今回は、本格的に絵を描きたい方用を含めて、こんなのもあるの?と思われる「練り消しゴム」について、ご説明させていただきます。
練り消しゴムは英語では kneaded eraserと呼ばれています。
目次
練り消しとは?消しゴムとの違い・使用場面
練り消しは、一応消しゴムの一種に含まれる文房具とされていますが、画材専用の練り消しは文房具ではなく画材として発売されています。粘土のように加工して使用する専用の練り消しは玩具として発売されていることもあります。
特徴としては、消しゴムとしては粘土のように柔らかく、形状を容易に変えられるところです。粘性が強く、人肌程度に温めると驚くほどよく伸びる商品もあります。
消しゴムとの違い
練り消しといえば、ねばりけのある粘土状の消しゴムです。「練りゴム」と呼ばれることもあります。柔らかく、練ることで自由に形を変えながら使うことができます。
画材として、絵を描く人に主に使われています。この他、おもちゃ感覚で使うことを目的とした子供向けの練り消しもあります。
プラスチック消しゴムは、書き損じた文字を消すときに便利です。プラスチック消しゴムと比べると、練り消しは字を消すことには向いていません。木炭などを使ったデッサンなどの作品を仕上げる時に向いています。使い方も異なり、練り消しは軽くたたきつけて汚れを巻き込むようにして使います。
プラスチック消しゴムと比べて練り消しの良いところは、使用時に用紙の傷みが大変少なく、消しカスが出ないことです。練り消しは、本格的に絵を描く方のマストアイテムとなっています。
特にトレース台を使っている方は、プラスチック消しゴムは天敵です。プラスチック消しゴムはプラスチック製品と相性は悪く、消しカスなどをしばらくプラスチック製品の上に置いておくと、くっついて取れなくなってしまいます。これは、プラスチック消しゴムとプラスチックの素材がよく似ており、長く触れさせておくと溶けてくっ付いてしまうからです。
練り消しに寿命ってあるの?
デッサンなどで練り消しを使っていて、寿命が気になっている人もいるでしょう。練り消しは消しカスが出ず、プラスチック消しゴムと異なり何度使用しても量がほとんど減りません。
練り消しは、鉛筆の粉が引っ付くことで消すことができます。長く使っていると、当然練り消しに含まれる鉛筆の粉の量が増え、消しにくくなります。
練り消しの寿命は使用状況によるため、一概に寿命がいくらとは言えません。消えにくいと感じたり、汚れが紙についてしまうようになったら、買い替えると良いでしょう。
性能が落ちた状態で使い続けると、最終的には切れて伸びなくなったり、べたべたします。こうなると、絵を描く際の大きな妨げになります。気になったらすぐに交換しましょう。
よく練り消しを練って遊んでいる人がいますよね。手に付着した汚れなどが練り消しに練りこまれ、練り消しの劣化が早まります。練り消しを長持ちさせたければ、練って遊ばないようにしましょう。
デッサンと練り消し
また、デッサン専用では、濃い筆記具を弱い筆圧で描かれる方が多いのですが、この場合ですと用紙に付着する黒鉛が多く、通常の消しゴムでは、吸着されずに紙面を汚してしまうこともあります。
そして、練り消しゴムは通常の消しゴムよりは「完全に消す」ということができにくい面があります。
ただ、この場合「消えない=マイナス点ではなく、描いた跡をみながらの描き足しができる」ということが逆に利点となると思います。練り消しゴムも比較的安価で手に入りますし、文具屋やインターネットなどで手に入りやすいです。
また、高級画材として売られているものもあります。迷われたらまず、比較的安価なものから試されていくことをおすすめします。
カンバスには練り消しよりも食パン
カンバスを使用されている方はよくご存知かと思いますが、練り消しゴムの代わりに、食パンの白い部分を練って消すこともあります。余談ですが、私はこの食パンを食べて怒られました(笑)。
練り消しは種類が豊富!
文具として発売されているものには、練り消しゴムを粘土代わりに使用していろいろな形に変型させて動物やお菓子などを作ったりするキットが発売されており、香りも色も大変豊富です。
こちらの商品も文具ですし、ラメ入りのものもありますが、きちんと消しカスの出ない消しゴムとしての機能します。
100円均一でも様々な香りや色のものが手に入りますので、お子様から大人の方まで、趣味で揃えられている方も多いです。本格的に無香料の白い商品に、でご自分でパステルなどで着色して工作される方もいらっしゃいます。
練り消しはペン入れ前に重宝!使用の際は濡れ布巾を用意しましょう
ここでは私の練り消しの使用方法をご紹介します!
私は鉛筆画のとき、パステル画のときにハイライトで使用してます。マンガを描くときには、下書きとしてブルーの芯以外の通常の黒い芯を使用してのシャープペンシルを使ったときにも、練り消しを使用しています。
練り消しゴムを使用すると用紙が毛羽立つことがないので、原稿用紙にペン入れをするときに安心なのです。
ケント紙や画用紙などでも、通常の消しゴムだとブルーの芯を使わないときは本当に慎重かつ丁寧に消しゴムかけないと、いざ、ペン入れ!!となったときにインクが滲んでしまい、涙が出そうになることも・・・。
余談ですが、描くことに行き詰ったときには、練って形を変えたりして、遊んだりしています(笑)。
ちなみに、練消しゴムを使うときは、濡れた布巾を置いておくといいです。特に夏場ですが、指先にもわずかに汗をかいたりしますよね。
練消しゴムはそれさえも吸着してしまうので、度をすぎて触り続けると、劣化が早いので、布巾で手を拭いてからの使用がおすすめです。
練り消しは用途別で使い分けよう!
描きたいモノや、用途によって選ばれる商品は違ってきます。練り消しゴムなのにカスが出てしまうものもありますし、粘着力が強すぎて、用紙にくっついてしまったり、手にくっついてしまう商品もあります。目安として3項目に分けて注意すること等をご紹介します。
デッサンや下書きを消す場合
デッサンや下書きの場合、あまり筆圧をかけて描くことがないため、比較的容易に消せます。
デッサンの場合は用紙やカンバスの目地にもよりますが、押し付けてとる、ということを前提に考えて、目地に入り込まないものを選びましょう。
柔らかいものでも、きちんと保存していないと、早めに劣化してしまってポソポソとカスが残るモノがあるので、そこは注意が必要です。
そのまま鉛筆画やパステル画として完成までもっていく場合
鉛筆画やパステル画で使用する場合ですと、修正のために使用するというより、ぼかしの効果を出す、ということで使用される方が多いと思います。
鉛筆画やパステル画では、カンバスとは違って表面に若干の凹凸があったりするものを使用することが多くなります。カスが目地に詰まるということはありませんので、どれだけの吸着力なのかを目安にされるといいです。
しかし、吸着力ばかりを求めていると、用紙や手にくっついてしまう商品がありますので、そこを気を付けて選ばれるといいです。
練り消しゴムアートの作成の場合
これは価格の安い商品からお試しされるといいと思います。
作りたいモノのための色一通り揃っているので、香りが混ざることを気にされない方は文具用の色の豊富な商品から使用されるといいと思います。香りはフルーツ系からフラワー系など、様々なものがあります。
セット売り販売もされております。細かい作業となるモノがほとんでなので、粘土アートならぬ、まさに、練り消しゴムアートです。
本格的に作りたい、というときには伸びの良い商品を選ばれて、ソフトパステルで色をつけて作成されるといいでしょう。
練り消しの選び方のポイント
これまでご説明してきたことを踏まえて練り消しの選び方について、練消しゴムの選び方を大きく分けてみました。
お試しで購入したい方は価格で選ぶ
まずお試しされたいという方には、コスパの良さで選ばれるといいと思います。
安価なものを何度か試されて、使用感に慣れてきたところで、高級画材に手を出されるといいと思いますし、比較的安価な商品でも、品質の良い商品がありますので、そちらを徹底的に使われてもいいでしょう。
少し慣れてきたら使い勝手の良さで選ぶ
これは、少し慣れてこられた方の選び方だと言えます。
一つの商品を使われると、4・5回分使えますので、どの商品だとどういう効果が出せるのか、どの程度の粘着力がご自分の描かれたいモノに適しているか、わかってこられると思いますので、2度目に選ばれるときは、ご自分の求める機能に長けている商品を選ばれるといいです。
子供が喜ぶデザインを選ぼう
粘土みたいに柔らかい練り消しは、子供にも人気がありますよね。コネコネとこねたり、びよ~んと伸ばしたり、人形や動物などをつくったり、粘土のように自由に遊べます。
子供が遊ぶための練り消しをお探しなら、子供が喜ぶデザインを選びましょう。男の子なら恐竜のデザイン、女の子はプリンセスデザインが人気です。
こういったデザインの練り消しは、子供が使うことを想定して作られているため、色や香りがついています。複数色の練り消しが一緒に入っている商品なら、子供が好きに色を組み合わせていろんなものが作れますよ。
色や香りで選ぶ
子供が遊ぶための練り消しをお探しなら、色や香りにこだわるのも楽しいでしょう。子供が使用する練り消しには、種類が豊富にあります。
子供向けの練り消しは様々な色があります。変わったところで、金色、パステルカラー、クリアカラー、メタリックカラーがあります。このほか、夜光る蓄光顔料入りの商品や、キラキラしたラメが入った商品もあります。
香りも様々です。よくある香りは、ミント、コーラ、フルーツです。変わったものだと、じゃがバターの香りやたこ焼きの香りなどといったものもあります。
同じ色でも、香りの違うものがあります。練り消しゴムアート作成の際、様々な色を使用して一品を造ることも多いと思います。こんな時に、練り消しについた香りが、邪魔してしまうことがあります。例えば、スイーツの形状を造る際に、「見た目と香りが違う!」ということにならないように、気を付けると良いでしょう。
初心者に便利な「白」
デッサン用練り消しは、白やグレーの商品がほとんどです。練り消しに慣れている人なら、どんな色の練り消しを使っても問題ありません。もしあまり慣れていないなら、白い練り消しがおすすめです。
練り消しは押し付けたり軽く叩いたりして、鉛筆の粉を吸着します。この後、鉛筆の粉で汚れた部分を中に巻き込まずに次の汚れを落とそうとすると、練り消しについた鉛筆の粉で紙が汚れてしまいます。
白い練り消しは汚れが目立ちやすく、汚れに気が付きやすいです。そのため、汚れたまま使って紙を汚すことを防いだり、練り消しの寿命を伸びやべたつきやすさだけでなく色で判断することも可能です。
絵を描かれる方は、ご自分にあうタッチの硬さを追求
まず、デッサンを含めて鉛筆画やパステル画を描かれる場合ですが、とりあえず、用紙と練消しゴムの相性を重視されるといいです。
描きたい絵の出来上がりを考えていただいて、柔らかい商品ですと、ボカしが出しやすいです。若干硬めに感じる商品はハイライト用に使用されることに向いています。
一つの製品を試されてみて、練り具合や消え具合を指で覚えて、ご自分が練り消しに求める効果によって、選択をされることをおすすめします。
【文具用】練り消しゴムおすすめランキングTOP3
それでは、これまで私と私の周囲で使われてきた商品で、この商品のココが良かった!ということを踏まえて、ランキング形式で商品のご紹介をさせていただきます。
第3位 シード ねりけし キラキラスター
練り消しの代表の一つのシード。
この他にも、スイーツ、メタトレジャーなど、香りや色、ラメ入りなどがあります。ねりけしくんの次に使いやすい商品だと思います。
第2位 お菓子みたいな消しゴム ねりけし ネリっちょ
お菓子みたいなパッケージケースがとても可愛いものです。色や香りも多く、価格もお手頃なので、ついつい全種類コンプリートしたくなる商品です。
よほど固い芯の鉛筆やシャープペンシルではない限り、練り消しとして、ちゃんと消したいモノは消せます。
第1位 ヒノデワシ ねりけしくん まぜねり
これらの他にもコーラなどの香りと色にこだわってある商品です。まぜねり、とあるだけあり、練り消しゴムアート初心者向けの商品でもあると言えます。
【デッサン用】練り消しおすすめランキングTOP5
あえて白いモノで揃えてみました。きちんと消えて、ボカシにも特化してなどなど利点のあるものもありますが、白いモノで慣れておかれると、交換時期がわかりやすいですし、まず間違いがないです。
第5位 アートウェーブオリジナル ネリゴム 3種類使い比べセット
いろいろお試しできる、画材用練消し3点セットです。とりあえず、どれから使用したらいいのか、どれをどういう風に使ったらいいのか、王道3点セットです。
なぜ1位ではないのか、ですが、3個を同時に使うことは、ほぼないので、封を開けて使い切るまでに商品が劣化してしまったりするので、あえて5位にさせていただきました。
第4位 バニーコルアート イージークリーナー
気を付けないといけないことの一点として、価格です。安く手に入れると1個200円しないので、コスパにも優れていると思います。ただし、送料がかかってくることがあるので、価格の変動がやたら多いという不思議商品でもあります。
ほわほわ感がやみつきになる商品です。カンバスにも粉が残りません。
第3位 クサカベ 練りゴム Artists’ Eraser
日本の練り消しといえば、このメーカーは欠かせないでしょう。他の商品よりも、粘着力があり粉末を吸着しやすく、デッサンだけでなく、パステル消しにおすすめです。
ネチャった感じも適度で少ないので使いやすいです。
第2位 文房堂 ネリゴム ARTIST CLEANER
用紙が汚れにくいのが特徴の一つだと言えるでしょう。ネバつき感も少ないですが、細かい作業の際には、柔らかいかなという感じがあるかと思います。
逆に柔らかさのおかげで、消した後のザラつき感がまったく気にならない商品です。ぼかし、色彩のトーン調整、全部を吸着させてのハイライトなど、幅広くつかえます。
第1位 ヌーベル イレーザー 練り消しゴム
コスパにも優れていますし、練り具合いも、私が使用してきた中では一番しっくりくるものです。他の製品より、硬めの使用感です。保存される際は、サランラップなどを使用されるといいです。
先端を細く尖らせて押し当てての細かい作業に重宝します。描き込みをしっかりする方や、繊細な風景デッサンのトーン調整と光の微調整におすすめの商品です。まず、この商品だと間違いがないです。
練り消しの使い方!
練り消しゴムは、私の場合もそうですが、プロの方は、大きさにもよりますが一個の製品を4・5回分に分けて使用するのが通常の使い方だと思います。
目安としては、練り消しゴムを包んであるビニールを少しだけはがして、利き手の親指大くらいの位置でちぎって丸めるといいかと思います。ちょうど4・5回分になります。
先に分けて丸めて保存容器に入れられる方もいらっしゃいます。これは使用されはじめてからご自分に合った方法を見つけられるといいでしょう。私は容器に移さずに、一個分が使用できなくなったら、またちぎって使用する、という方法を選択しています。
使用方法についてですが、通常の消しゴムのようにこすって紙表面の黒鉛をはがし取るのではなく、対象物の上から押し付けるようにして吸着させて消していきます。
消えないな、と感じる場合には、消したい部分に先をとがらせた形状にして、少し揺らす感じで消します。そして汚れた部分を内側に巻き込み、きれいな部分を出して使うということを繰り返します。
自由な形が作れるため、細かい所を消す時は細く伸ばした形状にして使い、広範囲の場合は平くして押し付けて少し揺する感じでお好みの色の状態になるまで消したります。この特徴を生かしてボカしとして使用することもできます。
うまく消えなくなってきたな、なんか出したい風合いが違うな、と感じたときが交換時期だと思っていいと思います。
消しゴムをお探しのあなたに!
練り消しを使って楽しくお絵かきしましょう
ここまで、練り消しゴムについてご紹介してきましたが、ご興味の沸かれた方や、次はこの商品を試してみようかな、の基準にしていただければ幸いです。
練り消しゴムは、私的には、「なぜに文具として練り消しゴムよりも普通の消しゴムが推奨されているのかなぁ?」と思うほど、使いやすい商品群だと思っています。
なによりもご紹介させていただいた商品を使用されて、楽しくお絵描きなどをしていただけると、それが一番うれしいです。
それではまた次回、よろしくお願いいたします。