想い出などを写真ではなく、ご自身の絵にして残しておきたい、という方、多いのではないでしょうか。
または、自分には絵心がないから無理、など考えてらっしゃいませんか?
ご自身が大切にしておきたいことなど、小学生のときに絵日記にした覚えがある方、課題としてとりあえずこなした、という方もいらっしゃるでしょうね。
私は幼稚園児時代からスケッチブックやそのほかの用紙に絵を描いてきておりますが、写真で残っているものよりも、自分で描いた絵をかえりみることで、その時の自分の感情や、想い出、楽しかったのか、はたまた悲しかったのか、嬉しかったのか・・・などなど、写真では味わえないことを思い起こしたりしております。
最近では、いろいろな種類のものをデジタル化して加工することができますね。もちろん、そちらも大事なものだと思います。
イラストレーターとしてのお仕事でも、正直なところデジタル化しておりまして、私自身も、PCと向かい合っている時間も多いです。
しかし、やはり想い出の出来事などを、ご自分の手で絵にすることで、より一層の愛着を感じられるようになりますし、過去の自分の再発見、今の自分の足元を見ることが、絵によってできると、私は思っています。
日常に起きた、些細な出来事や、がんばっているお子様の成長の記録はもちろん、もうお亡くなりになった大切な方。大切な思い出を、心を込めて描くことで、より一層の愛着がわいてきますし、極端に思われるかもしれませんが、生活に変化が出てきます。
ここでは、その大切な思い出をご自身の手で残したい方や、もう既にプロの方、アマチュアの方に、おすすめのスケッチブックなどをご紹介させていただきます。
目次
スケッチブックは作品の価値を上げる!
最近では、一言でスケッチブックと言っても、多種多様なものが存在しますよね。私は、画材とテーマによって、スケッチブックを分けておくようにしています。
好きなアーティストさんを自分の絵にして残しておくもの、日常で綺麗だと思った花や風景のもの、家族などのがんばっている光景を集めたもの、という風に題材によって分けています。
使用する画材によってもスケッチブックを分けて、その絵の風合いに合わせることにより、より鮮明に、かつ、自分で自分のその時の状態を再確認するために、いろいろなスケッチブックを使用しています。
そして、ガッチリ描きたいものと、柔らかく描きたいもの、カラーで残したいもの、あえて白黒で残したいもの、などなど、題材と画材に合わせても、スケッチブックを分けています。
普通の用紙に描くよりも、スケッチブックを使用することによってテーマごとに分けていくことができ、かつ、自分で描いた絵を「作品」と呼べることができるようになると思います。
スケッチブックを購入する前の注意点
前置きでも書きましたが、今ではスケッチブックは100円ショップでも購入できるものもありますし、画材屋にしか置いてないものもあります。今ではインターネットで簡単に購入もできますね。
100円ショップで購入されたものは、まぁ、安かったし、いいかーと諦めがつくかもしれませんが、画材屋やインターネット通販では本当に多種多様なものがあり、そしてそれなりの値段がします。
ご自身が描きたい絵によって、用紙やサイズなど、失敗しない購入方法をご説明させていただきます。
自分の書く画材に合っているか
まず、画材についてですが、シンプルに鉛筆一本で描かれる方もいらっしゃれば、水彩画、色鉛筆、クレヨン、パステル、アクリル絵の具、コピックなど、使われているものは人それぞれ。
ご自分が描かれる画材によって、用紙がそれに適しているかどうかの判断が必要です。
水彩画ですと、水を沢山使用するので、ある程度用紙の厚みのあるものを選択しましょう。水彩画専用、と書かれているものもありますので、チェックしておりましょう。
色鉛筆を使用される場合は、塗り方にもよりますが、用紙の素材によって消耗具合が変わってきます。どのような風合いを出したいのかで、用紙の材質を選択されるといいです。
クレヨンとパステルですが、画材をそのまま使用されている方と、カッターで必要な分だけ削って、綿棒などを使用されて描かれている方もいらっしゃいますね。(ちなみに私はパステルを削って割り箸の先に綿をつけ、ガーゼで覆って使用しています)こちらの画材の場合は、そのまま色鉛筆のように使用されている方は、色鉛筆と同じように用紙を選ばれていいと思います。削って使用されている方には、きちんと用紙に画材が定着するように、用紙に凸凹感があるものを使用されると、色が用紙に定着しやすいです。
コピックを使用されている場合ですと、水彩画と同じように、用紙が薄いと次のページに色がにじんでしまうことが多いので、こちらでも用紙の厚みがあるものを選択します。コピックでは用紙の凹凸で絵に変化が出ないので、裏写りしないことをメインに選ばれるといいです。
アクリル絵の具を使用される場合は、滲みにくい性質がありますので、ある程度の厚みがあり表面がツルツルしているものを選択されると間違いがないと思います。
スケッチブックのサイズはどう選択すればいいのか
絵手紙などのように、ご自分が描かれたものを誰かに差し上げる場合などは、1号サイズ(手紙1枚のサイズ)でもいいと思いますが、初心者の方におすすめするのはA4サイズ以上のスケッチブックで描き慣れていくことです。
絵は写真とは違い、その絵のサイズだけでも迫力を出すことができます。美術館など行かれた場合に、「むっちゃデカイじゃん!」と思われた経験ないですか?
ある程度の大きさで描きなれておくと、大は小を兼ねる、という言葉がありますが、小さいモノで描き慣れておくと、いざ大きいものに描こう!と思ったときに、ディテイルまで描ききれないことがあります。
スケッチブックの種類
一言でスケッチブックと言っても、その材質や大きさは本当に多種多様です。ここでは、スケッチブックについて詳しくご説明していただきたいと思います。
オールマイティで便利な「画用紙」
小学生のときなどの図画工作の時間に使われている、最もポピュラーな用紙だと言えるでしょう。
製図用にも、使用されることが多いです。
こちらですと水彩画、アクリル画、色鉛筆、クレヨン、この4種類をお使いの方には、まず、画用紙から入られるといいかと思います。用紙の厚みが選択できるので、水を沢山使う水彩画ですと厚いモノを選択されるといいです。
ただし、パステルを使用される場合は、オールマイティとはいえ、画材が定着しにくいという難点がありますので、パステルには不向きです。
クロッキー帳
これは、とにかく絵を描き慣れることを優先される方におすすめです。用紙が非常に薄いので、水彩画、アクリル画には不向きです。鉛筆画や色鉛筆などには適していると言えます。一冊で枚数がかなりありますので、本番前の試し描き用に持たれていると便利だと思います。
立体物を描きたい、パースペクティブを使用したい、というときにまず、試し書きをするために一冊持っておかれるマストアイテムと言えるでしょう。
水彩紙
そのまんまですね。
水彩紙の場合は、すでに水彩用にある程度の厚みがありますので、選ぶ選択肢としては、まず、用紙の色です。白いものももちろんありますが、ベージュに近い色も多く見受けられます。
風景画を描かれる際には、薄く塗りたい背景にも用紙の色が反映されるで、用紙の色を確認されておくといいです。
ケント紙
こちらは画用紙に近いものです。
表面がわりとツルツルしていて、ペン先を使用して描かれる方はケント紙を使用されるといいです。用紙にペン先がひっかかりにくいのが特徴の一つです。
ですので、製図用にはケント紙が一番向いていると言えるでしょう。
そしてもう一つの特徴として、裏写りしにくい、というところです。この点で言いますと、コピックやの具を使用される方に適していると言えます。
こちらも画用紙と同じく、厚みの種類が豊富ですので、まず間違いがないと思うのは140gのものを選択されるといいかと思います。
仙画紙・木炭紙
こちらはデッサンで木炭を使われたり、日本画を描かれる方に適しています。プロの方はこちらを利用されている方も多いかと思いますが、初心者の方は、こちらを使われる前に、画用紙もしくはケント紙を使われた方がよいです。
消しゴムを使用するときに、用紙の凹凸が邪魔をするので、どうしてもこの用紙を使用したい、ということでしたら、消しゴムと合わせて、食パンの白い部分を消しゴム代わりに利用されるといいでしょう。
スケッチブックにはサイズ選びも重要
スケッチブックの大きさとしてはザックリですが約10種類です。A4からA6、B5からB6、F4からF0です。
見落としがちなのが、AとBは数字が大きくなるほど画面が小さくなるのに対し、Fは数字が小さいほど画面が大きくなるところです。ここは注意しておきましょう。
A4サイズですと、持ち運びも便利ですし、どの画材屋さんでも売ってあるサイズですので、迷われたら、とりあえずA4をおすすめします。
プロの方ですと、用紙のサイズはご自身の描きたい題材が決まっていると思いますので、F4以上のモノで、画材とテーマによって大きさを決められていいです。
絵手紙用
ハガキサイズなので、宛名を書いて、切手を貼れば、ポストカードとしても使用できます。心を込めて感謝の気持ちを伝えたいときなどにいいでしょうね。また、コンパクトなので、お部屋のアクセントに向いていると言えるでしょう。大きい絵を飾ることもいいですが、写真のようにさりげなく、卓上や出窓などに置かれる用には、こちらがおすすめです。
練習用・趣味用
練習はとにかくひたすら描くしかないので、用紙の選び方でご説明しましたが、クロッキー帳がおすすめです。趣味として描かれる場合にも、枚数が多くて、鉛筆一本ではじめられるのがクロッキー帳の良いところでしょう。
プロ用・じっくり作業する方用
こちらは、もはや好みの問題にもなってきますので、金銭的に余裕のある方は、F4以上のサイズで、画質も画材に合わせて選択されることをおすすめします。
これからプロを目指す!という方ですと、とりあえずF4サイズ以上のもの(F4からF0)で、用紙の材質は前項目で書いたものをご参考にしていただければと思います。
スケッチブックの大きさの種類
- F判 F0がほぼB6と同じくらいの大きさです。F4ですとB4より若干小さくなります。
- A判 B判と同じく、数字が大きくなるほど画面が小さくなります。持ち歩き用にはA4サイズが便利です。
- B判 A半と同じく、数字が大きくなるほど画面が小さくなります。ただし、ご存知の通り、現在の日本の基準ではA4サイズが主流となっていますので、絵を描く、ということに特化したものになります。
A4以下のサイズについて
絵を描くにあたって、歩い程度の大きさに慣れておくためにA4以上を推奨しておりますが、趣味でスケッチをしておきたい、またはこのサイズでしかこの用紙が見つからない、絵手紙を追求したい、などで選ばれることもあると思います。持ち運びにも適しているので、一冊持たれているといいと思います。
【おすすめ】スケッチブックおすすめ人気ランキングTOP10
ここでは、私が使用してきた中で皆さんにお試しいただきたいスケッチブックを、10位から順番にご紹介させていただきます。
第10位 マルマン スケッチブック アートスパイラル F0
出典: Amazon.co.jp
外見もいですし、F0ですからB6サイズと同じくらいの大きさなので、持ち運びに大変便利です。また表紙の色のバリエーションが7色ありますので、その色によって題材を決めておかれてもいいです。
用紙の質は、パステルを削って塗られる方にも良いと思います。水彩画はもちろんですが、画材を選ばないところも魅力です。
第9位 ダーウェント アカデミー スケッチブック プレミアム ビジュアル アートダイアリー
出典: Amazon.co.jp
今回ご紹介する唯一の日本製以外のものです。価格も、ご紹介する中で一番お高いです。2000円以下ですが。ダーウェントの製品は、パステル、クレヨンなどに適していると思います。
お伝えしているように、A4サイズ以上で慣れることが大事なので、こちらを選択。マルマン以外で海外の製品で試してみたい、という方にはコレがおすすめです。スケッチブック自体の外見も楽しめます。
第8位 マルマン スケッチブック オリーブシリーズ
出典: Amazon.co.jp
やはりここでもマルマン。1000円程度です。これはじっくり描くためのものとして選択しました。クロッキー帳で試したあと、念入りに仕上げにかかるものとしてこちらを推奨します。プロの方におすすめです。
どの画材でもいける、万能ですが、表紙も薄く、持ち歩けないということでこの順位にしました。
第7位 コクヨ スケッチブック F6 タテ
出典: Amazon.co.jp
これは、プロ用、もしくはプロを目指されている方用に選択しました。コクヨさん、さすがです、紙質がしっかりとしてます。お値段も600円程度で、コスパもいいと思います。
第6位 マルマン スケッチブック アーチストメダリオン
出典: Amazon.co.jp
これは持ち歩き用を重視して選択しました。ブルーの表紙のものがあります。ふとした瞬間にカバンから出すことができますし、表紙がしっかりとしているので、画板の必要がありません。
水彩画、鉛筆画はもちろんですが、パステルの載りもいいです。価格も500円程度です。
第5位 マルマン スケッチブック 図案シリーズ A3
出典: Amazon.co.jp
A3で、選択しました。またしてもマルマンです。これはスケッチブックとはいえ、画用紙なので、パステルには不向きですが、色鉛筆の載りはいいです。
水彩にも向いていると思いますが、紙質に雰囲気を求めている方にはおすすめしませんが、用紙の劣化が少ないので、価格も500円程度。持っていて損はないと思います。
第4位 コクヨ スケッチブック F4 タテ スパイラルとじ
出典: Amazon.co.jp
やはりこの大きさがあってのものだと思います。コクヨのキャンパスシリーズなので、それだけで安心感があります。表紙もマルマンのものよりシッカリとしています。
描き味としては、鉛筆画、水彩画に向いていると思います。個人的には鉛筆画に特化していると思っています。パステルは少し載りが浅いかもしれません。
第3位 マルマン スケッチブック F4
出典: Amazon.co.jp
これは外見もいいですし、黒色だけではなく表紙の色が選べるので、題材などによって表紙を変えて、描き分けをするのにおすすめです。
用紙は、コピックの場合は裏写りに気を付けた方がいいでしょう。その他の画材ですと、特に問題なく描けます。パステルは削らずに描いて指で伸ばす、という方法がいいかもしれません。
第2位 マルマン スケッチブック オリーブシリーズ F4
出典: Amazon.co.jp
マルマンのシリーズですが、ヒモがついているのは後々、必須となってきますので、大きさもF4と大き目ですし、10年経っても紙の色にほぼ変化はありません。むしろいい具合に焼ける感じですかね。
スケッチブックの感覚をつかむのにはちょうどいいと思います。
第1位 マルマン スケッチブック クロッキー帳
出典: Amazon.co.jp
これを持っていないとスケッチがはじまらないという一品です。クロッキー帳ですが、リング状になっているし、用紙の質もいいです。
鉛筆、シャーペンの滑り具合もいいです。ぺン軸を使用している場合ですが、丸ペンでもガリガリとなりにくいです。ただし、コピックには不向きです。裏写りしますし、滲みます。
価格はやはり500円程度です。絵を描くにあたり、マストアイテムとして一冊は持っておきたい一品です。
スケッチブックの売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、スケッチブックの売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
Amazon売れ筋ランキング 楽天売れ筋ランキング Yahoo!ショッピング売れ筋ランキング
まずは「マルマン」のスケッチブックを使うのがおすすめ!
マルマンのスケッチブック、おそらくご存知ない方はいらっしゃらないのでは?日本では最もポピュラーかつ、信頼のある会社の製品だと言えるでしょう。
スケッチブックだけではなく、クロッキー帳としても、やはり第一歩として使用されると、間違いはないです。
現在では、枚数は少ないですが、100円ショップでも売られていますので、簡単に手に入りますし、まずマルマンの製品を試してみられてから、他の会社の製品を考慮されることをおすすめします。
自分に合ったスケッチブックを見つけよう!
さて、ここまで、ズラズラと書いてまいりましたが、「ちょっと描いてみようかな?」と思っていただけたらとっても嬉しいです。
ここでご紹介させていただいたスケッチブック以外にも、本当に様々な種類のものがあります。
とりあえず、失敗しない10品ということであげさせていただきましたが、描きたいモノをどの画材でどのように描いていけばいいのか、など、疑問点はあると思います。
ですが、とても上手に描けているとは思えない絵でも、その時の自分の感情や思い出、本当に自分で自分を振り返ることができますし、何かにつまづきそうになったり、実際つまづいたりしたときなどに振り替えると、写真では決して現わされることのできないことがその一枚に詰まっているのです。
線に勢いがあったり、ガリガリと描いているだけだったり、柔らかく描いているものであったり・・・。その時の自分の状態を振り返ることができます。これは写真ではなかなか難しいことだと思っています。
大事な思い出の記録を、ご自分の手で描かれたモノとして残しておかれるお手伝いができれば幸いです。絵を描くことが、趣味の一つとなるお手伝いとなれば、本当にうれしいです。