アクリル板などの接着は、紙に使うような糊では行えません。ゆえに瞬間接着剤やボンドなどの商品で行ったことがある方は多いと思います。しかしそれらの接着剤でも、接着液がはみ出て不格好になったり、簡単に取れてしまうことってありませんか?普段から使う日用品の修理はもちろん、アート作品にとっても、そんな失敗は避けたいものです。
もし綺麗な仕上がりとより確実な接着を求めるのなら、アクリル接着剤を選ぶのがおすすめ。今回はなぜアクリル接着剤が良いのか、その魅力と、具体的なおすすめ商品をランキング形式にてご紹介します。
目次
アクリル接着剤の魅力
アクリル接着剤は名前の通り、アクリル板などの貼り付けに適した接着剤です。アクリル板は透明なので、どうしてもほかの接着剤だと糊が目立ってしまいますが、アクリル接着剤は透明タイプがほとんどなので邪魔になりません。
また溶着という仕組みによって、ほかの接着剤に比べて強力にくっつけられる点も魅力です。
「溶着」とは?
実は接着剤とは言うものの、アクリル接着剤に限っては液体が貼り付けた素材同士を結びつける仕組みにはなっていません。溶着と呼ばれ、素材同士を溶かしてくっつけるのが特徴です。
素材同士が融合した状態であるために、簡単には引き剥がれず、ほかの接着剤よりも堅く結びついているんですね。
アクリル接着剤とアクリル樹脂接着剤の違い
名前が似ていますが、アクリル接着剤とアクリル樹脂接着剤は別の商品です。アクリル接着剤はアクリルを貼り付けるための接着剤ですが、アクリル樹脂接着剤は接着剤の材料にアクリルを含んでおり、プラスチックや金属などをくっつける際に使います。
紙に用いる糊や、木工用ボンドなどの接着剤では貼り付けられない素材に対して使うのがアクリル樹脂接着剤です。貼り付けるものがアクリルでない場合には役立ちますが、アクリル接着剤の兼用・多用途版と異なり、アクリル自体を貼り付けるには向きません。
アクリル接着剤にはどんなタイプがあるの?
アクリル接着剤にはまた、いくつかのタイプが存在します。
アクリル専用タイプ
まずはアクリル専用タイプ。基本的にはアクリルにしか使えないため、用途は限られます。反対にアクリルであれば確実に融かし合わせてくれるので、アクリル板にしか使わないならおすすめです。
プラスチックなどにも可能な兼用タイプ
兼用タイプは、アクリル以外にもいくつかの素材に対して使えるタイプ。主にプラスチック類が多いです。ただ兼用の内容は共通ではなく、アクリルと特定のプラスチックにのみ使える接着剤もあるため、購入時は注意してください。
より多くの素材に使える多機能タイプ
最後の多機能タイプは、アクリルはもちろん、プラスチックにも限定せず、様々な素材に対して使えます。こちらは溶着ではなく接着であることも多く、瞬間接着剤で呼ばれている商品も少なくありません。
金属やゴムなど、ほかの接着剤ですら使えない素材も対象になっていることがあるため、使いたい方はチェックしてみましょう。
アクリル接着剤を選ぶときに注意したいポイントはこれ!
上記を踏まえたうえで、アクリル接着剤を選ぶ際、ほかにも必要なポイントを見てみましょう。
接着後の耐久性は高いか
まずは素材をくっつけた後の耐久性です。引っ張っても剥がれないか(強度)、暑い場所もしくは寒い場所でも平気か(耐熱)、屋外など水がある場所はどうか(耐水)、何かがぶつかっても安心か(耐衝撃)など、様々なポイントがあります。素材をくっつけた後でどこに使うかも考え、アクリル接着剤を選びましょう。
透明度の高い商品がおすすめ
アクリル接着剤は透明な商品が主ですが、中には色付きのタイプもあるので注意しましょう。というのも、アクリル自体が透明であるため、色付きの接着剤を使うと、使った後に悪目立ちしてしまうからです。
アクセサリーなどの作品用はもちろん、インテリアや家具などの目立つ場所に使う場合は特に注意し、透明度の高い商品を使いましょう。
あまり使わないなら少量もあり
容量に関しては、使用頻度を重視して選ぶことをおすすめします。大容量だと単価は低いのでお得に見えますが、そもそも使わないのであれば無駄にしかなりません。
またアクリル接着剤は揮発性が高いため、保管方法によっては時間が経つと溶液が蒸発し、減ってしまうことも。また多機能タイプの接着剤は、乾燥して固まって使えなくなることがあります。
安く購入できても、使いたい時に使えなくては意味がないので、頻繁に使わないなら少量タイプで単価ではなく商品価格自体が安いものを優先し、使い切れるようにしましょう。
アクリル接着剤を使用するときはこれも必要!
アクリル接着剤は、通常の接着剤とはことなり、容器から直接素材に塗ることはあまりありません。溶液をスポイトや注射器で吸い取ったり、刷毛などに付着させてから素材へ使います。接着剤には付属していることも多いですが、場合によっては別途アクリル接着剤用のアイテムを買い求めたほうが良いです。
狭い範囲には注射器
まず隙間や細かい範囲であれば、注射器がおすすめです。針の太さにもよりますが、小さな場所でもしっかり溶液を付着させられます。ただ噴射の威力が強いとたくさん出てしまうので、使う際は慎重に。
広い範囲なら刷毛や筆
一方広い範囲に使うのであれば、刷毛や筆で広げるのもあり。アクリル接着剤は素材同士を擦り合わせるようにして広げるのも良いですが、あまりに広いと擦り合わせている間に溶液が乾きかねません。ある程度は刷毛や筆でぱぱっと広げてしまいましょう。
ただ刷毛や筆は接着剤の容器よりも大きいです。ボトルに筆を差し入れることができない場合は直接ふりかけたり、別の容器に移したり手間があると覚えておきましょう。
素材で押し広げるならスポイト
スポイトは両者の中間のような位置づけ。注射器ほどではないですが、細かいところに向いています。また素材で溶液を押し広げるような時にも、スポイトでポタポタと大きな水滴を垂らすのがおすすめです。
【専用タイプ】アクリル接着剤おすすめ人気ランキングTOP4
まずはアクリル専用の接着剤からご紹介します。
第4位 コクゴ アクリル接着剤 アクリルダイン
タイプ | アクリル専用タイプ |
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内容量 | 500ml |
付属品 | なし |
乾燥スピードで3タイプから選べる
コクゴのアクリルダインは、速乾性のAと遅乾性のC、中間にあたるBの3タイプが存在。アクリル素材を早く乾かしたい、すぐ使いたい方ならA。ゆっくりで構わないので確実に接着させたいならCと、状況に応じて適したものを選びましょう。
ちなみにAなら液体もさらっとしている、Cはややとろみがあるという特徴もあるので、初めての方や気になる方はBにするのも手です。
第3位 三陽工業 サン・ボンド
タイプ | アクリル専用タイプ |
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内容量 | 1000ml |
付属品 | なし |
大容量の接着剤を求める方に
サン・ボンドは、1L缶に入った大容量タイプのアクリル接着剤です。本体は大きいので、別途注射器や刷毛などを使って使う場所に塗布する必要があります。
揮発性の高さが特徴で、乾きやすくくっつきやすい点が魅力。ただゆっくりしていると再度塗り直しする手間がかかります。容量の分値段も高いですが、頻繁に利用するならまとめ買いのつもりで置いておくのもありです。
第2位 光 アクリル接着剤 ABN-1
タイプ | アクリル専用タイプ |
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内容量 | 30ml |
付属品 | スポイト |
アクリル瞬間接着剤!
光のアクリル接着剤はビン入りタイプ。スポイトが付属されているので、別途用意する必要はありません。ただスポイトは使い方によっては多くで過ぎることもあるので、気になるようならより小さなスポイトや注射器などを用意しましょう。細い刷毛や筆を使っている方は、ビンに直接入れることができて便利です。
こちらも速乾性は高く、瞬間接着剤を使っているような印象を得ます。その分揮発性も良いので、開封時や、作業中に開けっ放しにすることが多い方は対策を。
第1位 アクリサンデー アクリル接着剤 注入器付 14-3201
タイプ | アクリル専用タイプ |
---|---|
内容量 | 30ml |
付属品 | 注入器 |
注射器付きで利用が簡単
1位に選んだのはアクリサンデー。ボトルだけでなく注射器付きで、2位のスポイトより出し入れしやすいのが魅力です。押しすぎて勢いよく噴射させないことだけ注意しましょう。数滴で強固に接着できるためコスパも良く、利用頻度が高い方に向いています。
こちらも揮発性は高いので、可能ならボトルの蓋を閉めるだけでなく、容器ごと密封できる別の入れ物にしまうと蒸発させることなく使い切れますよ。
【専用タイプ】おすすめアクリル接着剤の比較表はこちら!
商品画像 |
No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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商品名 | アクリサンデー アクリル接着剤 注入器付 14-3201 | 光 アクリル接着剤 ABN-1 | 三陽工業 サン・ボンド | コクゴ アクリル接着剤 アクリルダイン |
タイプ | アクリル専用タイプ | アクリル専用タイプ | アクリル専用タイプ | アクリル専用タイプ |
内容量 | 30ml | 30ml | 1000ml | 500ml |
付属品 | 注入器 | スポイト | なし | なし |
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【兼用・多機能タイプ】アクリル接着剤おすすめ人気ランキングTOP8
続いては兼用及び多機能タイプです。アクリルだけではない、アクリルにはあまり使わないという方はこちらから選びましょう。
第8位 サクラクレパス 多用途接着剤 ボンドタッチ BT50ML
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 50ml |
付属品 | なし |
お子さんの作品制作用にも
文房具でおなじみ、サクラクレパスの接着剤です。一方が紙や木であれば、石や金属など様々な素材をくっつけることが可能。逆に言えば金属同士などの接着は難しいため、8位としました。
また接着剤のノズル部分は細くなっており、細かい場所にも使いやすいのが魅力です。チューブ本体も、絵の具などに見られるアルミ製ラミネートチューブを採用しており、最後まで余すことなく使い切ることができます。
第7位 3M スコッチ 強力瞬間接着剤 ジェル 7005
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 3g |
付属品 | なし |
金属から革製品まで対象が豊富
7位はスコッチの瞬間接着剤。ジェル状になっているため、液だれしにくいのがポイントです。横ではなく縦で接着剤を塗布しなければいけないなど、液だれが気になるならおすすめ。木や紙はもちろん、金属や陶磁器、ゴムや皮など硬さ・材質問わず使いやすいです。
キャップを閉じた状態でもしっかり密封してくれるため、うっかり液漏れの心配もありません。使わない時、保管時にも役立ちます。
第6位 セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 CA-186
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 80g |
付属品 | ヘラ、ねり板 |
趣味や日曜大工のサポートに
2種類の接着剤を混ぜ合わせて使うタイプの接着剤が5位です。その分使う際に手間がかかりますが、単体では接着にならないため、うっかりこぼしても安心。多くは硬い素材が対象になっており、模型製作や日曜大工におすすめです。
ただ貼り合わせる際の都合上、接着面があまりに小さいと剥がれてしまうことも。細かいパーツの接着には向かないので注意しましょう。
第5位 武藤商事 プラリペア クリアー PL16C
タイプ | 兼用タイプ |
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内容量 | 粉5g、液体10ml |
付属品 | スポイトなど |
質重視の修理用接着剤
最初のプラリペア クリアーは、主に修復を目的とした接着剤です。アクリル樹脂粉末を、メチルメタクリレートと混ぜて使います。容量は粉末5g・液体10mlと少ないので、買い換えずに長期的に使いたい方や、1度にたくさんの接着が必要な場合は注意。値段もやや高めです。
ただ室温でも5分あれば溶着できるため、短時間の作業で済むのは魅力。プラスチックと同等の強度を維持でき、上からメッキなどの加工も可能など、使い勝手は良いです。
第4位 セメダイン 超多用途 接着剤 スーパーX クリア
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 135ml |
付属品 | なし |
過酷な場所でも耐えられる接着剤
続いては接着剤の中でも有名なセメダイン。アクリル接着剤にもいくつか商品が存在しますが、スーパーX クリアは接着後の耐久性が優秀です。熱さには120度まで、冷たさにはマイナス60度まで耐えられ、水や衝撃にも強くなります。
ちなみにアクリル接着剤は溶着が多いですが、セメダインシリーズは無溶着が特徴。この点は糊やボンドなどに近いです。多用途に使えますが、ポリエチレンや貴金属など、対象外の素材もある点に注意しましょう。
第3位 ヘンケルジャパン LOCTITE強力瞬間接着剤 パワーリキッド 多用途 LPL-005
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 5g |
付属品 | なし |
最後まで使い切りたい人におすすめ!
3位に選んだのは、LOCTITEの多用途タイプです。容器はプラスチックで、接着面に中身を垂らして使います。チューブのように搾り出さなくて良く、また先端は細長いチューブになっており、細かい場所への貼り付けも容易です。途中で入口部分が乾き固まってしまう心配もありません。
こちらも一部対象外の素材あり。ナイロンや発泡スチロールなどが該当します。
第2位 スコッチ 超強力接着剤 プレミアゴールド スーパー多用途2 透明
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 20g |
付属品 | なし |
より多くの素材に使える万能接着剤
スコッチのプレミアゴールド スーパーは、ポリエチレンやポリプロピレンなど、下位の接着剤が対象外だった素材でも使える幅の広さが特徴です。シリコンゴムなども対象で、家具やおもちゃの修理からDYIまで様々な用途に使えます。
透明タイプは接着剤が目立たず、修復したと解りにくい点も魅力です。空気で乾きやすいのはメリットですが、使い終わった時に内部の空気をしっかり抜かないと固まってしまうデメリットにもなっています。作業に気を取られず、容器の確認もお忘れなく。
第1位 セメダイン 超多用途 接着剤 スーパーX2 速硬化タイプ クリア AX-067
出典: Amazon.co.jp
タイプ | 多機能タイプ |
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内容量 | 20ml |
付属品 | なし |
スピード修理や手早く作業したい方に
1位に選んだのは、コスパも良いセメダインの速硬化タイプ。4位よりやや劣るものの、マイナス40度から120度と耐熱性があり、衝撃や水にも強いです。
スピード接着に必要な時間は5分ほど。接着面に塗布してから1、2分放置するため、作業時間は7分ほどで終わります。秒単位での速乾でありませんが、それを利用して貼り付け面の微調整ができるメリットもあり。より確実な接着を求める場合や、時間に余裕が有るなら1日~2日ほど固定しておくとよりしっかりとくっつきます。
【兼用・多機能タイプ】おすすめアクリル接着剤の比較表はこちら!
商品画像 |
No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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商品名 | セメダイン 超多用途 接着剤 スーパーX2 速硬化タイプ クリア AX-067 | スコッチ 超強力接着剤 プレミアゴールド スーパー多用途2 透明 | ヘンケルジャパン LOCTITE強力瞬間接着剤 パワーリキッド 多用途 LPL-005 | セメダイン 超多用途 接着剤 スーパーX クリア | 武藤商事 プラリペア クリアー PL16C | セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 CA-186 | 3M スコッチ 強力瞬間接着剤 ジェル 7005 | サクラクレパス 多用途接着剤 ボンドタッチ BT50ML | ||||
タイプ | 多機能タイプ | 多機能タイプ | 多機能タイプ | 多機能タイプ | 兼用タイプ | 多機能タイプ | 多機能タイプ | 多機能タイプ | ||||
内容量 | 20ml | 20g | 5g | 135ml | 粉5g、液体10ml | 80g | 3g | 50ml | ||||
付属品 | なし | なし | なし | なし | スポイトなど | ヘラ、ねり板 | なし | なし | ||||
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アクリル接着剤で工作も修理も自然な仕上がりに
アイテム同士をただくっつけるのではなく、溶かし合わせることで自然かつ強固な仕上がりになるアクリル接着剤。アート作品から、日曜大工やDYIなどの作業でも活躍してくれます。
また使いやすさや用途に応じたアクリル接着剤を選べば効率よく進められますし、完成品も頑丈に。ぜひ自分の目的に合ったアクリル接着剤を見つけてください。