昔よく、受験で出てきた小林秀雄さん。私はこの方の完全に信者で、命日にお墓参りに行くレベルなのですが……

自分の感情をいかに相手へ伝わるように伝えるか、という基礎はすべて小林秀雄に教えてもらったと考えています。たとえば、小林秀雄は変わり者についてこう書いています。 

「誰も、変わり者になろうとしてなれるものではないし、変わり者ぶったところで、世間は、すぐそんな男を見破ってしまう。だが、止むを得ず変わり者であるような変わり者は、世間は、はっきり許す、愛しさえする」 

このエッセイには統計的データもなければ、他人の意見もない。ただ小林さんが思ったことだけが書かれています。けれどそれが読者を説得させてしまう。それこそ書き手として伝える力、説得する力だと思わざるをえません。 

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外資系企業で4年務めた経験をもとにブログ『トイアンナのぐだぐだ』を書き始める。2015年に独立。ベンチャーのマーケティング支援をする傍ら、連載複数執筆。書籍『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』など複数。