学校で水彩用の絵の具として触れたのが、アクリル絵の具との出会いでした。絵を描くことは小さい頃から興味を持っていましたが、小学校でのクラブ活動や中学での部活など、利用する機会が増えていったことで画材への関心も高くなりましたね。
大抵教材としてのアクリル絵の具は、卒業までに余ってしまうもの。部活動で使っていた私も例外ではなかったのですが、捨てるのはもったいなかったので、プライベートでイラスをを描く時にも利用しています。
私は未だに画材はアナログ派で、CGは挑戦したことがないです。アクリル絵の具ならば自分の手で色を作れる点が好きですし、1度塗ったらやり直しがしにくいというデメリットも、むしろ真剣に取り組ませてくれる要因になっています。
今回はそんなアクリル絵の具の魅力をご紹介します。
目次
アクリル絵の具って?
水彩用に使っていた、とお話しましたが、厳密にはアクリル絵の具と水性絵の具には違いがあります。どちらも水に溶かして紙の上などに描くため、油絵との区別で混同されがち。
主な違いは中に含まれる展色剤で、アクリル絵の具はそのままアクリル樹脂を採用。一方水彩絵具はアラビアゴムが使われています。それに各色のもととなる顔料を混ぜ合わせることで、絵具になるんですね。
そして素材が違えば作品への影響も異なります。水彩絵具に比べて耐久面で優秀なアクリル絵の具は、紙だけでなく板や、油絵のイメージが強いキャンバスへも塗ることが可能。絵画用としてだけでなく、DYIの着色料として利用されることもあります。
場合によっては特殊な塗料が必要ですが、水溶性でありながら金属に使えるのも魅力的です。また様々な技法も取り入れやすいので、特定のタッチにこだわらず、色々試したい時にも便利です。
アクリル絵の具の種類
アクリル絵の具は主に、以下の3タイプに分かれています。どんな状況で使うのかによって、向き不向きがあるので覚えておきましょう。
下の色が見える透明タイプ
1つ目の透明タイプは、一般的なアクリル絵の具と思って良いです。色がついているとはいえ、水で溶いた時に下の色が透けて見えることもあるのがアクリル絵の具の特徴。
ゆえに混色、例えば赤と青で紫を作る場合、パレットで混ぜてしまうのではなく、紙の上で先に赤を塗り、上から青を重ねて紫に見せるテクニックが可能です。先に青を塗るか、どの程度水で薄めるかでも色合いが変わってくるのがまた魅力ですね。
ただし全てのアクリル絵の具が透明とは限らないので、不透明タイプかどうかは事前にチェックしておきましょう。
不透明なガッシュタイプ
続いてはアクリルガッシュと呼ばれるタイプ。こちらは通常のアクリル絵の具とは異なり、不透明さが特徴です。
アクリル絵の具の透明度と水分とは関係があるのか、ガッシュタイプはまず乾きやすいのが特徴。すぐ乾いてくれるので、付近に別の色を塗る箇所があっても滲みにくく、色むらも起こりにくいんです。
また一旦乾けば、水溶性が嘘のような耐水性も備わります。これも付近の色塗りを邪魔しないメリットの1つ。艶もないマットな仕上がりになるのも特徴で、ツルツルの見た目を避けたい時におすすめです。
手間いらずのインクタイプ
3つ目のインクタイプは、既に水に溶いた状態。中の液体は透明・不透明いずれのケースも存在します。自分で混ぜる手間が省けるのがメリットです。ただし自分で絵の具の濃度を調整したい時には、かえってデメリットになるかもしれません。
ただ常に均一に混ざっているため、1度に大きな面積を塗る際など、時間の経過で水と絵の具(特に顔料)が分離してしまうデメリットを回避できます。
アクリル絵の具の選び方
アクリル絵の具を選ぶ際は、以下のポイントも踏まえておくとスムーズです。実際に絵を描くことを想定したポイントがおいですね。
求める赤はどんな赤?
特に注意したいのが、各絵の具のカラーラインナップです。単色にしろセットにしろ、色には実に様々な種類があります。例えば赤を求めているとして、ぱっと見チューブの色が赤だったから買ったのに、パレットに出してみたら思うような色でなかったという経験はありませんか?
赤と言ってもレッドとは限らず、マゼンタやクリムゾン、朱など、色名が異なっているケースは多いです。特に赤・青・黄の色の3原色はほかの色の基盤ともなるので、原色そのままか、使いやすい種類を選びましょう。
少なくとも3原色を押さえておけば、仮にセットに入っていた緑が想像と違っても、黄色と青で理想に近づけることは可能です。
量がたくさんあれば良いとは限らない
続いては各色の量。毎日のようにイラストを描いている人や、仕事で使っている人なら話は別ですが、あまり使わないなら大容量は選ばなくてもOK。
使わなければアクリル絵の具も次第に乾き、使い物にならなくなってしまいます。ガッシュのように、耐水性があるものは、乾いてしまえば水で戻すのも不可能でしょう。
またカラーバリエーションも、ベーシックな12色、もしくは24色程度のセットで十分。極論を言えば、あまり使わない人なら3原色と黒・白の5色でも良いでしょう。ほかの色はいずれかを混ぜて作り出せばOK。
絵の具のチューブ1本をまるまる必要とする量でないなら、自分で作ったほうがコスパは低いです。
合わせて使いたい!アクリル絵の具におすすめの筆!
絵の具を使う際は筆も必須。ということで、アクリル絵の具の前に、おすすめの筆をご紹介します。
サクラクレパス 画筆ネオセブロン平型14号 NF14
出典: Amazon.co.jp
単品で購入するなら、平型の筆がおすすめです。太さの違いは様々ですが、丸筆と違って紙に接した際、太さがバラバラにならないメリットを持っています。文具メーカーであり、絵の具を始めほかの商品でも利用した経験があることから選びました。
細い箇所は90度傾けて平面の端にあたる部分で描くことが可能なので、1本で描き分けしやすいのも魅力です。
Sokuer 絵筆10本セット
出典: Amazon.co.jp
丸筆も欲しい、太さ違いも重要というなら、Sokuerのセットがおすすめです。ポイントはセット品の割にコスパが良いところ。
筆も絵の具ほどではないにせよ消耗品です。特にたくさん描く人はその分筆の消耗も激しいので、高級ブランドなどにこだわらず、安さ重視でも良いと思います。
またアクリルガッシュのように耐水性のある絵の具の場合、うっかり水に浸けておくのを忘れると、絵の具が乾いて筆にこびりついてしまい、取れなくなることも。高級品だったら目も当てられませんよね。その意味でも、Sokuerは手軽に使えて良いです。
アクリル絵の具おすすめランキングTOP10
では最後に、おすすめのアクリル絵の具をご紹介します。ランキング形式で、お気に入りから巷で人気の商品まで様々なアクリル絵の具を並べました。
第10位 ターナー色彩 アクリルガッシュ ジャパネスクカラー
出典: Amazon.co.jp
和風の絵画が多い方に
日本画に多く使われるようなカラーを揃えた、ターナー色彩のガッシュタイプです。色名も白を除き、鉛に紅梅、江戸紫など和名を使って表記しています。
基本色ではないため利用者を選びますが、わざわざ色を混ぜる必要がないので、使う方には便利。茶色や緑などが多いので、植物をメインとする方にもおすすめです。
カラーは今回ご紹介した24色のほか、少なめの18色や多めの45色も存在。使うカラーの有無で選び分けても良いでしょう。色数があるせいかコスパも高めなので、安価を求めている方は要注意。
第9位 リキテックス ガッシュ・アクリリック プラス
出典: Amazon.co.jp
絵の具のヒビが気になる方に
リキテックスのガッシュ・アクリリック プラスは、つや消し及びヒビ防止に特化したアクリル絵の具です。重ね塗りや厚塗りが多い方におすすめ。また水を加えずともすぐ塗れるため、手早く作品を仕上げたい時にも便利です。
チューブから取り出した時点の色と、作品完成後の色とに差が少ないのもポイント。絵の具やパッケージから作品の仕上がりを予想しやすく、色の配置・選択が失敗しにくいです。重ね塗りができるとはいえ、ミスをしたくない大事な作品におすすめ。
機能面が充実しているためか、12色入りの中ではかなり値段が高め。コスパも重視したいという方は、よく考えましょう。よりバリエーション豊富な24色タイプも存在します。色の三原色は揃っているので、頻繁に利用するのでなければ12色にし、適宜混ぜて作るのもよいでしょう。
第8位 VICKMALL アクリル絵具 アクリルガッシュアクリルカラー
出典: Amazon.co.jp
アーティスト向けのコスパ◎絵の具
VICKMALLは、粒子の細かい独自の顔料を採用しているのが特徴。筆やパレットナイフの動きも細かく再現できるので、作品に筆の跡なども残す必要があるなら要チェックです。
ひび割れなしや防水といったアクリル絵の具の特徴も備えており、乾きやすいタイプ。絵を立てて保管しなければいけない時に垂れてしまうリスクも防げます。24色の割に9位や10位と比べてコスパがよいのも魅力。
ただ水彩画専用のアクリル絵の具なので、ほかの用途に使いたい場合だと難しいかもしれません。ほかにもアクリル絵の具はたくさんあるので、紙に塗るのが目的でないなら無理に選ぶ必要はないでしょう。
第7位 Lightwish アクリルガッシュ24色絵の具セット
出典: Amazon.co.jp
まずはLightwishのアクリルガッシュ。24色あるので、初めから混色した絵の具が欲しい方にはおすすめ。色の種類の割に値段も良いので、ちょっと試したい、絵画の頻度は多くない人でも損失が少ないかもしれません。
ガッシュゆえに単体で金属や布、プラスティックに使えるほか、描き終えたら耐水性も付きます。
第6位 Ohuhu アクリルペイント
出典: Amazon.co.jp
6位はOhuhuのアクリル絵の具です。こちらも24色ですが、白がチタンホワイトであるなど、色名が少し独特な点に注意。赤も朱色か真紅、青もコバルトかウルトラマリンで描くことになるので、自分が求めるカラーなのかは要チェックです。
Tシャツアートやキャンバスなどに描く際もおすすめ。
第5位 リキテックス アクリル絵具スクールカラーレギュラータイプ
出典: Amazon.co.jp
ここからは12色のセットです。私は見る分にはたくさんの色がある方が嬉しいのですが、実用性となるとやはり残してしまうカラーが出てくるので、どちらかといえば12色をおすすめします。
伝統色とは言いますが、別段和名の凝った色ではなく、絵の具として親しまれているベーシックなラインナップなのでご安心を。ほかに比べてチューブ1本あたりの量も少なめなので、あまり使わない人に向いています。
第4位 ターナー色彩 アクリルガッシュ スクールセットAG13C
出典: Amazon.co.jp
4位はターナー色彩のガッシュタイプ。13本なのは白が2色入っているためなので、白単体ではもちろんピンクや空色など、ミルキーカラーを多様する人なら重宝しますよ。
色合い自体はこちらもベーシックなので、困らずに済みます。ガッシュタイプ特有のムラのなさ、周囲の色をにじませない不透明さが再現しやすいです。
第3位 ターナー色彩 アクリル絵具布えのぐ
出典: Amazon.co.jp
ガッシュよりは透明重視の私は、通常タイプを上位にしました。ターナー色彩の場合はチューブが20mlと大容量なのも魅力。たくさん使いたい方でも、補充の手間を少なく利用できます。
ラインナップも白黒に赤、黄色、青の原色が揃っているほか、緑、紫、オレンジの中間色、またリーフグリーン(黄緑)やピンク、茶色、アクアブルー(水色)と比較的頻度の高いカラーが並んでいます。
第2位 サクラクレパス アクリルガッシュ AGW13
出典: Amazon.co.jp
2位はサクラクレパスのアクリルガッシュ。こちらも白2本による13本入りセットです。私は色合いが好きで選んでいるのですが、色彩が赤ならカーマインとバーミリオン、青ならセルリアンとコバルトのように英名かつ複数あるので、慣れていない方は注意。
ガッシュゆえに紙から金属まで様々な基底材に使えるほか、仕上がりがポスターカラーのような艶消し状態になるのも素敵です。ポスターカラーを普段使っている人ならなじみやすいでしょう。
第1位 サクラクレパス アクリルカラー ACW12
出典: Amazon.co.jp
1位は2位の透明アクリル版です。2位とは違い白が1本のみであるためか、やや安価なのもポイント。
カラー内容はガッシュタイプとは異なり、赤ならクリムゾンレッド及びナチュラルクリムゾン、青ならウルトラマリンとフタロシアニンブルーなどになっている点は注意。
ガッシュか否かで迷っている場合、サクラクレパスのアクリル絵の具にするならば、色彩へのこだわりで選んでも良いと思います。
アクリル絵の具の売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、アクリル絵の具の売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
Amazon売れ筋ランキング 楽天売れ筋ランキング Yahoo!ショッピング売れ筋ランキング
優秀なアクリル絵の具で作業も楽しく♪
水彩というと画材も水彩絵具のイメージですが、様々な描き方、仕上がりも異なるアクリル絵の具もおすすめです。絵画やイラストに限らず、日曜大工で作った家具のペイントなどにも向いているので、ペンキの代わりとしても役立ちます。
あまり馴染みがない方も、次の休みはアクリル絵の具で芸術の世界に浸ってみてはいかがですか?