20年間ジャンプを読み続けてきた漫画家志望が勧める珠玉のバトル漫画おすすめ5選

日本でもっとも売れた漫画雑誌といえば、「週刊少年ジャンプ」。1995年には653万部という漫画雑誌において異例の発行部数を成し遂げています。次々バラエティー豊かな作品を生み出し、現在クールジャパンとして世界に誇る漫画文化の見事な立役者となりました。その勢いの秘密は、積極的な新人漫画家の発掘育成と、10週連載して人気が出なければ打ち切りという、紙面裏で行われていた過酷なバトルでした。ジャンプで行われたバトルの結果、読者の心をつかむ読み応えのある作品が量産され、連載されている漫画を少年のものだけではなく、大人や女性の読み物として耐えうるカルチャーにまで押し上げました。今回は20年間ジャンプを読み続けてきた私が、漫画家志望ならではの裏話も雑えながら、大好きな作品を紹介します。特にジャンプのテーマである「友情」「努力」「勝利」をベースにした、ジャンプの真骨頂とも言えるバトル漫画に絞ってランキングしました。(敬称略)

珠玉のバトル漫画おすすめ5選

5位 ヒカルの碁 全23巻 原作 ほったゆみ 作画 小畑健

数々の激しいアクションバトルが繰り広げられてきた少年ジャンプ紙面ですが、この作品の戦いの舞台はなんと「囲碁」!!囲碁は二人の対戦者の間に置かれた碁盤に、交互に碁石を置いて自分の領域を競うという、座ってできる静かなゲームです。一見退屈に見えるこの地味な競技を、漫画という線で描く静止した媒体で、見事に描き出した異色のバトル漫画。しかし読んでみると、囲碁のルールなど知らなくても、まるで自分が実際に囲碁を打っているかのようなワクワク感溢れる臨場感が素晴らしい。秀逸な構成力と分かりやすい表現力が工夫され、日本中に囲碁ブームを巻き起こしました。

主人公はやんちゃで勉強が嫌いな平凡な小学生進藤ヒカル。ヒカルは祖父の家で、古い碁盤を見つけたことから、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為の亡霊に取りつかれてしまいます。佐為は架空の人物ですが、藤原という由緒ある苗字によりおそらく貴族であろうと推測されます。尊い身分を持ちながら幽霊であるという儚い存在を、小畑健の美しい絵があますことなく描き出します。佐為の影響で、ヒカルは囲碁に興味を持ち、いつしか二人には強い絆と友情が芽生えてゆきます。時代を越えた霊という存在が、現代日本人たちと碁を打つという設定は非常にドラマティック。正体を明かせない佐為が苦肉の策としてネットを使って碁を打つ手段も、古き平安時代と平成の技術革新の対比に何とも言えないロマンスとノスタルジイを感じさせます。日本ならではの歴史をめぐるバックグランドが、この作品に奥深さと情緒を与えています。

囲碁が大好きな佐為のため、代わって碁を打つヒカルですが、自分が実力以上に評価される葛藤に苦しみ、成長を強く願います。思春期特有のヒカルの悩みや葛藤は、読者の共感を呼び、囲碁という歴史ある競技世界は憧れの的となります。少年や少女は、藤原佐為のような見守り導いてくれる存在を、誰でも心の奥底で拠り所にしながら成長を遂げるのではないでしょうか。漫画界に新しい風を吹き込んだ艶やかな秀作です。この漫画家は、後に同じく世界中で大ブームを引き起こす「DEATH NOTE」という作品でも、知力による静かなバトルを完璧な画力で描き出しています。

 

4位 キャッツ♥アイ 全18巻 作 北条司

出典: Amazon.co.jp

キャッツ・アイ コミック 全18巻完結セット

昼間は喫茶店を営む美貌の三姉妹、来生泪、瞳、愛。ところが夜は予告状を送り付けて美術品を盗み出す怪盗グループ、キャッツアイとして世間を騒がせている裏の顔がありました。その怪盗一味の次女瞳の恋人は、何とキャッツアイを追う刑事の内海俊夫。瞳がキャッツアイであることが俊夫に知られれば、恋が終わるという緊張感の中で、追う追われるのバトルが展開します。美しい三姉妹が、危険を犯してまで泥棒という妖しい身に落ちねばならなかった悲しい秘密とは…?!そして瞳と俊夫の恋の行方は?

グラマラスなボディをぴったりとしたレオタードにつつみ、長い髪をなびかせ、鮮やかに夜を駆け抜けるキャッツアイの華麗なことといったら!ずば抜けた身体能力と見事な盗みの技で警察を翻弄する美しい三姉妹の登場は、爽快で衝撃的でした。繰り広げられる攻防は、華やかで都会的でセクシーで、大人の世界を覗きこんだドキドキ感に溢れ、女性でさえ憧れずにはいられません。怪盗キャッツアイは、まさに日本中のハートを盗んでしまったのです!

泥棒と刑事というドラマティックな設定ですが、物語は基本1話完結形式で、日常の様々な出来事が描かれ、それぞれの人物像を浮かび上がらせてゆきます。実は、長い話を何話かに分けて描くよりも、決まったページで毎回完結させる方が漫画は難しいんです。毎回新しい話を魅せて、見事な落としどころでおさめるテクニックは、キャッツアイの盗みの技術のように素晴らしい。描かれる出来事は、泥棒と刑事の緊迫のバトルや、キャッツアイの正体にせまるもの、複雑な恋模様の駆け引き、家族や仲間たちの絆や愛情、友情をテーマにほろりとさせるなど、バラエティーに富んでいます。登場人物たちも完璧ではなく、どこかドジだったり嫉妬深かったりするけれど、それでも情に厚く人間味に溢れ魅力的です。まるで本当にどこかに存在し、日常生活を営んでいるかのような生き生きとしたリアリティーが、そこにはあります。この物語に登場するちゃらんぽらんな怪盗神谷真人は、後にこの作者最大のヒット作となる「シティ・ハンター」のヒーロー冴羽獠の原型なのだとか。

物語の前半はコメディタッチに進みますが、クライマックスに近づくにつれシリアスな展開に向かってゆきます。キャッツアイは強大なシンジケートに立ち向かい、行方不明の父の謎を追います。果たして姉妹は恋焦がれた父の行方にたどり着けるのでしょうか。そして瞳と俊夫が決断する恋の結末は…?!ラストは涙を誘うとても美しい物語です。

 

3位 HUNTER×HUNTER 現35巻~連載中 作 富樫義博

出典: Amazon.co.jp

HUNTER×HUNTER ハンター×ハンター

ファンタジーとも近未来とも思える古いような新しいような世界観の中で、超エリート職「ハンター」達の活躍を描いた群像劇です。ジャンプのテーマ「友情」「努力」「勝利」をベースに少年漫画の王道にのっとったバトル・アドベンチャー、と言いたいところですが…。

この作品、一筋縄では行きません。主人公の少年ゴンは、明るく純粋で正義感が強く、果てしない可能性を底に秘めた少年漫画の王道を行く基本性格を持っているように当初は思えます。そしてゴンを取り巻く仲間たち、また敵対してゆく敵役たちの持つバックグラウンドもそれぞれ丹念に描かれているため、読者は悪役にさえ感情移入してしまいます。それぞれのキャラクターの目線からストーリーは織りなされ、複雑に絡み合うため、誰が正義なのか、誰に肩入れすればいいのか分からなくなるところもこの作品の魅力。それは分りやすい正義ではなく、善悪もはっきりとせず、常識と思われる価値観をひっくり返すような描写が多々あるからです。

行われるバトルは、迫力たっぷりの肉弾戦もありますが、どちらかというと相手の裏を読む心理戦や頭脳戦が多いことも特徴。漫画にしては文字数や説明が多いこともあり、まるで一つの心理書を読んでいるようです。この漫画、頭を使わないとちょっと理解が難しいかも。

さて、この作品、ジャンプ連載中にネーム(漫画を描く上の設計図、レシピのようなもの)の段階で掲載されたことで悪名をはせました。ネームを紙面に掲載して販売するなんて、レストランに行ってサラダを頼んだら、洗ってない泥だらけの野菜をそのまま出されたも同じ、プロとして言語道断。それサラダじゃなくて野菜やし!!漫画じゃなくてネームやし!!作者が悪いというより、私は掲載を決めた編集者に問題があると思います。それでも、ネームでも載せないよりは載せた方がジャンプは売れるのです。そして載せられてしまった以上、作家は話を進めざるを得ないのです。これは休載が多い作者に漫画を描かせるための編集者の苦渋の決断だったのでしょう。そしてそれが許されてしまう漫画家富樫義博は、破格の待遇を受けている特別な漫画家と言えそう。

実はこの作者、人気漫画「幽遊白書」連載終了後、一度消え壊れかけた漫画家としても知られています。ジャンプで連載を持つということは、漫画家にとってステイタスであることと引き換えに、過労死してもおかしくないブラック企業のような働き方を余議なくされてしまうのです。

一度どん底を経験し、戻ってきた作家だからこそ描く凄みのある描写は、どんないい加減な漫画を提供されても読者の心をつかんで離しません。時にぶっ飛んだ表現もありながら、スリリングな展開で読者の想像をはるかに越えた、これ以上の結末はないという落としどころでまとめる手腕は、この作家が鬼才と呼ばれる所以でしょう。

 

2位 ドラゴン・ボール 全42巻 作:鳥山明

出典: Amazon.co.jp

ドラゴンボール コミックセット

漫画から飛び出し、アニメ、ゲーム、映画へと世界中で大ヒットした、言わずとしれたバトル漫画の金字塔です。始まりは、7つ集めるとどんな願いでも叶うというドラゴンボールを探す、ファンタジー要素の強い冒険劇でした。しかし、強くなることに貪欲なヒーロー、孫悟空の性格もあって修行や戦いがメインとなってゆくと人気は爆発します。次々と悟空の前に現れる敵は、地球だけにはとどまらず、宇宙人や魔人、人造人間など、底が知れません。そしてまた舞台も地球を飛び越えて、宇宙、魔界や界王神界など壮大なスケールに広がり、タイムマシンで時空さえ飛び越えるSF要素も増してきます。もはやドラボンボールにジャンルはなく、ドラゴンボール自体が、漫画界にさんさんと輝く一つのジャンルなのです。

想像力豊かな世界観、魅力的なキャラクター、スリリングなストーリー展開、見事な物語の構成力、親しみやすい絵、面白い漫画に必要な要素が全てつまっているドラゴンボールですが、私が一番押したいのはその画力の素晴らしさ。

作者はロールプレイングゲームの金字塔、ドラゴンクエストのキャラクターデザイナーとしても有名ですが、彼の絵がなければこれほとヒットしなかったであろうと言われており、破格のギャラが発生しているのだとか。

アメリカンコミックの影響を受けたというその絵は、ダイナミックな立体感を持ちながら、日本的な可愛らしさがつまっています。絵だけで性格が分かる人間や動物のデザイン力に加え、架空の生き物である龍やモンスターを描く発想力、未来を予想させるロボットやメカのセンス力。シンプルな線で見事にデフォルメされた絵は、今にも画面から飛び出してきそうな躍動感に溢れています。きれい、かわいい、かっこいい、愛らしい、おしゃれ、幻想的、セクシー…、鳥山明の絵にはこの世の美徳が全てあります。世界一の絵ですね。ドラゴンボールの壮大なスケール感は、実はその画力のスケール感でもあるのです。もう、今人気の冒険漫画の絵はすべて鳥山明のパクリにしか見えません!!自分の腕一本で、三代後の子孫まで遊んで暮らせるという財産を築き上げたスターダムは、ドラゴンボールの世界以上に、夢に溢れた生き様です。

主人公孫悟空の性格は一言で言うと、底抜けのお人よしバカ。明るく無邪気で清らかで、ありえないほど悪意がありません。これほど平和的な性格の悟空がバトルを好むというのも不思議ですが、彼の性格は血なまぐさい戦闘に救いを与えます。人々が皆悟空みたいな性格なら世界は平和なのにとさえ思えますが、強い敵を呼ぶトラブルメーカーでもあります。無欲な悟空のおおらかな性格が、実はドラボンボールの最大のスケールなのかもしれません。

長いお話なので、シーズンごとに見どころを紹介しましょう。

★天下一武闘会編

少年孫悟空の登場から、武術で世界一を決める「天下一武闘会」へチャレンジするまでの物語です。後に悟空の親友となるクリリンが登場し、二人で亀仙人の元で修行します。二人のちっちゃな少年の愛らしいことといったら!チビキャラを描かせたら、この作家の右に出るものはいないでしょう。コメディタッチでちょっぴりエッチ、牧歌的で平和な雰囲気が楽しめる貴重な作品初期です。

★ピッコロ大魔王編

最も強い人間たちの前にあらわれたのは、人間ではかなわない強さを誇る恐怖のピッコロ大魔王でした。長い頭部と緑色の肌に触覚を持ち、何と慎重は250センチもあるその異形の姿はものすごいインパクト。邪悪な最恐大魔王により、牧歌的な物語は、今後は緊迫感のあるスリリングなドラマへと変わってゆきます。ピッコロ大魔王誕生の悲しい秘密やドラゴンボールのルーツも明らかになり、神様が登場するなど、世界はますます広がりを持ちます。ピッコロとの最後の戦いで見せた悟空の様々な決断は、彼という人間の器を物語っています。

★スーパーサイヤ人編

世界一の強さを極め、背ものび家庭を持ち、大人へと成長した孫悟空。今度彼の前にあらわれた強大な敵は何とまあ、宇宙からやってきた戦闘種族サイヤ人です。悟空やピッコロの出生の秘密が明らかになり、物語は宇宙へ飛び、これでもかという壮大なスケール感を見せつけます。サイヤ人の王子であるベジータ、さらにベジータより強いフリーザが現れ、三つ巴の緊迫したバトルが繰り広げられます。この頃が一番油がのっていて、面白いのではないでしょうか。発達した化学文明を持つ宇宙人たちの、宇宙船やメカなども見どころ。

★人造人間編

宇宙は平和を取り戻しましたが、次に現れる強敵は、人造人間です。未来からやってきた不思議な青年トランクスのアドバイスとともに、悟空たちは人造人間へと立ち向かいます。過去、現在、未来と時間は巡り、未来は枝分かれして別次元で複数存在するというパラレルワールドとして、物語に広がりを与えてゆきます。タイムマシンで時空を越えることができるにも関わらず、予想しない最悪の未来へと、ストーリーは目まぐるしく展開します。それまで敵対していた、ベジータやピッコロと力を合わせて強敵に立ち向かってゆくのもドラゴンボールの素晴らしさです。

★魔人ブウ編

人造人間を倒し、訪れた平和もつかの間。今度の強敵は長い眠りから覚めた魔人ブウです。

実はこの作者、ドラゴンボールをとっくに終わらせたかったのに、超人気看板作品のため、完結が許されなかったという裏話があります。ドラゴンボールの終わりは、ジャンプの栄華の終わり、お前が筆を折るとジャンプ社員のクビが飛ぶんだぞ!!と脅かされながら、無理やり描かされていたというのは、ただの私の妄想です。

この魔人ブウ編は、いやいや描かされていたのが伝わってくるシーズンです。もともとドラボンボールは、死んだ人が簡単に生き返ることができるという何でもあり感の設定を批判されることもしばしばありました。しかし何でもありという救いの中に、それなりの制限を持ちながら命を顧みないヒーローたちの信念が、この作品の魅力でもありました。

それにも増して、本当に何でもありになってしまったんだなぁと、半ばヤケクソに描かれているのが、魔人ブウ編です。ここでは惰性で描かされながら、それでも人気が衰えなかった、作者のやっつけ仕事感をお楽しみください。

 

作品終了から、20年以上経った今も、コミックは再販をかさね、アニメやゲームも繰り返し作られています。日本人ならドラゴンボールを読まずに死ぬな、と言い切れるクールジャパンの先端を走る人気漫画は、本当の意味では決して終わることはなく、私たちの中で生き続けています。

 

1位 ジョジョの奇妙な冒険 全63巻 作:荒木飛呂彦

出典: Amazon.co.jp

ジョジョの奇妙な冒険 全63巻完結セット

第三部の主人公「空条承太郎」に恋するほどハマってしまった作品です。なのに、このジョジョがどんな話か、魅力は何かと聞かれると、一瞬言葉につまってしまいます。それはシリーズごとに主人公が変わる上、ストーリーや舞台があまりに多様さを極め、とても一言では説明できないのです。これは長期連載にはよくあることですが、恐らく物語を描きながら、どんどん作家の想像力がふくらんでゆき、作品が著しく成長を遂げて変わっていったからでしょう。長期連載作品の整合性がとれなくなってしまうことは、もはやファンにとっては暗黙の了解。とはいえこのジョジョシリーズに一貫して流れるのは、少年ジャンプのテーマである「友情」「努力」「勝利」、そして主人公たちの熱い正義感と成長と誇り高い人間賛歌です。また独特の擬音効果や、構図やポーズも一大センセーションを巻き起こしました。それぞれの主人公たちの魅力と、舞台とストーリーの見どころを紹介します。

 

第一部 ジョナサン・ジョースター ―その青春―  (1~5巻)

ジョジョのルーツは、19世紀イギリスで幕を開けます。主人公は熱い正義感とまっすぐなハートを持つまさにヒーローらしいヒーロー、英国紳士ジョナサン・ジョースター。対するライバルは、美しい外見とは裏腹に下衆な悪意を秘めたディオ・ブランドー。悪を極め抜いた誇り高い悪の走りとなった漫画誌に残る名悪役です。残酷さもここまで来ると逆にすがすがしいと思えるデイオの悪名高きセリフの数々はもはや伝説。不思議な能力を持つ石仮面の秘密を追いながら、吸血鬼やゾンビと戦うホラーサスペンスです。丹念に事に描きこまれた歴史あるイギリスの背景や霧の街ロンドンの陰鬱な様子は、臨場感たっぷりにこのドラマティックな物語を盛り上げます。不死身の怪物と命をかけて戦うジョジョの精悍な姿と強い決心は、全ての人の心を打ちます。そしてジョジョがラストに下した決断は、この長い物語の中で最も泣けるシーンでしょう。一代目ジョジョの偉大な誇り高き魂は、その後に続くヒーローたちに脈々と受け継がれ、大河としてのこの作品にはっきりとした輪郭を与えました。

決め台詞:「ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート!! 刻むぞ血液のビート!」「 貧弱!貧弱ゥ!」「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

第二部 ジョセフ・ジョースター ―その誇り高き血統 (6~12巻)

50年の時を越え、舞台は1938年のアメリカへと、主人公は第一部ジョナサンの孫、ジョセフ・ジョースターへと代替わりします。品位ある貴族だった祖父とうって変わって、ジョセフは軽薄で気性の荒いお調子者ですが、ちゃめっけたっぷり。そしてやはりジョジョの名を継ぐものとして、燃えたぎる正義感と勇気、土壇場で底力を発揮するヒーローぶりは健在です。石仮面にまつわる因縁を背負った悲しい家系に生まれ育ち、敵に心臓に毒薬を仕込まれ命の期限までつけられるという非業の運命。なのにジョセフのカラッと明るい性格は、運命を受け入れ物語にユーモアを与えています。メインストーリーは、第一部の石仮面の秘密が明らかになり、吸血鬼を凌駕するさらなる強敵「柱の男」たちと戦うバトルアクションです。第二次世界大戦直前のアメリカから、メキシコ、イタリア、スイスと物語は巡り、ナチスドイツが登場する時代背景は作品にリアリティーを生み出します。策士ジョセフの痛快な戦略と、機をてらった大逆転がバトルが物語の見どころです。

決め台詞「お前の次のセリフは『○○』という」「ハッピー、うれピー、よろピくねー」「逃げる!!」「我がナチスの科学力はァァァァァァァアアア世界一チィィィイイイイ!!」

 

第三部 空条承太郎 ―未来への遺産― (12~28巻)

第二部よりさらに50年の時が流れ、いよいよ舞台は現代の日本(連載当時1987年頃)へとやってきます。主人公は第二部ジョセフ・ジョースターの孫、空条 承太郎。高校生とは思えないクールな性格と落ち着いた物腰、そしてやはり全シリーズのヒーローに共通する燃えるような正義感を心に秘めています。第一部第二部と肉弾戦が多かったジョジョですが、第三部からは、スタンドという選ばれた者だけが持つ守護霊のような特殊能力を使った戦いへと移行します。この漫画ならではの表現を生かしたスタンドの想像力溢れるビジュアルや能力は、バトル漫画の新境地を切り開きます。見どころは次々あらわれる得体のしれないスタンド使いの能力を解き明かしながらの知力を尽したバトル。そして日本からエジプトへ向かうロード漫画として世界旅行気分が味わえるのも楽しみの一つ。当初はハードボイルドな劇画タッチで描かれていたシリーズでしたが、第三部からより洗練されたスタイリッシュな絵柄へと変わってゆきます。ジョジョ立ちと言われる独特な立ち姿や、セリフ回しや漫画でしか表現できない構図は、ジョジョならではの世界観を打ち出し不動の人気漫画の地位を築きあげました。

決め台詞 「やれやれ、だぜ」「オラオラオラオラオラ」「てめーはおれを怒らせた」

 

第四部 東方仗助 (29~47巻)

第三部から10数年。舞台は日本にある架空の街、杜王町。今度のヒーローは、何とまあ第二部の主人公ジョセフの隠し子である東方仗助。多少はヤンチャな一面もあるものの、温厚で人当たりの良い高校生らしい高校生です。ところがヘアスタイルだけは時代遅れの派手なリーゼントをしており、この髪型をけなされると激高し、爆発的なパワーを見境なく発揮させます。ぶっ飛んだ一面を持つ主人公が活躍する第四部ですが、明確で強大なラスボスが存在していた第三部までとは、様相が変わってきます。時代に選ばれたかのようなスーパーヒーローたちが戦う今までと違って、日常を営む普通の人々がある日突然スタンド能力を引き出され、特殊なパワーを手にいれます。分かりやすい勧善懲悪は鳴りを潜め、そこらへんで生活する人々の悪意や好奇心、恋心、性癖、執着、願望などがふと露わになるジワジワとした怖さがあります。少年漫画らしいバトルではなく、サスペンスホラーと銘打って複雑な人間の内面を描き出す第四部は、少年向けから大人の読み物へと成長してゆきます。

決め台詞 「グレート」「ドラララララララ……ドラァ!!」「だが断る!」「質問に質問で返すなあー!」

 

第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 【黄金なる遺産】(47~63巻 完結)

舞台は歴史ある芸術の国イタリア。イタリアはマフィアの国としても有名です。今度のヒーローは、生い立ちはちょっと複雑で、第一部の主人公、ジョナサンの首から下の肉体を乗っ取った吸血鬼ディオを父親に持つ、ジョルノ・ジョバーナという少年です。実はこのルーツや今までの話は、今回のストーリーとは関連は薄く、テイストはガラッと変わり、主人公はギャングスターを目指します。スタンドという特殊能力でバトルを行う設定はそのまま、大人びた性格のジョルノは、今までのヒーロー同様、熱い正義感と強い信念を秘めています。しかし強烈な存在感を放つヒーローの物語というよりは、ギャングという組織の中で、チームワークで立身出世を目指す若者たちの群像劇です。美形揃いの若者たちは、個性溢れるスタンド能力を駆使して、緊張感溢れる戦いを繰り広げてゆきます。バトル・アドベンチャーと銘打って、ますます洗練されてゆく絵、読者のななめ上をゆく見事なストーリー展開、個性あふれるキャラクター、ジョジョならではのワールドは、ここに極まります。

決め台詞 「このジョルノ・ジョバァーナには『夢』がある!」「「覚悟」だッ!「覚悟」が必要なんだッ!」「WREEEAHHッ」

 

第6部 ストーンオーシャン (全17巻)

コミックは新たに1巻から始まり、ジョジョシリーズ初めての女性ヒロインが登場します。実は打ち切りで終わるという悲しい結末ですが、これは前衛的で難解な作品の質が、少年漫画にそぐわなくなってきたからです。以後、ジョジョは少年誌から青年誌へ、活躍の場をうつしてゆきます。

 

第7部 スティール・ボール・ラン (全24巻)

19世紀末、6,000kmにも達する北アメリカ大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」へのチャレンジャーたちの群像劇です。今までのジョジョシリーズを連想するキャラクターが登場しますが、時代や設定も異なるパラレルワールドで活躍する人物であり、新しい作品として読んでみるのもいいかもしれません。

 

第8部 ジョジョリオン (1~17巻 連載中)

第四部と同じ杜王町を舞台に、記憶消失の青年が謎を解き明かしてゆく現在も連載中のサスペンスホラーです。絵はますます洗練され美しいデザイン画のよう。そして日本の漫画の芸術性は、世界的に有名なイタリアのブランドグッチとコラボするまでに、高い評価を得ることになりました。歴史ロマンとして幕を開けたジョジョは、時空を越えた革新的な物語として新しい魅力を次々と放ち、輝き続けます。

 

まとめ

以上、とびっきりのジャンプバトル漫画5選を苦渋の選択でランキングしました。この他にも、面白い漫画がジャンプでは続々と掲載されています。今回紹介した5選はいずれも漫画から飛び出しアニメ化され、実写や映画やゲームにも活躍の場を広げて、世界中で愛されています。メディアミックスで作品を売り出すのは、ジャンプの得意技でもあります。

そして今や日本漫画は、クールジャパンとして一つの芸術・文化として確固たる地位を築き、世界にその名をとどろかせています。世界中から有望な若者が日本に憧れ、漫画を学びに訪れます。紙とペン一本あれば、漫画の世界は無限大。いや~、日本漫画って本当に面白いですね。日本に生まれてよかったー!!

 

 

 

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