
蔵書5,000冊の中から選ぶ!ライター・トイアンナさんの「私の栄養になった本」5選
前回のインタビュー記事で、5,000冊以上の蔵書があるとおっしゃっていた、ライターのトイアンナさん。Twitterでも、専門とされている恋愛や就職・キャリア関連はもちろん、政治や社会問題、世界情勢、はたまた漫画やアニメにも詳しくて、幅広すぎ……!!
そんなマルチな知識を持つ、ライター・トイアンナさんが「これは確実に自分の栄養になった!」という5冊の本を、その膨大な本の山から厳選して、ご紹介します♡
トイアンナ/@10anj10
恋愛・就職・キャリア系ライター
外資系企業で4年務めた経験をもとにブログ『
ブログ「トイアンナのぐだぐだ」:http://toianna.hatenablog.com/
DMMオンラインサロン「生きる武器を手に入れよう トイアンナの就活講座」:https://lounge.dmm.com/detail/1003/
恋愛ライターになると言ったら、ゼミの先生がくれた本。男性不信にはなりません!
男性不信 / 池松江美(辛酸なめ子)
中高生の時に読んで衝撃を受けた本は、人種差別という今でも難しいテーマ。
非色 / 有吉佐和子
1967年発行の、ちょっと昔の小説。10代の時に読みました。有吉佐和子さんは、現代小説家として人気だった方です。
戦後すぐに、アメリカ人の兵隊と結婚して、渡米した日本人女性が、旦那さんが黒人だったので差別を受けて、「人種差別ってなに?」ってはじめて考える話です。
黒人の夫と結婚した私は黒人?自分の子供も黒人?日本人だから、差別を自分だけ受けない状況の中、どうやって自分は黒人社会に適応するのか、ショックをもらった本です。
戦後すぐに、アメリカ人の兵隊と結婚して、渡米した日本人女性が、旦那さんが黒人だったので差別を受けて、「人種差別ってなに?」ってはじめて考える話です。
黒人の夫と結婚した私は黒人?自分の子供も黒人?日本人だから、差別を自分だけ受けない状況の中、どうやって自分は黒人社会に適応するのか、ショックをもらった本です。
イラストがとにかくおしゃれで可愛い、ジュエリーのつけ方の本。英語の勉強にも!
How to Wear Jewellery : 55 Styles / Harry N. Abrams
ジャケ買いした英語の本です。ヴィンテージジュエリーを集めているんですが、大振りのものが多いんですよね。この本は、タイトルそのままですが、ジュエリーのつけ方や、色の合わせ方が、おしゃれで綺麗なイラストで図解されていて、可愛いんです!
英語の勉強をしたい人は、こういった自分の興味あるジャンルの本とかを買っちゃうのが、入りやすいと思います。ページを切り取って、額縁に入れて飾っても。雑貨としての本ですね。
英語の勉強をしたい人は、こういった自分の興味あるジャンルの本とかを買っちゃうのが、入りやすいと思います。ページを切り取って、額縁に入れて飾っても。雑貨としての本ですね。
紛争によって、家族や友人と引き裂かれる話。自分に置き換えたら、ぐっときてしまった。
君のためなら千回でも / カーレド・ホッセイニ
最近読んだ本。タイトルはラブストーリーチックだけど、全然愛がない話です。原題は「THE KITE RUNNER」で、映画化した時の邦題がこれになったため、本のタイトルもこれになりました。
アフガニスタンの紛争を描いています。紛争によって、家族や友人と引き裂かれる…っていうのが、日本だとあまりピンとこないですよね。
(実際、この本は海外では売れたんですが、日本では売れなかったみたいです)
たとえば北朝鮮が崩壊して、日本と韓国に難民がなだれ込んでくるとして、国内がすごく荒れますよね。そんな状況だと、家族が離ればなれになる可能性だって十分あるよね、と。そう考えると、ぐっときてしまう話でした。
アフガニスタンの紛争を描いています。紛争によって、家族や友人と引き裂かれる…っていうのが、日本だとあまりピンとこないですよね。
(実際、この本は海外では売れたんですが、日本では売れなかったみたいです)
たとえば北朝鮮が崩壊して、日本と韓国に難民がなだれ込んでくるとして、国内がすごく荒れますよね。そんな状況だと、家族が離ればなれになる可能性だって十分あるよね、と。そう考えると、ぐっときてしまう話でした。
自分の感情を説明する時に、説得力を持たせて人に伝えられる、天才。
考えるヒント / 小林秀雄
昔よく、受験で出てきた小林秀雄さん。私はこの方の完全に信者で、命日にお墓参りに行くレベルなのですが……
自分の感情をいかに相手へ伝わるように伝えるか、という基礎はすべて小林秀雄に教えてもらったと考えています。たとえば、小林秀雄は変わり者についてこう書いています。
「誰も、変わり者になろうとしてなれるものではないし、変わり者ぶったところで、世間は、すぐそんな男を見破ってしまう。だが、止むを得ず変わり者であるような変わり者は、世間は、はっきり許す、愛しさえする」
このエッセイには統計的データもなければ、他人の意見もない。ただ小林さんが思ったことだけが書かれています。けれどそれが読者を説得させてしまう。それこそ書き手として伝える力、説得する力だと思わざるをえません。
自分の感情をいかに相手へ伝わるように伝えるか、という基礎はすべて小林秀雄に教えてもらったと考えています。たとえば、小林秀雄は変わり者についてこう書いています。
「誰も、変わり者になろうとしてなれるものではないし、変わり者ぶったところで、世間は、すぐそんな男を見破ってしまう。だが、止むを得ず変わり者であるような変わり者は、世間は、はっきり許す、愛しさえする」
このエッセイには統計的データもなければ、他人の意見もない。ただ小林さんが思ったことだけが書かれています。けれどそれが読者を説得させてしまう。それこそ書き手として伝える力、説得する力だと思わざるをえません。
トイアンナさん厳選の5冊を読めば、その幅広い知識と文体センスが、ちょっとだけ手に入るかも……?
「本棚を見ると、その人がわかる」とは、よく言いますよね。今回トイアンナさんに「これがとっておき!」とご紹介いただいた5冊の本は、エッセイも小説も、読みながら考えさせられる深いテーマのものが多いと感じました。
日々たくさんの本を読み、そこで感じた自分の考えをアウトプットしていくことで、トイアンナさんの幅広い知識とたぐいまれなる文体センスが、形成されていったように思えます。これを読んだら、ちょっとだけ彼女に近づけるかも?
来月から、トイアンナさんの連載も開始します。お楽しみに!
トイアンナさんのインタビューはこちら トイアンナさんのコレクションページはこちら
「男性不信」ってタイトルなんですが、男性の地位を貶めるもっともキモい男っていう、あえて極端な個別事例を出して、それをサンドバッグにすることで、逆に男性の地位を高めているんです。世の男ってみんなこうじゃないよね、ってすっきりさせてくれる本です。
これを読んで、男性不信にはならないと思います(笑)。