みなさんはお部屋に花を飾ることはありますか?わたしは年に4回、生け花のお稽古に通いながら、四季折々の草花を自宅に活けて楽しんでいます。
花のある生活は良いものです。お部屋がパッと華やぎますし、毎日花を世話していると精神的にも安らぎを得られる気がします。適切に扱っていれば、花が散ったあとのグリーンや、枯れてゆく姿までじっくりと愛でることができますよ。
生花を購入したら、できるだけ長持ちさせて楽しみたいものですが、生花専用のハサミを使わずキッチン用のハサミで代用している方もいらっしゃるようです。生花ハサミは切り花を長持ちさせるのに欠かせないアイテムです。今回は生花ハサミの選び方やお手入れ方法をご紹介します。
目次
生花ハサミと剪定バサミの違い
生花ハサミに似たもので剪定ハサミという商品があります。違いは、というと刃の形状と言えます。剪定ハサミは2つの刃が曲線を描いているところです。
バネがついているものもあります。太い枝が切りやすく、お庭などの野外で使うことが多いものです。
岡恒 剪定鋏
出典: Amazon.co.jp
植木屋さんも大満足の切れ味
庭木のお手入れや家庭菜園などを楽しまれる方には、この商品はとってもおすすめ。切れ味は最高で、シャキンと良い音で太い枝も楽々裁断できます。
生花ハサミの選び方
生花ハサミはどのようなものがあるのでしょうか。形状や素材、お値段も様々で、どれを選べば良いかわからない方もいらっしゃるでしょう。花の枝や茎はそれぞれ太さ、固さが違いますから、それらをしっかり切ることができる形状、素材を選べば良いのですが、個人的にはあまり安価な商品を選ばないことをおすすめします。
昨今は100円ショップでも生花ハサミがありますが、生花を継続的に行うときに必要な耐久性は備わっていない商品がほとんど。たまに使うだけならキッチン用のハサミでも十分です。この記事では、生花を継続的にやっていきたい方向けの生花ハサミの選び方をご紹介していきます。
選び方もいろいろあるのですが、お値段はご予算に合わせて良いと思います。そのほかのポイントは形と素材です。生花ハサミには伝統的な形があり、それを現代版に改良した製品、西洋風のアレンジメントに使いやすく細かな作業に適したものなどがあります。
形状タイプで選ぶ
池坊型
池坊や草月流で使われている池坊型のハサミは、生花をする際に使う伝統的なハサミの一種です。刃の角度を鋭角に作っており、生花の繊維を潰さずに切る事が出来るため水をよく吸い上げるため、生けたお花を長い期間楽しむ事が出来ます。
持ち手の端についたわらび型の部分で、硬い枝の切り口を潰すことが出来、水の吸い上げを良くする役目を果たしてくれます。素材は鋼のものが多いため錆びやすいですが、こまめにお手入れにすることで長く使用可能です。
古流型
古流型のハサミは、生花やフラワーアレンジメントなどでも使用されている伝統的な形のハサミです。つる手と呼ばれる持ち手は滑らかな大きい輪を描いているため、指を入れてしっかりと握りやすく、使用していて疲れにくいのが特徴です。
持ち手が大きく手袋や軍手をしていても使用可能なため、生花の他に家庭菜園にも重宝されています。私の実家でも古流型のハサミがあり、庭木の細かい剪定などに使用していました。手の大きな方にもおすすめです。
「池坊型」「わらび手」
華道鋏 わらび手 藤華 黒仕上げ
出典: Amazon.co.jp
池坊や草月流で使われる
私が普段使っているのはこの形で、池坊や草月流といったところで使われているものです。生花は枝ものを多用するため、普段使いのハサミではなく、このタイプを指定されることが多いのです。職人さんの手作りで、お値段はピンキリ。
素材は鋼のものが多いですが、表面がステンレスコートされたものもあります。錆びやすいため、こまめにお手入れする必要はありますが、切れ味の良さや、伝統的なお道具を好む方にはおすすめです。
「古流型」「つる手」
岡恒 生花鋏 古流 No.222
出典: Amazon.co.jp
細かい作業をするのに適している
こちらも伝統的な形ですが、わらび手よりも細かい作業に向いています。持ち手部分が細いので、太い枝を裁断するにはやや不向きではありますが、例えば家庭菜園などで軍手を装着しながら使用するときなどにはこの形状が重宝します。
素材で選ぶ
ステンレス製
ステンレス製の生花用ハサミは、水に触れても錆びにくく、水分を含む生花を扱う際にぴったりの素材と言えるでしょう。お手入れも簡単に出来るため、ステンレス製のハサミを好んで使う方も多くいらっしゃいます。
ハサミ自体の強度が高いものの鉄と比べると軽く、長く使用する事が可能です。鋭く切れる鋭利な刃なため、生花の繊維を潰さずに切る事が出来ます。そのため、水の吸い上げが良くなり、活けた花を長い期間楽しめるでしょう。
セラミック製
セラミック製のハサミは切れ味がよく、シャープな切れ味が長持ちするのが特徴です。セラミックの素材は非常に軽く、長時間使用する時でも手に負担がかかりにくいためおすすめです。また、セラミックは硬度も高く、気にいったハサミを見つけられれば、長い期間に渡って使用する事が可能です。セラミック製のハサミには、金属特有のニオイが出ない点も特徴と言えます。ただし、他の素材のハサミと比べると販売されているデザインや種類は少ないようです
鉄製
鉄製(鋼)のハサミは、一般的に多く出回っています。刃をフッ素加工していて錆びにくく、シブやヤニがつきにくいのも特徴です。軽い切れ味で枝でも切る事が出来ます。そのため、握力が弱い方にもおすすめの素材です。
取り扱っているお店も多く、比較的安価に購入できるため、幅広い年齢層に人気があるようです。また、花屋さんなどでも使用されています。商品によりハンドルの色は豊富で、好きな色やデザインを選べるのは嬉しいですね。
持ち手のタイプで選ぶ
つる手
つる手のハサミは、大きく滑らかな曲線を描いた持ち手をしていて、古流型のハサミの特徴です。持ち手が大きいためしっかりと握りやすく、細かな作業にも向いています。また、使っていても疲れにくい造りになっています。
持ち手部分は作りが細いため、硬い枝などを切るのには向いていませんが、生花の他、野菜の収穫や花を摘む際にもよく使われているため、一般に生花用のハサミとしてイメージされる方が多いのではないでしょうか。
わらび手
持ち手の端が山菜のワラビのように、くるりと丸くなっている物をわらび手と言います。わらび手のハサミは親指と人差し指の根本で軽く挟み、残る4本の指はハサミの柄の外に当てて使用します。手を開いた際に刃先が自然に開くように持つことがポイントです。
わらび手のハサミは慣れないうちは扱いにくいかもしれませんが、慣れてくると非常に使いやすくなっていくでしょう。池坊型のハサミの特徴的な持ち手です。
用途で選ぶ
「フラワーアレンジメント」なら
アルス クラフトチョキ多用途 ホワイト
出典: Amazon.co.jp
リボンやワイヤーも切りやすいクラフトハサミ
生花ではなくフラワーアレンジメントにおすすめなのが、クラフトに使用されるタイプのハサミです。生花専用のハサミとフラワーアレンジメント用のハサミでは、用途が異なるためリボンやワイヤーなどを切りづらさを感じます。そこで、クラフトタイプのはさみを利用すると、リボンやワイヤーも楽に、軽い力で簡単に切る事が出来ます。
フラワーアレンジメントは柔らかい花を切る機会が多く、リボンや紙などのデコレーションが同時にしやすいクラフトタイプを使用することをおすすめします。
自分の利き手用を選ぶ
ハサミを使う際、自分の利き手用のものを選ぶようにしましょう。多くのお店では右手用のハサミが主に売られているようですが、左利きの方には多少使いづらい面もあるかと思います。
右手用のハサミでも慣れれば左利きの方にも扱えるかと思いますが、細かな作業をする時などをする際には、やはりちょっと違和感を感じることと思います。最近では左利きの方用のハサミも売られていますので、是非試してみてください。
持ち手のサイズもチェック
量販店などでは一般的なサイズのハサミが売られているかと思いますが、出来れば専門店などで、自分の手にフィットするような、ジャストサイズのハサミを選ぶことをおすすめします。大きすぎては使いにくいですし、小さすぎては手が痛くなったり、扱いにくさを感じるはず。
生花では繊細な作業もありますし、ご自分の手にあったハサミを使うことで、扱いやすさや作業の効率も上がることでしょう。ご自分にフィットするサイズであれば、長い間愛用する事が出来ることと思います。
生花ハサミのおすすめメーカー
坂源
明治36年の創業以来、100年以上に渡り生花や盆栽用のハサミの分野で支持され続けているメーカーが、ハサミのパイオニアである坂源です。伝統の技術と、最新の設備によるハイクオリティな製品を作り続け、その切れ味と使い易さから生花をされる方に人気のメーカーであり、おすすめできるメーカーです。
ハサミの形状や素材も多数あり、坂源でならきっとお気に入りのハサミが見つかることでしょう。持ち手のカラーを変更したり、ロゴを入れる等のオーダーメイドも出来るようですので、自分だけのハサミを作れば特別感も得られるのではないでしょうか。
私が愛用している生花ハサミはコレ!
わたしが愛用している生花ハサミはコチラ。祖母から譲り受けたもので、作者の詳細はわかりませんが、切れ味は抜群です。かなり使い込まれているので、接合部分がぐらつき始めています。
そろそろ金物屋さんに直してもらいに行かねばなりません。丁寧に扱えば末長く使い続けられますし、愛着もでますよね。似た商品はこちら。
宗家秀久 お花鋏 池坊型
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江戸時代から続く園芸バサミメーカー
華道家元からも依頼される、園芸ハサミメーカーの商品です。火造り鍛造といって、熱した金属をハンマーなどで叩いて1つずつ職人が手作りしているものです。価格もお手頃で、プロユースのお道具を試してみたい方におすすめ。
生花ハサミおすすめ人気7選
それでは、おすすめ商品をご紹介します。どれを買おうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
坂源 ハンドクリエーション 古流タイプブルー
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プロの花屋さんが愛用する商品
形状は古流(つる手型)ですが、枝ものもスパっと切れちゃうのでとても重宝します。デザインは現代風でカラーバリエーションも豊富です。プロの花屋さんも愛用する方が多い商品です。持ちやすく手が疲れにくいのが長所。
生花ってそんなに力が要らないのでは? とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、枝ものを扱ったり、お花の丈を微調整したりと、一回のアレンジでもハサミを使う頻度はかなりのものです。フッ素加工が施され、お手入れが手軽なのも嬉しいですね。
アルス クラフトチョキ多用途 ホワイトー
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小さめだけど鋭い切れ味!多用途ハサミの決定版
こちらの商品は生花専用というわけではないのですが、お花屋さんでも使っている方が多い商品です。西洋フラワーアレンジメントには、薄紙やリボン、ワイヤーなどを使うことがありますが、このハサミはガーゼのような柔らかいものからブリキ、アルミといった硬いものまで切断が可能で、ハサミを使い分けする必要がないのが良いところです。
もちろん、事務用にも使えます。グリップが柔らかく、切れ味抜群なので、たくさん物を切っても疲れにくい商品です。小さいので、枝ものには不向きです。
雅琴 オールステンレス古流鋏
出典: Amazon.co.jp
サビに強いオールステンレス製
鋼製の鋏は錆びやすいのですが、こちらの商品はオールステンレス製で、お手入れがとってもラクちんです。お花はお水を使いますから、どうしても鋏が水で濡れてしまうことが避けられません。使い終わって水分を拭き忘れてしまうことがあるウッカリさんでもこの商品なら安心ですね。
金象印 マイフィット ガーデン
出典: Amazon.co.jp
軽い!錆びにくい!切れ味抜群!
見た目にはさほどこだわりはなく、切れ味と使い勝手が良いものが欲しいという方におすすめなのがこちらの商品です。お花用のハサミは刃が短いものが多いですが、こちらは細かい作業にうってつけの長刃仕様。なおかつ細い枝くらいなら楽に裁断できる切れ味の良さも文句なしのレベルです。
シャキンという音が気持ち良い!
アルス 植木鋏 軽量鋏
出典: Amazon.co.jp
クラシカルなデザインを軽量化した商品
古流型ですが、少々太い枝でも楽々裁断できる切れ味です。オール鋼のハサミは重くて使い続けると手が疲れてしまうという声もありますが、こちらはグリップにアルミを採用した軽量タイプ。刃もやや長めで、細かい作業にも使えそう。
サカゲン ガーデニング鋏 ミニクリエーション
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真っ赤な持ち手がオシャレ
フラワーアレンジメントに最適な細長い刃と、軽さ、切れ味も良いので重宝する商品。お道具のデザインにこだわりたい方なら、この真っ赤な持ち手はグッとくるのでは?
太い枝は裁断できませんが、日常的にちょっとしたお花を活けるときなど、こんな可愛いハサミを使えば気分もアガりますよね。
生花ハサミの売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、生花ハサミの売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
Amazon売れ筋ランキング 楽天売れ筋ランキング Yahoo!ショッピング売れ筋ランキング
生花ハサミと合わせて買いたい商品おすすめ2選
生花ハサミと一緒に使いたい商品を2つご紹介。
チカマサ ハサミ用砥石
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最初はあんなに切れ味が良かったのに……。良いものを購入したとしても、使っていくとどうしても切れ味は落ちていきます。そこで使いたいのが鋏専用の砥石です。ハサミって自分で研げるの? はい、意外と簡単に研げます。
一生物にしたいような高級なハサミであれば、ほとんどの人が専門の職人さんに研ぎに出しますが、普段使いのハサミなら、自分で研いでしまうのも良いでしょうね。
水溶性 ヤニ取り クリーナー
出典: Amazon.co.jp
ハサミ専用のクリーナーがあるのをご存知ですか?普通のクラフト用ハサミと違って、植物を扱う生花用のハサミは樹液やヤニがついて取れにくくなってしまったりします。
放置しておくとせっかくの切れ味が台無しに。ヤニ取りクリーナーで定期的にお手入れしましょう。
生花ハサミのお手入れ方法
生花ハサミを購入したら、どんなお手入れが必要なの?油を差すなどは必要?
実はさほどお手入れが必要ないのです。購入して初めて使う場合でも、そのままで大丈夫ですし、使った後は乾いた布で拭いておけば良いのです。ただし、鋼は錆びやすいので、使用後の拭き取りは念入りに。水分が残ってしまうと、あっという間に錆びてしまいますのでご注意くださいね。
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