万年筆愛好家の皆さんこんにちは!そうでない方もこんにちは!
今回は、国産3大万年筆メーカーのひとつ、プラチナ万年筆をお勧めします!
普段お使いの方でも会社について調べたりしている方はそこまで多くないと思いますので、これを機に会社の紹介もしますね!
プラチナさん、ホームページに沿革を載せてらっしゃいますが、なんと親子3代にもわたり文房具一筋、色々と革新的な商品を世に送り出し続けているんです!
プラチナ万年筆、文房具一筋99年の歴史
◆初代の社長が万年筆事業を始めたのが1919年(大正8年)。
◆昭和17年「プラチナ萬年筆株式会社」を設立。
◆1946年(昭和21年)A型万年筆(別名プラチナ型)S1大ヒット
◆1947年(昭和22年)輸出重点の社名「プラチナ産業株式会社」に切り換える。ボールペン国産化へ。輸出許可第1号GHQより認可。輸出の第1陣を飾る◆1952年(昭和27年)外貨獲得に勤め産業界最高の緑綬褒章を授与される。
◆1953年(昭和28年)ステンレスペンに本イリジュウムの溶着成功
◆1956年(昭和31年)プラチナ 世界初スペアー式万年筆を製造◆1957年(昭和32年)インク出を自動調整する画期的な機能を持つペン芯を完成し、カートリッジインク方式の万年筆を初めて実用化。
◆1965年(昭和40年)ワンタッチノック式 ノック(14K 2,000円、18K 3,000円)発売
◆1972年(昭和47年)「ハレパネ」を開発、発売。
◆1978年(昭和53年)富士山の標高から命名した、「ザ・万年筆#3776」発売。グッドデザイン賞受賞。
◆2010年(平成22年)1年間使用しなくてもサラッと書き出せる新キャップ構造の万年筆「プレジール」発売。
世界初!!シャープペン内蔵の伸びる縮む複合筆記具「ダブル3アクション・ポケット・」発売。
インク詰まりを起こして書けなくなった万年筆をクリーニングする「インククリーナーセット」発売。◆2011年(平成23年)長期間放置によるインク詰まりを解消するキャップ<スリップシール機構>を搭載した33年ぶりフルモデルチェンジの「#3776センチュリー」万年筆発売。
世界に一つだけの自分の好きなカラーを混ぜて造れる万年筆用インク「ミックスフリー」発売。◆2016年(平成28年)安倍総理大臣からG7各国首脳およびアウトリーチ招待国への贈呈品に選ばれました。
引用先:公式サイト
ざっとこんな感じです。革新的な商品をいくつも発売してきたのです。(ノック式とか、カートリッジ式とか…)
とはいえ、万年筆に詳しくない方だとピンとこない沿革かもしれませんが、この商品なら!
美術、写真、デザイン関係の方(学生を含む)や、企画・プレゼン、イベントなどをよく担当されるような方はご存知だったりするんじゃないでしょうか?
「ハレパネ」。
スチレンボードの片側が全面シールになっていて、写真やポスターなどを張り付けて展示、あるいは任意の形にカットしてPOPとして掲示できるようになっている商品です。
ハレパネ
「文房具一筋」なんてかいときながら、厳密には文房具じゃないんじゃないか?っていわれそうですが、文房具屋で扱ってる商品ですので、まぁ大目に見てください。あと、小中高校時代にテストの採点が水性の赤ペンだった方は見たことあると思います。先生が使ってたあの赤ペン…!
プラチナ万年筆 採点ペン ソフトペン
出典: Amazon.co.jp
なお、詰め替え用インクカートリッジはこちら
プラチナ萬年筆 マーキングペン専用カートリッジインク
出典: Amazon.co.jp
あの、赤にオレンジとピンクが混ざったような独特の色合いだった気がします。
なんと、ペン先の替えも未だに販売されてます。
ソフトペン専用 替チップ
出典: Amazon.co.jp
小学生の頃、通ってた学校の先生はみなこちらを使用、さらに近所の公文塾の先生も使ってたりしたので、シェアは相当なものだったのではないでしょうか。(なお、中学に入ると、赤ボールペンの先生もいたりしてすこしソフトペン率はさがりました。)
現在も売られているという仔値は、学校の先生方の間で使われているのでしょう。
プラチナ製品の魅力。
はい、最初から脱線してしまいましたが、プラチナ製品の魅力というと、ロングセラー商品も多い高い技術力とコストパフォーマンスというイメージです。
プラチナ製の万年筆というと、「ワンコインでこのクオリティ!?」と数年前に万年筆愛好家の間で話題になったプレピー(300円~)から伝統工芸・蒔絵を施した軸の工芸品の域に達する万年筆まで本体の種類から価格帯までバリエーションが多彩です。
そして、前述の技術力。
【スリップシール機構】
長期間筆記・使用しない時期があっても、完全機密キャップでインクの乾燥を防いでいつでもフレッシュなインクの状態でさらっと書き出せる、それこそ年に1~2回しか 使用しないユーザーでもさらりと筆記することができるというプラチナ独自の特許技術です。
これはネジ式キャップの万年筆であろうとも、避けて通れない乾燥(酷いときはインク詰まりにも)という問題を解決する他社にはない革新的技術です!実に2年も乾燥を防ぎ続けてくれるとのこと!
詳しくは公式サイトの商品紹介にあります→http://www.platinum-pen.co.jp/Slipseal.html
気になるプラチナ万年筆8選!
まずは、私が使っている1本からご紹介します。
プラチナ万年筆 万年筆 #3776センチュリー
出典: Amazon.co.jp
プラチナ万年筆の製品ラインナップにおいてフラッグシップモデルと言える#3776センチュリーシリーズのシャルトルブルーというカラーです。
深みのある美しいブルーの軸もさることながら、私がほれ込んでるのはペン先!
(プラチナの最も細い字幅UEF。)
金ペン(金で出来たペン先の事。スチール製に比べて太目の製品が多い。#3776センチュリーは14K製)でこの細さ!この細い先端から正確に切り割りを入れる技術!まさにメイドインジャパンならではの精密さではないでしょうか?!
そもそも、万年筆にはシャープペンシルのように0.5や0.3などのような字幅に厳密な決まりはなく、場合によっては同じモデル同じ字幅でも作った時のロットや職人さんによってのことか個体差があったりします。
特に、外国メーカーなどは日本製に比べると個体差が出るものが多いようで細字を買ったはずが、中字のようだったり、実際の字幅が刻印と逆転するくらいの違いが出る場合もあるとも聞きます。なのでこの技術は本当に凄いと思います。インクを入れるためにキャップを外して改めてペン先を見たとき感心したのを覚えています。
なお、一般的に国内外の各メーカーで一番細いとされていることが多い字幅はEF(エクストラファイン)ですが、国内メーカーの場合は「アルファベットよりも画数が多く細かい漢字を書く」という日本ならでは必要性からEFのさらに上のUEF(ウルトラエクストラファイン)や、ポスティングという特殊な字幅があります。
(字が汚くてお恥ずかしいのですが、参考までにペリカン(ドイツ製)のEFと#3776センチュリーのUEFで書いた時の感じです。)
書いてるマス目は1マス4ミリほどです。(ほぼ日手帳)
書き心地もサリサリ、ショリショリとして他の万年筆にはない独特の書き味で、手帳など、細かい字を書きたい方には一択の字幅だと思います。
余談ですが、こちらのシリーズは限定モデルも多数出ており富士山の標高からとられた#3776の名前にちなんだものか、富士五湖や富士山を望む土地をイメージした美しい限定モデルが人気で、発売されるたびに私も買い集めたくなって心が揺れます…
#3776 CENTURY 富士旬景シリーズ 春暁
出典: Amazon.co.jp
#3776 CENTURY 忍野
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なお、#3776センチュリーはスタンダードモデルもブルゴーニュカラーが2012年に文房具大賞を受賞しています。
#3776 CENTURY ブルゴーニュ
出典: Amazon.co.jp
プレピー
出典: Amazon.co.jp
累計販売本数1000万本を達成したという、前述の「この価格でこのクオリティ!?」と愛好家の皆さんをざわつかせたシリーズです。300円~という低価格ながら、プラチナの特許技術(これも前述のスリップシール機構)を遠慮なく投入している事に驚愕です…!!!
当初は使い捨てだったと記憶しているのですが(ネットでインクの詰め替え希望する声や、実際に改造しているというユーザーさんを何人かお見掛けしました)、今は要望を反映してか詰め替え可能になっています。
外に持ち出して例えなくしてもあまり大きな痛手にはなりませんし、気軽に万年筆の世界への入り口になってくれると思います!
#3776バランス
出典: Amazon.co.jp
気になるとはちょっと違うのですけど、プレピーよりもう少し万年筆っぽいものから始めたい方むけならこちら!
スタンダードカラーに加えてスケルトンカラーがあります。同じ#3776でもこちらのペン先はステンレスに金メッキ仕上げ。
この価格なのでさすがに金ペンとはいきませんが、ステンレスなどの俗に「鉄ペン」と呼ばれるペン先は、硬めの書き味と金ペンと同じ字幅でもシャープな描線を描ける物が多いと言われています。(UEFでなくEFでもほぼ日手帳に書き込めました。)
なお、(販売サイトによってはですが、)こちらの定価にもう少し足すと金ペンのセンチュリーの方でも買えるモデルが出てくるので、個人的にはそちらをお勧めしたいです。
…ちなみに、こういう面白いのもあります。
漆黒 『竹林群虎図』
創業者の生まれた土地にちなんだシリーズ。狩野探幽筆と伝えられる障壁画「群虎図」の描かれた虎を高蒔絵の技法のひとつ「炭粉上げ(すみこあげ)」で表現した、黒一色とシックながらも光の当たり方で虎の姿が浮かび上がるという伝統工芸の技術の高さを感じられる逸品です。
出雲 竹編み万年筆 茣蓙目
こちらも創業者の生まれた土地にちなんだシリーズ。出雲の伝統工芸、竹編み細工の技術で編んだ竹を本体に巻いてあります。手になじむように考えられてます。
#3776 屋久杉
世界遺産の屋久杉の樹齢300年以上の材で出来た特別な一本!使い続けるほどに自分のペン感が出そうな感じがしますね。
出典: Amazon.co.jp
PS-10000N シープ
長年培ってきたという、継ぎ目を小さくする曲面に本革(羊革)を巻くプラチナの技術の結晶です。
出典: Amazon.co.jp
工芸品レベルはさすがにあれですけど、「シープ」なんかはこういうタイプを持ってる人少なそうですし、本革のようなので私も欲しいですね!
やっぱりオススメしたいプラチナの金ペン万年筆!
色々書いてきましたが、やっぱりプラチナでお勧めしたいのは、金ペンの万年筆ですね!
国内メーカーはモンブランやペリカンといった海外メーカーの物に比べて安いので、万年筆の醍醐味を味わってもらいやすいというのもありますが、プラチナの場合は金ペンのペン先の切り割りの終点、「ハート穴」と呼ばれる穴が文字通りハート型なんですよ。(鉄ペンは他社と同じように普通の丸)
実際には胴軸内から流れ降りてきたインクを受け止めたり、ペン先のしなりに一役買う役割があるそうなんですが、ひねりがあってかわいいとおもいませんか?(笑)
…という訳で、ここまで読んでくださった中に「万年筆に興味があるけどまだ…」な「万年筆沼の淵」まで来ている方がいらっしゃいましたら入り口の水深が国内一浅い万年筆メーカー、歴史は深くとも敷居は低い!(プレピー/300円~)プラチナ万年筆さんの製品で万年筆を始めてみませんか?!