ガメイ種を意識したのはボジョーレワインを初めて飲んでからかなり経ってからのことです。
私が飲みだした頃はメディアやショップなどでもヌーボーを大きく取り上げることがなかったし、ワインはボルドーやボジョレーなどと地域で選んでいたのでブドウの品種をあまり気にしていませんでした。
そのうちワインについて知ることが多くなってからボジョレーがガメイ種だと認識するようになりました。
目次
ガメイ種ワインとは?
ガメイ種またはガメと言われるブドウはブルゴーニュ地方の最南端ボジョレーで多く栽培されています。
正式名称はガメ・ノワール・ジュ・ブラン(白いジュースの黒いガメ)と言い香りはイチゴやラズベリーのような華やかで果実感に溢れています。
ボディはライトで豊かな酸味や穏やかなタンニンで飲みやすいワインとして好まれています。
ガメイ種ワインの代表であるボジョレーワインの製造に使われるのがマセラシオン・カルボニック法という醸造方法です。
この製法ではブドウの実を潰さず枝のまま(枝には酵母が多い)タンクに入れます。
すると、自重で下のブドウから果汁が出て皮や枝の酵母が働き発酵が始まります。
そうすると、炭酸ガスがタンクを満たしまだ潰れていない果実内でも発酵が起こります。
果実内発酵が始まったブドウを圧縮して得た果汁をさらに発酵させてワインを作ります。
今では早く発酵させるためにタンクにブドウと炭酸ガスを加える方法が多く使われています。
これと区別するためにブドウが発酵してガスを発生させる方法はマセラシオン・ボジョレーやマセラシオン・ナチュレと言われます。
炭酸ガスを使うと発酵まで2~3日、自ら炭酸ガスを発生させると4日~5日かかります。
どちらの製法も発酵後にブドウを圧縮し。取った果汁を白ワインと同じように醸造するので鮮やかな色となりタンニンが少なくフレッシュなワインが生まれます。
フランス・ボジョレーが生んだ深い果実酒!
私が初めて飲んだボジョーレワインはボジョーレ・ビラージュで軽さの中に果実の深い味わいがあり飲みやすく美味しかったと記憶しています。
でも、その後に出会うボジョーレはヌーボーが主で最近ではボジョレーを飲むときはヌーボーになっています。
ヌーボーは新種ならではのフレッシュ感がありながらブドウを感じさせる果実味深い味わいでさらりと飲めるのが魅力です。
赤ワインのタンニンと酸味が苦手だとおっしゃる方には、まずボジョレー・ヌーボーを飲んでいただきたいと思います。
この果実感と爽やかな酸味は赤ワインの入り口としてぴったりだと思います。
ボジョレー以外も捨てられない!その他のガメイ酒!
ロワール地方
トゥレーヌ地区でもガメイ種は作らていて、カルベネ・フランやマルベックとブレンドしたワインが多く作られています。
これらブレンドワインはクリュ・ボジョレーと似た風味があるがカベルネ・フランのスパイシーさも併せ持つ魅力的なワインとなっています。
ピノ・ノワールとのブレンドワインで辛口のミディアムボディに仕上がっています。
フランボワーズのジャムやプラムの香りの奥にシナモンなどの甘いスパイスを感じます。
スイス
フランス以外でガメイ種が作らている代表的な地域がスイスです。
スイスのガメイ種ワインは西部ジュネーブ州、ヴォ州で生産されておりコクのあるワインが楽しめます。
果実感、酸味のバランスがよくガメイ種ならではボジョレーを彷彿させる味わいです。
魅力的!赤ワイン以外のガメイ種ワイン!
ガメイ種のワインにはロゼやスパークリングなど赤ワイン以外のワインもあります。
出典: Amazon.co.jp
こちらはガメイ種でロゼのスパークリングワインです。7.5度とアルコール度数が控えめなのでアペリティフやくつろぎタイムにもお勧めです。
ガメイ種なのにほんのりと桃の香りがする素敵なワインです。
出典: Amazon.co.jpブランド カテゴリ
青山フラワーマーケットとのコラボ商品です。ボジョレー・ヌーボーのロゼタイプです。
ガメイ種らしい果実味がありバラやイチゴのような華やかな香りをもつワインです。天ぷらにも合うおちゃめなワインです。
愛をこめて造酒する生産者の大切さ!
ボジョレーワインの生産者でまず頭に浮かぶのがジョルジュ・デュブッフ氏です。
ボジョレー・ヌーボーの時期になると街のあちこちでその名を見かけることと思います。
ワイン農家に生まれたデュブッフ氏は高校生の頃には家業に携わり作ったワインを売り歩いてていたそうです。
その後、自家製のボトリングを始めジョルジュ・デュブッフ社を設立し、その頃にはヌーベルキュージーヌの旗手であるポール・ボキューズにみとめられるようになります。
ジョルジュ・デュブッフ氏はアッサンブラージュの能力に優れており、地域の契約農家400件のワインをブレンドしてワインを作り私達に提供してくれています。
それは香水の調香に似ておりジョルジュ・デュブッフ氏は日に200種類以上のワインのテイスティングをしているそうです。
彼のこの能力がボジョーレの帝王と言わしめる所以なのです。
そして、ボジョレーワインのもう一人の巨星がマルセル・ラピエールで自然派ワインの父と呼ばれボジョレーだけではなくフランス各地で彼の影響を受けて自然派ワインを作る生産者が現れました。
テロワールを生かすためには村や畑の微生物や酵母にこだわり化学肥料や除草剤、殺虫剤も用いませんでした。
マルセルの死後に後を継いだ長男マチューはビオロジック農法(有機農法)での栽培を行い手摘みによる収穫、自然酵母による発酵でのワイン栽培を行っています。
サクランボのような果実感とコクのある味わいなのですが、濾過処理を行っていないため味を複雑にさせて旨みになっています。酸化防止剤も不使用。
畑やヴィンテージまでこだわってみる!
ボジョレー
ボジョーレ全域で作られるワインにこの名前が付けられます。
日本で提供されるボジョーレヌーボーのほとんどが「ボジョレー」と呼ばれる地域で作られています。
ボジョレー・ビラージュ
北部オー・ボジョーレの39の村で作られたワインです。
ボジョーレより上質のワインとしてよく飲まれています。
この地域ではガメイ種の赤ワインと共にマコン・ビラージュやサン・ヴェランなどの白ワインも作っています。
クリュ・ボジョレー
日本で馴染みがあまりないのがクリュ・ボジョレーです。
高品質なワインを作っている10か所の村がクリュを名乗れます。
この地域の地盤は花崗岩盤でこれがガメイ種が一番順応できる地質なのです。
早飲みワインとして知られているボジョーレですが「クリュ」は3年~5年寝かして熟成させます。
だからクリュではボジョレーヌーボーは作られていません。
近年では2014年と2015年がワインの当たり年だと言われています。
ご存知のように年ごとにブドウの出来が違うのでワインの出来も違ってきます。
ワイン選びにはヴィンテージ(ブドウの収穫年)も大事なファクターとなります。
一緒に食べるべき!?おすすめのおつまみ!
野菜好きな私はワインをいただくときも野菜をメインに考えたくなります。
生ハムとイチジクのサラダ
生ハムとの組み合わせではメロンが有名ですが私はメロンより生ハムの塩分に合わせるならイチジクやマンゴーなど甘みの強い果物との組み合わせが好きです。
そしてイチジクはワインの酸味を穏やかにしてくれる効果があります。
ガメイ種は果実感が信条のワインなので果実感と酸味のバランス調整をしてくれるおつまみが生ハムとイチジクの組み合わせになると思っています。
但し、イチジクは食べられる時期が限られるのが難点です。
イチジクが味わえる季節には是非食べていただきたいサラダです。
合わせる野菜は蕪・きゅうり・ベビーリーフとチーズならモッツアレラがお勧めです。
里芋のグラタン
よく洗った里芋の真ん中に切り込みをいれ皮のままレンジ加熱します。
火が通ったら皮を剥きに塩を振り半分に分けて一方を軽く潰して生クリームか牛乳を加えて塩コショウで味を整えてホワイトソースを作ります。(好みで生ハムや加熱したシュリンプを加えても美味しい)
残りの里芋にかけてさらにチーズを乗せてオーブントースターで焼き目が付くまで焼きます。
里芋の香りは明るい香りのボジョーレに合います。満足感が高いメニューです。
蕪のスープ煮鶏そぼろあんかけ
和食の中でも好きで日常的に作るメニューです。葉の部分は5㎜ほど残して八分割にして皮を剥きます。
鍋に鶏ガラスープと蕪を入れてひたひたにします。
火にかけて沸騰したら5分加熱して鶏ひき肉を加えさらに5分加熱します。
仕上げに水溶き片栗粉であんをかけて完成です。(蕪は煮すぎると激しく煮崩れるのでご注意)
夏は冷蔵庫で冷やしていただくのもおつです。(冷やす場合は片栗粉ではなくくず粉を使うとあんが滑らかに仕上がります)
蕪は生でも加熱してもその風味がボジョレーに合います。
和食にもよく合うのもボジョーレワインが日本人に愛される要因です。
ガメイ種ワインの選び方のポイント
ガメイ種ワインはフランス産がほとんどなのでカベルネ・ソーヴィニョンなどにあるチリ産などのニューワールドワインのようにお手軽価格とはいきません。
1,000円台もありますがスタートは2,000~と思って良いでしょう。普段飲みとしてはちょいと高めです。
新酒のフレッシュなブドウの味わいでワインでタンニンも穏やかなボジョレーヌーボー飲みやすいワインとしてはお勧めです。
日本では盛り上げすぎて食傷気味な方もいらっしゃるとは思いますが、一年に一度、出来上がってから数か月間だけ楽しめる新酒を飲まない手はないと思います。
ワインは生産者や地域によって風味が違います。
例えばフィリップ・パカレはピノを思わせるヌーボーなのでヌーボーと言われる時期を過ぎても美味しくいただけるワインと考えています。(買ってから熟成させる人もいまるようです)
アンリ・フェッシはヌーボーらしさを大事にしたワインを作っています。
同じヌーボーでも生産者のワイン造りに対するこだわりを知ってワインを選ぶのも楽しいものです。
さらに、どの畑で作られたのか?ビンテージはいつなのか?とワインを選ぶための条件はいくつもあります。
私は普段飲みワインにはコスパを求めますし、記念日ワインならこだわって作られた商品に魅力を感じます。
そして、エチケットもテーブルに置かれたときに食事の重要なファクターになります。
情報が多いと迷ってしまうので、ワインを選ぶ要素としてご自身が重要だと思う情報を選んで商品を探されると良いでしょう。
ガメイ種ワインおすすめランキング15選
15位 タイユヴァン・ボジョレー・ビラージュ・ヌーボーヴィエイユ・ヴィーニュ・ハーフ
出典: Amazon.co.jp
ミシュランで3星を取り続けているフレンチの名門レストラン「タイユバン」のワインセレクションです。
古樹のブドウから造られるワインはコクのある上品な味わいです。合わせるお料理はやはりクラッシックなフレンチでしょう。
14位 アンリ・フェッシ・ボジョレービラージュ
アンリ・フェッシはボジョレー地区のブルイィ村でクリュと呼ばれる畑を所有している古くからブドウづくりをしてきたワイナリーです。
マセラシオン・ナチュレでブドウの味わいを大事にしたワインを作っています。
ブドウが味わえるワインはブドウジュースと違う味わいが魅力的なワインです。
野イチゴやプラム、ピーチのような香りでタンニンは控えめで柔らかくて果実味が爽やかです。
なので、鶏むね肉やシーフードを使ったお料理がお勧め。
13位 ラブレ・ロワ・ガメイ
スパークリングで見た目も美しいロゼのガメイ種ワインです。
ほんのり桃を感じさせる香りのワインなのでリラックスタイムにお勧めのワインです。
ボジョレー(特にヌーボー)は味わいが軽やかなので乳脂肪が高いチーズとの相性が良いようで、ブリーやナッツのような風味のコンテAOPがお勧めです。
そして、くつろぎタイムにはお気に入りの音楽や映画、書籍などもご一緒にどうぞ。
12位 ウヴァヴァン・ガメイ・スイス
スイスのガメイ種ワインです。
ラクレットチーズには白ワインが定番ですが、ウヴァヴァン・ガメイ・スイスはラクレットに合う赤ワインです。
白ワインを飲みなれている方だと最初は違和感があるかもしれませんが、ガメイ種の軽やかなタンニンが意外とラクレットチーズに合います。
11位 ジョルジュ・デビュッフ サンタムール
クリュ・ボジョレーの村名であるサンタムールを冠したワインです。
聖なる愛「サンタムール」にちなんでラベルにはバラのが描かれているので愛する人への贈り物に選ばれます。
桃やアプリコットなどの果実感にほのかな甘みと適度なコクがあるワインです。
飲みやすさはピカ一なので赤ワイン初心者にお勧めのワインです。
ただ、コルクが硬く抜きにくかったのが難点です。軽さに合わせた白身魚や鶏のささみ、魚介料理と相性の良いワインです。
10位 ピエール・ボネル・ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール
出典: Amazon.co.jp
ボジョレー・ヴィラージュでこの価格は嬉しい。
しっかりとした果実味なのに後味スッキリで飲みやすいし肉やお魚、お野菜と幅広いお料理に合うワインです。
これならデイリーワインとしても合格価格です。
9位 ジョルジュ・デビュッフ監修 クリュ・ボジョレー ムーラン・ナ・ヴァン ドメーヌ・デ・ロジェール
力強く芳醇な香りなめらかな口当たりのワインです。
長期熟成も出来る品質でボジョレーにしてはタンニンや酸が強めです。
ラズベリーやプラムなどの果実感とあいまって複雑さも持ち合わせたワインです。
ローストビーフなどの肉料理はもちろん日本料理に合います。
8位 マドンヌ・ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー2017
ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌはクリュ・ボジョレーを凌ぐと言われるペレオン村の自然派ワイナリーです。
ボジョレーでは珍しくマセラシオン・カルボニック法ではなく長期熟成型のブルゴーニュとほぼ同じ製法で造られています。
平均35年と言われる古樹のブドウを使っています。
味わいが安定して購入後時間が経っても風味がそこなわれないワインです。
カジュアルなパーティー料理からメインの肉料理まで合わせやすいワインです。
7位 マルセル・ラピエール モルゴン2016 サン・スフル
ベリー系の果実味とフレッシュな香でスムーズな飲み口と柔らかな口当たり、ブドウ本来の味わいのワインです。
サン・スフル(亜硫酸塩無添加)で無濾過です。
肉と野菜のグリル野菜の鰯や秋刀魚など青魚のトマト煮込みなどにあいます。
6位 ボジョレー・ヴィラージュ・キュヴェ・カ・ヴェ・スペシャル2010カリーム・ヴィオネ
フランボワーズやフェンネルにミネラルの香り、フレッシュな酸と果実味のバランスが良いワインです。
ミネラル感が強めなので鴨のローストやチコリやアーティチョークのオーブン焼きなど肉と野菜を使ったお料理に合います。
5位 シャトー・カンボン・ボジョレーヌーボー2017
17年度産となると現在ではヌーボーではありませんが、マルセル・ラピエールのヌーボーです。
ヌーボーは通常瓶詰時に炭酸ガスを抜き酸化防止剤を添加しますが、このワインはナチュラルを信条としているのでガスは抜かず酸化防止剤の使用も最小限に留めています。
このため、開栓時に若干のガスが発生したり不快な香りがする場合がありますが、少し時間を置くことで解消されます。
自然をおおいに楽しめるワインです。複雑さを持ったワインなので麻婆豆腐や青椒肉絲など中華料理に合わせると楽しさが増します。
4位 マルセル・ラピエール モルゴン・キュヴェMMXV
モルゴン・キュヴェは良いブドウが取れた年のみに生産されるワインです。
ビオロジックで生産され手摘みでマセラシオン・ナチュレで生産されました。
鶏肉の赤ワイン煮や鴨のローストベリーソースなどがお勧め。
3位 ジョルジュ・デュブッフ ボジョーレ・ヌーボー2018
今年のヌーボーの予約もすでに始まっています。
毎年フレッシュで果実味溢れるヌーボーを届けてくれるジョルジュ・デュブッフ氏です。
今年のヌーボーの味わいはいかがなものかと今から期待に満ち溢れます。
ブッフ・ブルギニョンやタコのマリネなどがお勧めです。
2位 ラブレ・ロワ・ボジョレー・ヌーボーBIO
BIO栽培で育ったブドウの実を使って造られたワインです。
時間をかけて絞られた果汁を自然酵母で発酵させたので、スパイシーさと熟したタンニンの多さが感じられる個性的なワインに仕上がっています。
生ハムのサラダや赤身の魚との相性は抜群です。
1位 レニエ クリュ・ボジョレー オーガニックワイン
3haの小さな畑で育てられたオーガニックブドウを人の手と馬の力を借りてワインに仕立てた逸品です。
手仕事でしっかり作られているワインはそれだけで憧れます。
ボジョレーの特徴であるベリー系の果実にオレガノなどハーブやバラのニュアンスを持ち、優しい口当たりですが奥行のある旨みが感じられるワインなので、白身魚や白身の肉のソテーに鶏肉と豆の煮こみ、羊肉のクスクスや鶏レバーのお料理と合うワインです。
まとめ
ボジョレーはヌーボーで楽しまれることが多いワインです。
新酒の販売は11月の第三木曜日で今年は11月15日です。
スーパーなどでも取り扱いが始まりワクワク感も増します。
でも、ヌーボーだけでなくビラージュやクリュなど畑にこだわったりシャトーで選んだりと楽しみが豊富なワインでもあります。
あなたなりのボジョレーの選び方を見つけてみてはいかがでしょうか。
ボジョーレワインは赤ワインですが若干冷やして飲むと美味しい。
特にヌーボーはヒンヤリしている方が美味しいです。1時間ほど冷蔵庫で保存してからお楽しみください。
そして、意外にも鍋料理にも合うボルドーなので魚介を使ったお鍋がお勧めです。冬にお試しください。