それからは神奈川県産日本酒を飲んでいくうちに好んで飲むようになりましたね。やはり地元のお酒が身近に感じ愛着を感じます。
この記事では、神奈川県産の日本酒について特徴やおすすめ商品をご紹介します。
目次
神奈川県産日本酒とは
神奈川県産日本酒ってそもそもどんな日本酒なのかといえば食中酒として、料理に合う飽きのこない旨味が特徴の日本酒といえます。神奈川の酒造りには、日本三名水のひとつである丹沢山系の伏流水が使用されています。お水が上質なことは酒造りの基盤もしっかりしているといえましょう。
酒蔵は小規模な酒蔵が多いのですが精米歩合が高く高品質の日本酒で「美山錦」「山田錦」そして県産米の「若水」を使用されているお酒が多いです。
神奈川県産日本酒の魅力
神奈川県産日本酒の魅力は何と言っても淡麗辛口で飲みやすく、料理との相性が良いことです。また、冷酒として飲むより癇好きにはたまらない、癇で飲む方がよりおいしいお酒が多いことです。
アルコール度数は15~16度と高い方ではなく、コクもしっかりと感じられます。また、スパークリングタイプや季節限定のお酒も蔵元によってはあるので一度は飲まれると良いと思います。
神奈川県日本酒の種類
丹沢山系の良質な水に恵まれている神奈川県には比較的小規模な酒蔵が多く、13の蔵元があります。平均精米歩合非常に高いなど高品質な手づくりの日本酒になっていると思います。
また、日本酒の種類は主に原材料、精米歩合、製造方法によって分類されます
吟醸酒
固有の香りと軽快でなめらかな味わいで酒造りに最も最適とされるお米だけを使用し、さらに40%以上磨いてつくったお酒。新鮮な果実のような吟醸香のある軽快でなめらかな味わいがあります。
純米酒
コクがあり深い味わい。まさに日本酒の原点ともいえる米と米麹だけでつくられているお酒。米の旨味そのものが特徴で蔵元の味が現れやすいお酒です。香味、色沢が良好です。
本醸造酒
すっきりとした味わいで米と米麹の味の調整のために醸造アルコールをごくわずかに加えたお酒。
普通酒:これら以外のお酒で米、米麹、醸造アルコールの他に糖類を加えたものもあります。
生酒・生貯蔵酒
フレッシュな搾りたてのような味と香りで加熱殺菌処理(火入れ)を全くせずにビン詰めされたお酒です。
より神奈川県産日本酒を楽しみたい!神奈川県産日本酒の飲み方
神奈川県産日本酒は辛口が多いのですが食事にあうようにとお酒を作っている蔵元も多いです。冷酒で飲んでもおいしいのですが癇で特にぬる癇で飲むのがオススメです。でも蔵元でおすすめの飲み方として冷酒としているお酒もありますし、熱燗をすすめているお酒もあります。
神奈川県産日本酒のテイストにマッチするおすすめのおつまみ・日本食・郷土料理(刺身・焼き魚など)としては、癇で飲むのが美味しいお酒が多いのでおでんや焼き魚、しっかりとした味付けの料理がオススメです。また、塩辛もよくあうのでオススメです。
神奈川県産日本酒選びのポイント
比較的辛口が多い神奈川県産日本酒ですが口当たりがよいので飲みやすいです。
神奈川県には13の蔵元があり、神奈川県産日本酒を選ぶポイントにもなります。それぞれの蔵元を簡単に紹介します。
泉橋酒造(株)
1857年創業。『酒造りは米作りから』の信念のもと、全国でも珍しい『栽培醸造蔵』として酒米栽培から精米・醸造まで一貫して行っています。お米を丁寧に仕込む酒造りでそのすべてが純米酒、心地よく酔えるお酒を目指されています。
熊澤酒造(株)
1872年創業して以来湘南の風土が生み出す、手作りの少量生産による良質なお酒を造り続けています。「天青」とは中国の故事にある『雨過天青雲破処』という言葉から取ったものでその幻といわれる『雨過天青磁』のような突き抜けるすずやかさと潤いに満ちた味わいを目指されています。
久保田酒造(株)
1844年創業。丹沢山系の湧水を用いて日本酒「相模灘」の製造。「相模灘」の酒造りは基本に忠実な吟醸造りをベースに米の旨味を生かしたバランスの良い食中酒を目指されています。
清水酒造(株)
1751年創業で250年以上の歴史を誇る酒蔵。『ていねいに造り、ていねいに売る』を家訓とし、伝統の技を磨きをかけています。国際的な食品審査会であるモンドセレクションにて5年連続金賞受賞。
大矢孝酒造(株)
1830年創業。丹沢山系の伏流水を仕込水に厳選された酒米を用いて、清酒「残草蓬莱」を醸しています。愛川町という風光明媚な土地をお酒に感じてほしいそうです。
黄金井酒造(株)
1818年創業。東丹沢七沢温泉郷に湧き出る豊かな伏流水を仕込水に越後杜氏の醸造技術を自社製造部に伝統継承し厳選し磨きこんだ酒米を一粒一粒を大切にじっくりと手間暇かけての「盛升」。まろやかで膨らみのある酒質の「盛升」は各種鑑評会の連続受賞で高く評価され「酒は文化なり」を実践する蔵元。
吉川醸造(株)
1912年創業。蓋麹法という麹造りを頑なに守り続け人手を使ったきめ細やかな製法により「菊勇」は造られています。いつまでも変わらない伝統の味を追求するひたむきさと常に高品質の酒を醸しだそうという情熱が溢れ口にするときに最高の状態でありたいという造り手の思いが伝わります。
石井醸造(株)
1870年創業。豊かな水と緑に恵まれた足柄平野に位置し、代表酒「曽我の誉」は曽我兄弟ゆかりの地にちなんで命名。梅の咲く時期には新種の出来上がりと重なり観光客が訪れています。
井上酒造(株)
1789年創業。200年以上にわたって酒匂川流域にひろがる足柄平野大井の庄で箱根からの清涼な冷気と伏流水、厳選された原料米を使い『日本酒は米から生まれる。ふくよかな米の味を生かしてこそ本来の日本酒』との信念のもと清酒「箱根山」は造られています。
中澤酒造(株)
松美酉の酒造りは厳選した酒造好適米を一粒一粒大切に磨くことから。純米酒と生酒にこだわっている酒造りなので原料米、仕込み水を吟味し『こびず、おごらず』素直な酒造りを心がけて丁寧にじっくりと時間をかけて醸しています。淡麗な舌触りに加えて飲みごたえのあるしっかりとした口当たり。
(資)川西屋酒造店
1897年創業。最高の米で純米吟醸酒を造りたいという蔵元の願いと地元農家との協力関係から生まれた「丹沢山」は『食物との一体感』を信条にされています。お酒が食べ物の旨味を引き出し、食べ物がお酒の味わいを高めるといった、調和を大切にされていて、丹沢山系の透明な渓流のような深い味わいと余韻が口に広がります。
(株)瀬戸酒造店
1865年創業。丹沢山系の深層地下水を仕込み水に和釜の蒸気理論の甑による蒸米技術を用いて箱麹法による製麹の丁寧な造りの酒蔵。五代続いた技と誇りでやや辛口で確かな満足を与えてくれます。
(有)金井酒造店
1868年創業。四代目蔵元の佐野秀郎は従来の酒造りを一新、白笹稲荷にちなんだ銘柄「白笹つづみ」を誕生させました。麹菌にモーツァルトを聴かせた「モーツァルト」シリーズで伝統を現在に生かした酒造りに挑戦されています。
蔵元を紹介しましたが癇で飲むと美味しいお酒が多いので選ぶときのポイントになります。ぬる癇をオススメする日本酒が多い中、中澤酒造「上撰 松美酉」は熱燗で飲むのを蔵元が薦めています。オススメののみかたもチェックすると良いでしょう
また、精米歩合で選ぶのも良いですし、同じ銘柄でも味わいが違いますので飲みくらべてもみるのも楽しいと思います。それから迷った時にはラベルで選ぶのも楽しいと思います。ラベルは蔵元が中のお酒をイメージして造られているので気になるラベルは、もしかすると運命的な出会いになるかもしれません。
私は、あっさりした味わいの白身魚といっしょに飲みたかったのでクセがなく飲みやすさで「天青」を選びました。神奈川県産日本酒は比較的料理の種類を選びませんが、食べる料理にあわせて選ぶのもよりおいしさを感じられると思います。
お酒好きライターが教える!神奈川県産日本酒おすすめランキングTOP7
神奈川県産日本酒の魅力や種類などをお話してきました。私が今までに飲んで良かった商品や気になっている商品をランキング形式で紹介します。
第7位 金井酒造店 「モーツァルト原酒」
モーツァルトの名曲が流れる自然豊かな名水の里でじっくり醸した音楽醸造酒。まろやかな香りと深いコクが特徴。
味は中辛口でアルコール度数18.3%。価格は500ml2035円。
オススメ理由は全体的に返り香りどことなくフルーティでロマンティックな余韻を残し、オンザロックでも味が崩れないことです。音楽醸造酒でお酒を飲みながら心地よい気分になれそうで飲んでみたい1本です。
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第6位 中澤酒造 「松みどり 純米酒」
穏やかな香りで米の旨味が感じられるのが特徴で中澤酒造さんのおすすめの飲み方は、ぬる癇。
味はやや辛口でアルコール度数15~16度。価格は720ml1219円。
淡麗な舌触りに加えて飲みごたえのあるしっかりした口当たりで辛口でも飲みやすいです。純米酒と生酒にこだわっている酒造りだからこそ、味わえる美味しさと思います。癇で飲むのが好きという方にオススメのお酒です。
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第5位 石井醸造 「曽我の誉 大吟醸」
選び抜いた米に酒匂の水、伝承もち四段仕込みを守り続ける頑固な造り。コクのある味わいが特徴。
味は淡麗辛口でアルコール度数は15.6度。価格は720ml3348円。
なめらかな舌触りと上品な味わいと力強い辛口なのにマイルドでコクのある味わいを感じられるお酒です。また、日本酒ベースの梅酒「曽我梅林の梅酒」も飲みやすくてオススメです。
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第4位 大矢孝酒造 「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」
酒米の原料の美味しさをじっくりと味わえるお酒で癇で飲むとさらに美味しく味わえます。
味は濃醇辛口でアルコール度数は15度。価格は1800ml2700円。
酸味がしっかりと感じられ、ふくよかな味わいがあります。冷酒でも飲んでもおいしいのですが癇でいただく方がホントにおいしいお酒です。冬以外でも癇にして味わってほしいと思うお酒です。
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第3位 久保田酒造 「相模灘 純米吟醸」
酒米「美山錦」を使用した蔵元の看板酒。米の旨味をいかしたバランスの良い食中酒を目指して仕込まれています。
味は中辛口で価格は720ml1500円。
日経おとなのOFF『この夏、一番旨い酒 厳選50』に選ばれただけあって旨味、甘味、酸味がバランスよく、口当たりが良いです。食事にぴったりのお酒で冷でも癇でも美味しいです。食中酒を探している方にはぴったりのお酒です。
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第2位 泉橋酒造 「いづみ橋 恵 青ラベル」
自社栽培の山田錦を100%使用し、完全発酵ならではの辛口の味わいの中にも米の旨味が感じられるのが特徴。
味は辛口でアルコール度16%。価格は720ml1620円。
オススメ理由は酒米の栽培から醸造まで一貫して行っており「酒造りは米作りから」を信念とする蔵元だから。冷酒で飲むのも良し、癇にしてもおいしいお酒です。5月から8月にかけての季節商品で夏やごシリーズもオススメです。
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第1位 熊澤酒造 「吟望天青」
味が丸みを帯び、やさしい香りが特徴。爽やかさとうるおいに満ちた味わいで純米の深みを楽しめるお酒です。
味は中辛口で価格は1800ml2700円。
天青は「雨過天青」「千峰天青」「吟望天青」「雨露天青」の4種類あるうち、私は純米酒の「吟望天青」が一番好きです。五百万石を使用し、米の旨味を最大限にいだし、後味にきれをもっています。飲み比べても良いと思います。
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このほかに私が気になっているのは、井上酒造「発砲純米酒 スィート・ハート」シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵製法の発泡タイプの純米酒。リンゴ様の香りと爽やかな酸味と豊かな甘味、キメ細かい泡が特徴。可愛いネーミングで食前酒として味わってみたいです。
まとめ
神奈川県産日本酒のおすすめをテーマに「お酒好きライターが教える!神奈川県産日本酒おすすめランキング!!」と題してお話してきましたが、いかがでしたか。
ここで紹介した商品のほかにも、たくさんのお酒があります。お好みの1本をみつけてみては、いかがでしょう。また、どの酒蔵も歴史があるので一度訪ねてみるのも良いかもしれませんね。