「ずたぶくろ」って知っていますでしょうか?
筆者がはじめてみたずたぶくろは弟が一人旅の準備として、自分で購入してきたかばんが最初です。
それをみて母がひとこと「ずたぶくろ」と呼んだのです。そのときはじめて、世の中にずたぶくろ、という種類のかばんがあることを知りました。
その時のずたぶくろは開口部分が巾着になっており、絞る紐の部分を肩にかけることのできるタイプでした。
どういうものが想像できますでしょうか?こういうものでした。
出典: Amazon.co.jp
そうです、ショルダーバッグはずたぶくろの一種です。しかし、これだけがずたぶくろの種類ではありません。
ずたぶくろは現代にも、おしゃれに、息づいています。
都心ではあまり使われない語かもしれませんが、地方や業界によっては今もずたぶくろと言って通じますし、一定年齢以上の方だとショルダーバッグ、バッグパックというようも通りが良いので覚えていても損はないですよ。
写真はコットン地のずたぶくろです。筆者の周囲では「ずたぶくろ」といったらこの形を思い出す方が大半ですね。
目次
そもそもずたぶくろってなに?
前述の通り、ずたぶくろはバッグの一種です。漢字では「頭陀袋」と書き、本来は「ずだぶくろ」と呼びます。
しかし、だんだんと読みかたから濁点が消え、現在では「ずたぶくろ」と呼んでも「頭陀袋」のことだと理解されます。
「頭陀袋」の読みは「ずだぶくろ」、話し言葉では「ずたぶくろ」、ということですね。
元々、頭陀袋という語自体も梵語「Dhuta」(ドゥタ)の音訳と言われていますので、Dhutaが頭陀になり頭陀袋になり、ずたぶくろになるのは言葉の変遷、伝播としてとても面白いと思います。
頭陀袋って本来はどういう時に使うの?
本来の頭陀袋(ずだぶくろ)は仏教僧侶が修行の一環で、乞食・托鉢をおこなう際に携行した袋を指します。
托鉢とは信者の家をめぐり、修行を続けるのに最低限の食料や物品を乞う、または街角(辻)に立ち、道行く人々から布施・喜捨を受けることにより、信者や施しを行う人々に功徳を積ませる修行のことです。
托鉢や修行に関する細かいことはここでは解説しませんが、その際に読む経文や装具、布施として受け取ったものを入れるのに頭陀袋は使われています。
現在でも辻立ちにて修行されている僧侶を見かけることがありますが、その際、布施・喜捨をされるときは手渡しではなく、鉢が足元に置いてあるか、手に鉢を持っていたらその中に、または頭陀袋の中に直接入れましょう。
そのほか、お遍路さんでの携行袋でもあるので、筆者が四国に行った際には何人か見かけました。
なお、肩にかけるのではなく、本来に首にかけるかばんですが、
現在のずたぶくろ。現代のおしゃれ。
修行やお遍路にときだけに使えるのがずたぶくろではありません。
ずたぶくろは現代風に言い換えれば、「華美、豪華な作りではなく、シンプルな(布製の)ショルダーバッグ」です。
言い換えれば、シグニシャーやブランドロゴを配した高級・高価なブランドバックではなく、「日々の暮らしに持てる、身の丈にあったシンプルなショルダーバッグ」になります。
自分の心や本心と向き合うこと、モノに囲まれるのではなくモノを持たないシンプルな暮らし、たくさんのモノよりも質を重視して上質なモノを長く使う。
こういったことが見直されているいま、ずたぶくろは新しい形のおしゃれなかばん、ストレスフリーで自分らしいかばんとしていまも息づいています。
・・・・・・とは言いますが、実は高級ブランドでもシンプルな布製のずたぶくろは発売されていますので、一応紹介します。
出典: Amazon.co.jp
HERMES(エルメス)のアリーヌ ショルダーバッグです。
これを見たときは「エルメスでもずたぶくろを発売するのか…」と思いましたね。
布製(キャンバス地)のシンプルなショルダーバッグですが、HERMES のロゴがあまりにひかり輝き、威光すら感じとってしまうので筆者にはどうしてもずたぶくろに見えないずたぶくろです。
出典: Amazon.co.jp
ルイ・ヴィトンのずたぶくろです。
筆者の弟が人生初の一人旅に出かける際に購入してきた形にそっくりですし、年若い男子には大変な訴求力のあるタイプのかばんなのだということは想像に難くありません。
ナイロンキャンパスなので少しの水濡れならさらっとふけて汚れに強く、優しい色合いがとてもおしゃれでですね。
さておき、ずたぶくろの良さはポイポイポイっとモノを入れられる手軽さです。その点ではトートバッグに似ているかもしれません。
ずたぶくろをどんなときに使おう?
お遍路さんに
頭陀袋の本来の使い方に最も近い使い方ですね。最近はお遍路さん用のずたぶくろも進化していて、ペットボトル入れやスマホ入れもついています。
四国霊場八十八ヶ所 第75番札所。
弘法大師の誕生地でもある真言宗善通寺派の総本山 善通寺に筆者が立ち寄った際にずだぶくろを携行しているお遍路さんを何人も見かけましたが、いまは意外と若い方も多いのですよ。
出典: Amazon.co.jp
男の一人旅に
筆者がはじめてずたぶくろを知った経緯のおかげで、ずたぶくろは男の一人旅に使われるカバンのイメージがあります。
実際に弟に購入したずたぶくろをどうだったか聞いたところ、もとより荷物の少ない暑くない時期の2泊旅行だったせいか、容量の大きいうえに、入れるところは 1 箇所しかないので楽だった、と言っていました。
小分けにパッキングしたり、ポーチを使って小物収納をしない男性の方には便利だと思いますよ。
出典: Amazon.co.jp
自転車でのおでかけに
首から下げる = 両手が空く、ということで自転車に乗ってのお出かけにもずたぶくろは便利です。
ただ、この場合はずたぶくろというよりも、メッセンジャーバッグの名前が浸透していますね。
出典: Amazon.co.jp
布製ではありませんが、ナイロンバッグで同じ形となると、マンハッタンポーテージが丈夫で入手しやすいかと思います。
こちらもメッセンジャーバッグの名前で販売されていますね。
出典: Amazon.co.jp
ブランド | |
---|---|
カテゴリ |
ちょっとした小物の収納に
筆者の家では薄手の小さなずたぶくろは、小物のつりさげ収納かお買い物袋として使われています。
収納は単純にコットンバッグをフックにひっかけるだけですが、どこにでもつけられることができて便利です。
キャンパス地だとシンプルなデザインのものが多いので、お部屋のテイストにあわせて選べるのも良いですね。
例えば、冷蔵庫の横にマグネットでひっかけてレジ袋の収納にしていますが、シンプルに Hello Organic. と書かれています。
この使い方だと持ち手はワンハンドルのタイプが使いやすいです。
出典: Amazon.co.jp
出典: Amazon.co.jp
花火に、和装に
女性の浴衣にはありませんが、作務衣や和装にずたぶくろは似合います。草木染めのずたぶくろなんて非常に粋ですね。
柿渋は防虫、防腐、耐水性にすぐれており、お米の備蓄袋としても使われています。
使っていくうちに色の変化も楽しめ、自分だけのずたぶくろができあがる楽しみもあります。
出典: Amazon.co.jp
ワイルドに(山に、自然に、サバゲーに)
非常にニッチな使い方ですが、シンプルな布製のバッグとなると、意外にアーミーバッグの分野が充実しています。
ドイツ軍、ポーランド軍、フランス軍、アメリカ軍など、国によって異なるデザインも楽しめるので、好きな国のアーミーバッグを探してみるのも楽しいですよ。
なお、どんな時に使うの?でサバゲーと書きましたが、筆者は野外フィールドに一度行ったことがありますが、実際に大きいサイズのアーミーバッグをサブバッグとして使う方はいらっしゃいました。
出典: Amazon.co.jp
おみやげに
ずたぶくろを持ってどこかに行く、というのとはちょっと違いますが、ずたぶくろのショッパーはおみやげにもなります。
海外ではショッパーは有料なことが多いですが、その分布製のショッパーが売られていることがあります。
筆者は台湾の微熱山丘 SunnyHills(サニーヒルズ)と、フランスのギャラリー・ラファイエットのずたぶくろを所有していますが、サニーヒルズは珍しい縦長の形なので、旅行の際にスリッパやサンダルを入れるのに重宝しますよ。
おしゃれなずたぶくろのおすすめランキング5選
ここでは、スタイルとしてはずたぶくろ全としているながらも、おしゃれに進化したずたぶくろを紹介します!
第5位 KQueenstar 2wayショルダー バッグ
出典: Amazon.co.jp
本体に編み込まれたリボンが可愛らしいアクセントになって、とっても今風のデザイン。
厚みのあるキャンパス地で荷物の多い方でも安心です。
第4位 JIEKERY ショルダー バッグ
出典: Amazon.co.jp
本来が黒く、白抜きで英字がプリントされているだけで雰囲気がまったく変わりますね。
ボタンとファスナーの 2 種類がありますが、出し入れ簡単なボタンがオススメ。
第3位 ななめ掛けショルダートートバッグ
出典: Amazon.co.jp
なんの装飾もなく、軽いショルダートートです。珍しい縦型なので、タブレットなどを入れるのにも便利です。
布が薄いので街中で使うというよりも、ちょっとした仕事での持ち運びや、インテリアとして使う方が向いているかと思います。
なにより値段が安く、洗濯機でも洗えてしまうので、シンプルを由とするずたぶくろっぽいところも良いです。
第2位 アディダス トートバッグ ショッパー
出典: Amazon.co.jp
アスレジャー、スポーティがひきつづきトレンドの今、スポーツメーカーの布製ショッパーは持っているだけでいまっぽいアイテムですね。
筆者はいまこの形が欲しいのですが、あまり見かけません。
第1位 Westford Mill フェアトレードコットン メッセンジャーバッグ
出典: Amazon.co.jp
出典: Amazon.co.jp
ずたぶくろの起源を考えれば、フェアトレードコットンでできた白いメッセンジャーバッグはまさに姿を変えた街中のずたぶくろです。
生成りですので、防水性、耐久性にすぐれたインクを使ってスタンプ、自分仕様にカスタマイズしてしまうのもアリだと思います。
歴史のあるずたぶくろで現代生活をおしゃれに!便利に!
ずたぶくろのイメージ、少しでも変わりましたでしょうか?
こんなにも種類がたくさんあるのか!これもずたぶくろなのか!と思われたのならそれは新しいファッションを日常に取り入れる第一歩です。
ずたぶくろはシンプルでナチュラルで、装飾もすくなく、荷物の出し入れが簡単、というメリットがあります。
そのシンプルなありようが、現代生活にとてもマッチし、かつ今のご時世にはとてもおしゃれなアイテムにうつるのです。