みなさんがカメラを使い始めるきっかけは何でしょうか?今の時代、スマートフォンで簡単に撮影ができますので、敢えてカメラを使う、ということは、何か特別な理由があるはずです。
筆者の場合は、子供の誕生でした。子供の成長する姿を写真に残したい、そんな思いを持っているときに、あるブログにて、子供の写真を掲載していました。
とても可愛く、それだけでなく、生活感が溢れる魅力的な写真です。そして、その一つの要素として「ボケ」がありました。子供の姿が、画面上に浮き上がってくるようなボケ写真。
そのブログにて、撮影機材の紹介が掲載されていました。一眼レフカメラと単焦点レンズです。一眼レフも使ったことのない筆者にとって、「単焦点レンズ」という単語も未知の存在でした。
その後、一眼レフカメラと単焦点レンズを入手して、子供の写真を撮り始めました。ボケの大きな写真が手軽に撮れる単焦点レンズの魅力にはまっていき、筆者は所有するレンズが200本を超えるレンズ沼に突入してしまいました。
目次
まずはカメラの基本的な専門用語をおさらい!
単焦点レンズを活用する上で、カメラの基本的な知識が必要となります。
ホワイトバランスで色合いを決めよう
写真撮影でホワイトバランスは重要です。写真の色合いが変わってしまうからです。通常は、ホワイトバランスのオートモードを使うことで、そのシーンに最適なホワイトバランスとなります。
しかし、いろいろな表現をする上で、ホワイトバランスを操作することで、より色合いの深い写真が可能になります。
例えば、自然の写真で緑を濃くしたり、青空で青を濃くしたり、夕景で赤を強いしたり、という感じです。
F値を撮影対象に合わせて変更しよう
F値とは、レンズの絞りのことです。F値が小さければ小さいほど、ボケが大きくなります。例えば、子供一人だけを際立たせたいときはF値を小さくして、集合写真などではF値を大きくするといいでしょう。
また、花などをファンタジーに撮りたいときはF値を小さくして、山の景色などを綺麗に撮りたいときはF値を大きくすると良いでしょう。
絞り優先でボケの量をコントロールしよう
カメラには撮影モードがあり、その中の一つが「絞り優先」です。単焦点レンズを使って、ボケの大きな写真を撮影する場合は、F値をコントールできる「絞り優先」がお薦めです。F値を設定することで、そのF値で撮影できるように、シャッター速度やISO感度が自動で設定できます。
露出でイメージを変えてみよう
露出は、写真における光の量を変更することができます。例えば、暗いシーンでも露出をプラスすることで昼間のような明るさにしたり、明るいシーンでも露出をマイナスすることで暗いイメージで撮影することができます。
露出をオートで写真のイメージが違う場合は、露出をマニュアルで操作してみましょう。
ISO感度を上げて暗いシーンを撮影しよう
ISO感度は、数字が大きくなればなるほど暗いシーンで撮影がしやすくなります。その代わり写真にノイズが増えていきます。
暗いシーンでは、シャッター速度を遅くすれば撮影は可能ですが、手振れをしてしまいます。このISO感度を大きくすることで、シャッター速度を速くすることができますので、手振れを防ぐことができます。
レフ板で光を補助しよう
人物写真を撮影していて、顔が暗くなってしまうような場面があります。顔を明るくしようと露出を上げていくと、背景が白っぽくなってしまいます。
このような場合は、顔にレフ板という機材で、光を顔に当てることで、光を補助することができます。人物撮影では、レフ板あると便利です。
RAW現像で写真をイメージ通り仕上げよう
写真データは、撮影形式がJPEGという形式と、RAWという形式で撮影が可能です。撮影後、すぐにSNSにアップしたり、プリントしたい場合はJPEGが便利です。撮影後、パソコンで補正をしたい場合、補正作業をしても劣化の少ないRAWが便利です。
単焦点レンズは小型で扱いやすくボケ写真が撮りやすい
レンズには、ズームレンズと単焦点レンズがあります。ミラーレスカメラなどでキットレンズとして付属してくるのはズームレンズです。
例えば、28mm-85mmというズームレンズの場合、28mmから85mmまでの焦点距離で撮影が可能です。数字が小さければ、広角となりますので景色が撮りやすく、数字が大きければ望遠となりますので人物が撮りやすくなります。
ズームレンズは、焦点距離を変更して、いろいろなシーンが撮れる便利なレンズです。
しかし、ズームレンズはF値が大きなものが標準的なため、大きなボケの写真を撮影することができません。また、便利な分、写真の解像度が少し落ちます。
そのため、大きなボケ写真や解像度を求める場合は、単焦点レンズを利用します。
単焦点レンズはズームのように焦点距離を変更することができません。18mm-80mmのズームレンズを1本持ち歩く代わりに、28mm、50mm、85mmといった3本の単焦点レンズを持ち歩くことで、いろいろなシーンに対応します。
単焦点レンズは、焦点距離が固定されているおかげで、F値の明るくしてもレンズ本体のサイズが大きくなりません。
また、価格も安価になります。手軽に、大きなボケの写真を撮影するには、単焦点レンズがお薦めとなります。
どうして今単焦点レンズを買うのか?メリットを3つご紹介!
便利なズームレンズがある中、単焦点レンズを使うメリットをご紹介します。
絞り優先で大きなボケの写真が簡単に撮れる
単焦点レンズは、F値の小さなレンズがあり、ボケ写真の撮影がしやすくなっています。この場合、「絞り優先」の設定で小さなF値を選択することで、背景を簡単にぼかすことができます。
軽くてコンパクトなので持ち運びやすい。女性にもおすすめ!
ズームレンズはどうしてもサイズが大きくなりますが、単焦点レンズは小さくなり、持ち歩きがしやすくなります。鞄などにも収納しやすいので、女性におすすめです。
価格の安い種類がある
F値の小さなズームレンズは非常に高価になります。しかし、単焦点レンズは、安く高性能を作りやすいため、各社で安価なシリーズが発売されています。
安価にボケ写真を楽しむには、単焦点レンズがお薦めです。
単焦点レンズのデメリットとは?
ボケ写真の撮りやすい単焦点レンズのデメリットを紹介します。
ズームができないので遠くの写真を拡大して撮りづらい
焦点距離が決まっているため、遠くのものを撮影する場合、短い焦点距離のレンズでは撮影が難しくなります。長い焦点距離の単焦点レンズにレンズ交換をする必要が出てきます。
写真の構図を決めるには自分で動く必要がある
ズームレンズの場合は、写真の構図を決める場合、ズームを調整すれば可能です。しかし、単焦点レンズの場合、人物写真において、顔をアップを撮る場合は自分で近づいて、全身写真を撮る場合は自分で離れる必要があります。
単焦点レンズはこんな時に使うのがおすすめ!
単焦点レンズのお勧めのシーンを紹介します。
花
背景がボケやすいので花の撮影に単焦点レンズはお勧めです。
夏祭り
少し暗いシーンでも単焦点レンズは撮影がしやすくなります。
子供
子供の写真を撮るときは背景をぼかすことで可愛い雰囲気で撮影できます。
動物
動物を可愛く撮影することができます。
単焦点レンズの選び方
単焦点レンズは、F値と焦点距離にて選択します。F値の小さなレンズは大きなボケを撮ることができますので、F1.4からF2のレンズがお薦めです。
焦点距離に関しては、50mmを選択することで、人物写真も景色写真を撮ることができます。景色だけなら28mm~35mmの広角レンズ、人物だけなら85mm~135mmの中望遠レンズもお勧めです。
今再熱中!オールドレンズもおすすめ
単焦点レンズとして、オールドレンズを使うこともできます。オールドレンズとは、昔、フィルムカメラで使われていたレンズのことで、オートフォーカスを使うことができず、マニュアルフォーカスとなります。
撮影の手間はかかりますが、現代のレンズとは違う風合いで撮影することができるため、インスタグラムなどを活用するユーザーに人気が高くなっています。
なお、オールドレンズを現代のデジタルカメラで活用する場合は、マウントアダプターという機器を利用してカメラにマウントさせます。
メーカーが推奨する方法ではないため、自己責任での活用となることをご了承ください。
カメラ好き筆者の愛用単焦点レンズ
筆者はソニーのミラーレスカメラα7IIを使っています。ソニーの単焦点レンズで愛用しているのは、FE 50mm F1.8とFE 85mm F1.8の2本です。
このレンズは、初心者向けのレンズとなっており、他のレンズに比べて安価に設定されています。それでも、F値が小さいため、大きなボケの写真を撮影することができます。
ソニーFE 50mm F1.8
出典: Amazon.co.jp
ソニーFE 85mm F1.8
出典: Amazon.co.jp
メーカー別おすすめ単焦点レンズ
各社から安価な単焦点レンズが発売されています。どのレンズも、標準レンズと言われる50mm前後のレンズが多くなっています。
単焦点レンズの入門編として使える安価なレンズを選んでみました。1本目の単焦点レンズとしてお勧めです。
キヤノンEF50mm F1.8 STM
出典: Amazon.co.jp
ニコンAF-S NIKKOR 50mm f1.8G
出典: Amazon.co.jp
ペンタックスsmc PENTAX-FA 50mmF1.4
出典: Amazon.co.jp
パナソニックLUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.
出典: Amazon.co.jp
オリンパスM.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
出典: Amazon.co.jp
まとめ
子供や花を可愛く撮影したい、個性的な写真を撮影したい、そんなあなたに単焦点レンズはおすすめ
写真を撮る目的はいろいろあるでしょう。スマートフォンで手軽に撮影するのも楽しいものです。
しかし、もう少し可愛く撮りたい、もう少し個性的に撮りたい、そんなユーザーには単焦点レンズを使うことで、簡単に大きなボケの写真を撮ることができます。
一歩上の写真を撮影したいユーザーに単焦点レンズはおすすめです。