
ギャル男がメディアを立ち上げ、美容×ITの世界へ!? たむたむさんの激動人生とお買い物事情。
今回のインタビューは、なんと初の男性。しかも美容関連です♡きっと、ご存知の方も多いはず!
「イケメンが来ると、こんなに暑い日でも空気が爽やかになるんだ!」と本気で思ったto buy編集部です。(お顔が見せられず、本当に申し訳ありません……)
美容業界の隠れた貴公子、「たむたむ」さんに、Twitterでは明かされなかった激動の人生と、美容についての思いと、お買い物事情について、たっぷりお伺いしましたよ!
淡々と、しかし説得力のある美容ツイートが話題。たむたむさんって、いったい何者?
ー「某大手外資系化粧品会社育ち」とのことですが……今はもしかして?
そうなんです、6月いっぱいで辞めちゃって。7月から新しいところにいます。化粧品はもう関わってないのですが、化粧品が好きなので、何らかの形で続けたいなと。
ーなるほど。ちなみに、今はどちらの会社にいらっしゃるんですか?
今、IT企業にいます。僕、外資系の化粧品会社にいたんですが、その時もEコマースとか、デジタルマーケティングをやってまして。
業界としてNEWかと言われると、全然そんなことはないんです。学生の時からIT企業で働いていて、自分の人生的には、IT・Web畑なんですよね。
ー今もわりと、マーケ的なお仕事をされてるんですか?
今は、営業やコンサルみたいな、お金稼いでくる感じの仕事です。社内でミーティングして企画書作って……ではなくて、もっと外に出て提案して、お客さんのビジネスをグロースするための業務ですね。
転職では、もともとコンサル業界に行きたかったんですが、今の会社からも、昔からお声がけいただいていたので、こっちでもやりたいことやれるかなって、入りました。
[激動のたむたむ伝説・序章]ビューティへの強い関心は、ギャル男時代のドラストめぐり!?
ーたむたむさんって、どんな子どもだったんですか?
地元が札幌のすすきのなんですが、いわゆる「マイルドヤンキー」みたいな子だったんです。普通の公立小学校に通って、中学校、高校まで、札幌で。
やることもないし、遊ぶんですよね。たとえば、ロケット花火を中学校に打ち込むとか。(編集部:「それ、マイルド……?」)
そしたら、警察が補導しにくるじゃないですか。警察官が降りると、パトカーは無人なわけですから、「乗れるんじゃないかな」って、パトカーに乗ってみようって、乗り込んで、怒られたりとか。髪の毛染めてみたりとか。
そんなことをやってるぐらいだったから、マセてたんですよね。中学校に入るぐらいには、もう携帯は持ってるし、髪の毛にはワックスつけるし。
で、当時(中学2、3年ぐらい)は「ギャル男」の端くれだったんですよ。
ーギャル男!今聞くと何だか新鮮ですね。どんな感じだったんですか?
クシで逆毛を立てて、トサカみたいな髪型にして……。僕、雑誌デビューが「men’s egg」だったんです。
毎日地元のすすきので、ゲームセンター行ったりカラオケ行ったりして、遊んでいて。
そこで、編集者の人に声かけられて、すすきののど真ん中で写真を撮られました。
ー(写真を見る)あ、でも想像より全然カッコイイ!きれいなギャル男さんですね。
ありがとうございます(笑)。ギャル男って、人より見た目に気を遣うので、コスメには中学生の頃から触れていたんです。ドラッグストアに行くのが、好きでしたね。
新しいワックスが出てる!とか。昔から、男性女性と分けて考えていなかったので、女性モノのシャンプーとかも見てました。
男性って、家電量販店に1日いれるとか、あるじゃないですか。当時の自分は、それがドラッグストアだったんですよね。北海道は、ツルハドラッグとか、サツドラっていうお店が、マツキヨみたいな感じでした。
そんな感じで、中学の頃から、「美」というものに興味がありました。当時は、主にヘアケアですね。
でも、母親が使ってる化粧水とか乳液は、こっそり使ってました。それらを使うのが、「なんかカッコイイ俺」みたいに思ってたんでしょうね(笑)。
[激動のたむたむ伝説①-1]黎明期のTwitter。社長ランチがキッカケで、金融×ITの道へ。
ーギャル男なたむたむ少年、大人になったらどうなったんでしょうか。
大学で東京に出てきたんですが、もともと教師になりたくて、教員免許の勉強をしていたんです。大学ってとらなきゃいけない単位の数って、決まってるじゃないですか。うちの大学は、1年に取れる単位の制限がなくて。
僕は教職の単位もあったので、1年に60単位ぐらい取っていたんですが、それを2年間やると、卒業に必要な単位が全部取れちゃうんです。
単位が終わってしまったもんだから、その時(2010年)に、Twitterをはじめたんです。
ーお、ここでTwitterが出てきた!もしかして、今のアカウントって、この頃からですか?
そうなんです。大学は金融専攻で、社会の先生になりたくて、教職を取っていました。
一方で、ファイナンシャルプランナーの資格を取って、セミナーや勉強会などで、お金のアドバイスをするっていう仕事を、フリーランスでやってたんです。
Twitterをはじめた当初は、「金融×Twitter」「金融×IT」みたいなイメージが、自分の中で見えていて。2010年のTwitterって、今のTwitterと、コミュニティがまったく違ったんです。
ネットのアーリーアダプターしかいないので、誰にクソリプや議論ふっかけられることもなく、みんなすごく自由に、「起きたなう」ってやってるような感じで。
今だと、出会い系みたいな捉え方をされてしまうんですが、当時はカジュアルに、「ランチ行きたい人、一緒に行きましょう」っていう人がたくさんいたんです。そこで、今や上場しているネット企業の社長さんとかと、何人か会ってみたりしてました。
[激動のたむたむ伝説①-2]WebサービスM&A会社の立ち上げに参画。机からOSまで自作!?
ーその社長さんとの出会いで、劇的な人生のターニングポイントがありそうですね!
その中で、JAFCOっていう野村系ベンチャーキャピタル出身の人が、会社を立ち上げると。彼も、金融×ITっていうバッググラウンドを持った人で。それを生かして、WebサービスのM&Aをやる会社を作ったんです。
例えば、A社の◯◯ってゲームを、B社に売りましょうとか。それを手伝わないかって言われて、投資銀行に興味があって、M&Aやりたかったので、「ぜひ、やらせてください!」って入りました。
ーすごい!具体的には、どんなことをやってたんですか?
はじめての仕事は、オフィスを作ることだったんです。ニトリから机が届いたら、組み立てて。パソコンもないから、ボロいFMVを中古で買ってきたんですが、OSが入ってなかったんです。
で、Microsoftを入れるお金もないので、Ubuntu(ウブントゥ)っていう無料でOSを構築できるもので、作ろうとしたんですが、うまく使えず……。
そんなこんなしてる間に、Windowsのパソコンが来ちゃいました(笑)。
そのあとに、会社のWebサイトを作ることになるんですが、まだ「ホームページビルダー」の時代ですね。
そんな時代に、ベンチャーが会社サイトを作るのはなかなかタフで、「LP(ランディングページ、1ページだけのサイト)を1つ作ろうぜ」ってなったんです。
LPなら、HTMLとCSS(Webサイトのデザインを作る言語)が使えれば、作れてしまうので、「はじめてのHTML」みたいな本を買ってきて。
それが、はじめてのプログラミングとの出会いでした。
[激動のたむたむ伝説②]自分のメディアを立ち上げ。真のたむたむ伝説がはじまる……
ーお、急にITの人っぽくなりはじめた!
そうそう。そうやって気づいたら、僕の中にITっていうものが入ってきていて。
サイトも作れるようになったし、金融もやっていたし、「これは一人でおもしろいことできるんじゃ?」って思い始めたんですね。
ちょうど、手伝っていたWebサービスのM&Aが、あまりおもしろくなくて。扱うサービスもあまり良いものがなかったり、単純に儲からなかったんです。
その会社にいた3ヶ月ぐらいで、HTML、CSSに加えて、PHP(動的なコンテンツを作る言語)も少しできるようになりました。
PHPができると、WordPressが使えるようになるんですね。これが使えると、もう何でも自分でできるぞ!と確信したんです。
ーここから、たむたむタームがはじまるわけですね!
ね!そうして、その会社でインターンやっていた子と、2人でサイトを立ち上げました。LEONっていう男性誌のWebサイトがあるのですが、そのPVが30万ぐらいで、「こんなの一瞬で抜けるだろ!」って。
イメージはLEONのWebサイトなんですが、もっとおしゃれで、もっとユーザーが使いたいサイトを目指したんです。
最初は、お金をいっぱい持ってそうな、いわゆる「港区おじさん」的な人たちが買いそうなブランドをターゲットにして、アパレルのサイトを作っていきました。
在庫を持つ余裕はないので、ECではなく、「アパレルのメディアサイト」として。
海外セレブの画像を持ってきて、このファッションはこのブルゾンがポイントで、これにこんなスニーカーを合わせたら……みたいなコーディネートの解説をするメディアでした。
1記事300文字ぐらいの記事を、毎日30記事鬼のように書きまくってました。
[激動のたむたむ伝説③]ホリエモンショックから数年後の、アノ会社へジョイン!?
ー「鬼のように記事を量産する」経験、私もあります……メディアはうまくいったんですか?
そしたら、月5万PVぐらいは、わりとすぐいったんですね。広告で、15,000〜20,000円とか入ってきて。
結果が出始めて、なかなかおもしろいねって思ってたタイミングで、「どうやら、Livedoorで人が足りてないらしい」っていう話が入ってきて。
ー急展開!2010年ぐらいのLivedoorって言ったら、ホリエモンショックから数年って感じですよね。
そう、本当にLivedoorって、ホリエモンぐらいしか知らなくて。ここでは、Livedoor Newsに配属されました。
業務は、リライト(書き換える)。読売、スポニチ、ロイターなどの一次メディアに上がっている記事を、Livedoor Newsに転載するんですが、その時、載せるタイトルを、簡潔に書き換えるんですね。
50文字ぐらいのタイトルを、15文字ぐらいにリライトしていました。学生なんですが、正社員に扱いで、フルタイムで働きまくってましたね。
ーあれって、1つ1つタイトルをリライトしてるんですね!コピー力つきそう。
そうなんです、かなり地道な手作業で。とにかく、タイトルのリライトがLivedoor Newsのキモなんです。
一度つけたタイトルの記事は、10分ぐらいウォッチして、PVが伸びないと、一度決して、タイトルをまた書き換えてアップして……を繰り返してました。
2〜3回やってダメなら、記事内容自体がよくないんですけどね(笑)。こんなリライト作業を、延々とやってたわけですが、自分のメディアで書き続けていたので、全然苦じゃなかったですね。
また、カテゴリごとの担当がつくんです。今は、「IT 経済」ってカテゴリですが、当時は「経済」で、これが「主要」とあわせて、僕の担当でした。
「経済」って、ウォールストリートジャーナルみたいな一次メディアから、記事を引っ張ってくるんです。なので、金融の仕組みがわかったり、日経新聞を読めることが、前提でしたね。
[激動のたむたむ伝説④]香港で見つけた、コスメブランドに一目惚れ。日本に持ってきたい!
ー大学時代にLivedoorでガッツリ働いていたら、卒業後の就職は……
それがですね……。NHN JAPANっていう韓国の会社の日本法人があって、その下に、LivedoorとNAVERと、もう一つ会社がありまして。
この3つが吸収合併されて、僕もNHN JAPANに転籍になったんです。そのあと、NHN JAPANがLINEになって、渋谷ヒカリエにのオフィスに入りました。この時、大学3年生の終わりぐらいですね。
もうその頃には、教職なんて忘れてましたし、「ビジネスの世界で生きていく!」って思ってました(笑)。もちろん、就職活動もやってませんし。
仲良くしていただいていた、モルガン・スタンレーのお偉いさんと、よく行く西麻布のバーで飲んでいて。
「就職はどうするんだ?」「就職はしません、でもLivedoorは辞めます。でも、次はまだ決まってません」「じゃあ、就職するかしないかは別として、社会勉強だと思って、1社だけ受けてみたらいいよ」とフィードバッグをいただいて。
ーたむたむさんの人生の節目、偉いおじさんが関与しがちですね(笑)
確かに(笑)。その話を素直に受け取って、「1社だけ受けてみるか〜」と思いつつ、東南アジア周辺へふらふら旅行に行ってたんです。
香港の「サイアム・パラゴン」っていう、銀座にある高級デパートみたいなところで、すごくスタイリッシュなメンズの化粧品売り場に、ベッカムみたいなイケメンの店員さんがいて、すごい衝撃を受けたんですね。
iPhoneのスペースブラックみたいな感じ。このお店、すごくカッコイイ!って。
そのカッコイイお店にあった、カッコイイブランドは、ツルハドラッグにはない化粧品のブランドでしたし、まったく知らないわけです。
この見たことないカッコイイブランドを、日本で立ち上げて、一発当てたら億り人じゃい!って、若さゆえに勢いで思い立ってしまって、一人盛り上がって帰国したんですね。
[激動のたむたむ伝説⑤-1]ここのブランドだし、もうここでいいや!で、外資系化粧品会社へ入社。
ーむむ、それ、大丈夫だろうか(笑)。
帰国後、モルガンのお偉いさんに、「就職、やっぱりしないです!海外で、良いブランドを見つけてきました。このブランドと業務提携して、日本総代理店として会社作ります!」という話をしたんです。
でも、あとで調べたら、その素敵なメンズ化粧品ブランドは、ある化粧品会社の、1ブランドだったんです。マジか……と。
しかも、2002年ぐらいに、そのブランドは日本にあって、結果売れなさすぎて撤退していて。そもそも、日本じゃ当たらないブランドだったんですね。
ーやっぱり……女性はその化粧品会社、もちろん知ってますが、男性は知らないですよね……
ショックで呆然としつつ、「いや〜、世の中すごいなぁ」と思いながら、でも今自分が目にしているのは、その会社のサイトで。右下の方に行くと、採用情報があって、まだ新卒採用受け付けてたんです。
「じゃあ、もうここでいいや」と。エントリーシート書いて、面接に呼ばれて。
「なにやりたいの?」「マーケティングがやりたいです」「どうして?」って聞かれたら、もう香港行ってから絶望したまでの話を、正直にしたんです。
自分がすごく良いと思ったブランドが、御社だったからここに来た、仕方ねーだろ!もっとカッコイイやつやらせろ!的な(笑)。他にも、興味あるブランドがあったんですよね。
そんな自分を、会社はすごく評価してくれて、一ヶ月ぐらいですんなり内定が出たんです。
他を受ける気もなかったし、就職がしたいわけじゃなかったので、「まいっか」と、その外資系化粧品会社に、新卒入社しました。
ー「もうここでいいや」で入社できてしまうのが、たむたむさんですね(笑)。
いやいや(笑)。で、入社して、好きなブランドのマーケができる!、と思ってたんですが、そうじゃなくて。
配属面談が英語で、その時まったくしゃべれなかったので、コイツにマーケティングは任せられない、と(笑)。外資なので、当たり前ですよね。
「何ができるんだ?」と聞かれて、僕のバッググラウンドがデジタルだったので、Eコマースをやれと。
そして、なぜかMicrosoftとかAppleとかアクセンチュアから来た人たちが集まった、デジタルスペシャリストチームに放り込まれたんです。
新卒も入ったことないし、一番年齢が近くても、30過ぎの方で。そんなスペシャリストの中で、「なんでこんなこともできないの?」「いつ終わるの?」って、毎日けちょんけちょんにされてましたね……。
[激動のたむたむ伝説⑤-2]ギャルメイク好き×化粧品会社でのビジネス観=美容への関心がMAXに!
ーでも、お話される姿、かなりイキイキされてます。化粧品会社でのお仕事、辛くてもかなり肌にあったんじゃないですか?
化粧品には興味はあったんですが、実は、好きで好きでたまらない!っていう感じではなかったんです。
僕、ギャル男でよかったなって思っていて。ギャル男だから、ギャルが好きなんですね。僕、ギャルの派手なメイクが可愛くて好きで。これは、「趣味趣向における化粧品観」です。
そして、いざ化粧品会社に入ると、このプロダクトに何が入ってるとか、どのタイミングで使うとか、前のモデルとは何が違うとか、そういう「ビジネスにおける化粧品観」を持つようになって。
この2つがほどよくマッチして、お互いをより勢いをもって、ビューティ、コスメに深く入り込んでいった、って感じですね。
ー「ギャルが好き!」って、化粧品会社の面接で、ストレートに話されたんですか?(笑)
話しましたよ(笑)!2次面接で、「好きなメイクは?」って聞かれたんですが、「それを僕に聞く?」って思いながら、「ギャルです!」って。
「そもそもギャルとは、コスメを使って、強く自己表現をしようとしている人たちである!」「なぜギャルが好きかというと」みたいな話を、熱く語りましたね。
面接当時、ナチュラルメイクが流行りはじめていたんです。それに喝を入れたわけですね。それはよくない!と。つけまつげなんか、3段も4段も重ねてくれと(笑)。ステージメイクとかも好きなので。
化粧品も好きですが、根本的に、「美しさ」そのものが好きなんですね。男女問わず美しい人が好きですし、美しくあろうとするメイクやボディメイクも好きです。
美しくありたい、と思ってます。だから、美容への関心が続いてるんでしょうね。
ーでも、化粧品って、主に女性の悩みを解決するものじゃないですか。どう理解したりしてるんですか?
うーん。僕の中の「美」って、日常じゃないんですよ。「アート」なんですね。キレイな素肌がとか、モテるメイクがとかじゃなくて。
その時点で「ハッとするぐらい美しいか」という視点でしか、見てないんですよね。
他の美容系Twitterの方と違うのは、トマトジュースとかサプリを、一生懸命飲んだりしないところです。それって、アートからしたら遠いじゃないですか。
ビタミンからの、インナービューティからの、綺麗な素肌からの、メイクのりがよくなる……みたいな。そういうのは、興味ないんですよね。ギャル文化が好きだから(笑)。
[激動のたむたむ伝説⑥]営業に移り、オンラインとの可能性を探りながら、次のステージへ。
ーなるほど。化粧品会社では、ずっとEコマースだったんですか?
在籍した5年のうち、4年間はずっとデジタルでした。Eコマースや、サードパーティと協業したりしてて。最後の1年だけ、自分から希望して、営業に移ったんですね。
百貨店に入っているような高級化粧品って、Eコマースの売り上げはわずかで、ほとんどが店舗での売り上げなんですね。そうなると、その売り上げの大部分を見ずして、「もう化粧品はいいや!」って終われないなと。
で、現場に移動して、10店舗ぐらいの統括をしていました。
そこの美容部員さん50人ぐらいと、コミュニケーションを取りながら、「こういう売り方していきましょう」とか「ここのお店はこういうお客さんが多いから、こういう見せ方で」って、一緒にお店を作っていました。
また、営業的な仕事では、百貨店に交渉しながら、ポップアップショップを展開したり。
ー確かにデパコスは、カウンターに行って買うモノってイメージですね!
ですよね。そうやって現場で営業をやってると、「化粧品営業、20年やってます!」っておじさんがいるんですよ。そういう人には、営業力とか、業界の知識とか、ネットワークとか、全然敵わない。
「伊勢丹、三越の常務と飲んでくるから〜」なんて言われちゃうと、なにも太刀打ちできないですよね。
じゃあ、どうやって自分が価値を出せるかなって考えた時、4年間デジタルやっていたし、ちょっと古い言葉ですがO2O(Online to Offline)で活かせないか、と。
SNSでブランドの投稿をして、見た人が店舗に来たら、オンラインでキャッチしたお客さんから、オフラインで売り上げを作ることができる。素晴らしいじゃないか!と思い、2010年に立ち上げたTwitterアカウントを再始動させました(笑)。
ーお、ここであのTwitterが、再始動なんですね!
そうそう。そんな感じで、Twitterの本格的な可動は、仕事起点、しかもデジタルから現場営業に移動したことが、キッカケだったんです。
何時に投稿したものが、どれくらい反応があるかを分析して、ベストな投稿タイミングを探ったりしていました。
1〜2ヶ月運用して、一度かなりホームランが出たんです。フォロワー500〜600人だったんですが、500RT、2000お気に入り、みたいな。
それをきっかけにコツがつかめて、フォロワーの方に刺さる投稿ができるようになってきましたね。
そんなこんなで、Twitter上で O2Oの可能性を探りつつ、1年ほど営業をやってみましたが、自分は20年選手になるつもりもなかったので。
入社して5年経つし、ちょうどいいタイミングだなと思って、そろそろ外を見てもいいかなと、この6月に退職しました。
[激動のたむたむ伝説⑦]YouTuberたむたむ爆誕予定♡イメージは「美容版ドラクエ」!?
ーTwitteのように、美容には引き続き関わっていく、発信していくって感じですよね?
はい。これは僕の秘密プロジェクトなんですが、動画をやろうと思ってるんです。
化粧品は好きだったんですが、もう企業人としてやらなくてもいいかなと。お金を稼ぎたいわけじゃないので、楽しければそれでいいや、という感じで。
化粧品会社にいると、多少の制限とか、偏りが出てきてしまうのもあります。ドラッグストアコスメよりも、圧倒的にデパコスに強くなってしまうとか。
今、家にデパコスが、総額200万円分ぐらいあるんですよ。溢れかえってるので、ドラッグストアコスメを新たに買う気にもなれず(笑)
ーすごい!以前、関根りささんが持ってるコスメの総額を計算してて、それでも120万いかないぐらいでしたよ……(笑)
そうですよね(笑)。でもほんと、世の中って、3万円のクリームが当たり前じゃなくて。マツキヨとかPLAZAのプチプラを、みんな使うじゃないですか。
ドラッグストアコスメにも、絶対良いものたくさんありますし、おもしろそうだなって気持ちがあるんですが……化粧品会社にいた当時は、化粧品が家に増えすぎて、さすがに買えなかったですね。
在籍していた会社は、化粧品ブランドがいくつかあるんですが、どうしても知識が、自社ブランドに偏っちゃうんです。
他社のコスメについても発信したいんですが、僕が自社ブランドの方が強いので、有益なことをつぶやきやすいんですね。それもちょっと嫌で。
会社っていう組織を抜けて、幅広くブランドに触れたら、楽しいだろうなっていう思いもありましたね。
ーYouTuberたむたむは、いつから始動なんですか?
早ければ、9月かなーと思ってますが、ちょっとまだ未定です(笑)。
どうやるかは、いろいろ考えているんですが、今まで一緒に仕事をやってきた美容部員さんなどと、うまくコラボできたら楽しそうだなと。
僕ひとりならTwitterでいいし、YouTubeをもっと生かすなら、数人で、チームみたいな感じでやろうと思ってるんですね。
メイクアップアーティストと、現役の美容部員と、僕みたいな化粧品のマーケターみたいなのをいろいろ集めて、ドラクエみたいにビューティの勇者達が集う、みたいな(笑)。
今、美容系では、2種類のYouTuberがいると思っていて。1つは、ヘアアレンジをやる美容師などの専門家。2つ目は、関根りささんみたいなインフルエンサー。
はじめしゃちょーとかヒカキン系の美容系YouTuberはいるんですが、レペゼン地球とか水溜りボンドとか、2〜3人でやってる美容系の人たちは、まだいないんですよ。
僕は芸人じゃないから、メントスコーラとかはできないんですが(笑)、得意としているビューティの軸でできたら、楽しいだろうなって。例えば、同じコスメをみんなで同時に使って、同時にレビューするとか。
とにかく、僕一人ではなく、いろんな立場のビューティの達人たちと一緒にやりたいなって思いますね。
ーずっと文章を書かれていたので、そちらの方面ではどうですか?
そうですね、やっぱりモノも書きたいなと思っていて、noteを始めようかとは、漠然と思っています。
基本は無料でやるつもりです。袋とじ的なコンテンツとして、有料にできるのもいいですよね。
◯◯は見ない!だって自分の感性を大事にしたいから……こだわりのお買い物事情
ーたむたむさん、ネットでどんなもの買いますか?服とか買われます?
なんでも買いますよ。美しいものが好きで、こだわりも強いので、化粧品会社時代は、オーダースーツを着てました。
私服でも全然良いんですが、化粧品やってるし、美しくなくちゃダメだ!って思っていて。毎日、僕だけネクタイ締めて、スーツ着てました(笑)。
でも今のIT企業に転職したら、短パンにスニーカーみたいな人が多くて、さすがにスーツじゃ浮く……ってなって。そこからスーツを完全に封印しました。
今着てるのはユニクロなんですが、このネイビーのニットと、白のVネックのTシャツを5枚ずつ買って、制服として着ています。
こだわりがあるところとないところの差が、激しいんですよね(笑)。気に入ったものは、毎日でも着れるタイプですね。
なので、普段着のユニクロは、ネットで買ってます!
ーたむたむさん独自のお買い物ルールって、ありますか?
本当に気に入ったものだけを買うようにしていますが、「値札は見ない」ようにしています。
高いから買うのやめようとかって、人生損してると思っていて。どんなに高いもので、それによって人生絶たれるようなものって、ないじゃないですか(笑)。
例えば、伊勢丹に行きますよね。全財産をはたけば、買えないものって、伊勢丹でもないんです。ってことは、伊勢丹に入った時点で、何を買っても死なないわけですよ!
だけど、これがハリー・ウィンストンとか行ってしまった時には、一歩間違えれば、明日からカップラーメンみたいな生活にはなりえますけどね(笑)。そういうとこに行かなければ、何買ってもいいと思ってます。
自分の直感とか感性を汚したくないから、値札含め、雑音はすべてシャットアウトします。一人で買い物に行きますよ。
「これいいよね」「えー?」って言われるのが嫌なので。値段も関係ないですし。
ー「本当に気に入ったものだけを買う」っていうのは聞きますが、「値札を見ない」は衝撃です……
実はこれって、大学時代のLivedoorにいるときから、そうなんです。フルタイムで働いていて、そこそこお金もありましたし、アパレルのメディアをやっていて知識もあったので、バーニーズ・ニューヨークとか行ってましたね。
で、このバッグ「Felisi(フェリージ)」ってブランドのバッグなんですが、黒とネイビーのコンビはバーニーズ限定で、これ僕ハタチの時買ったんですよ。もう7年も使ってます。
昔から、自分の持ってるモノをすぐに人にあげちゃうんですが、当時持ってたバッグを、これまた人にあげてしまって。で、バッグないな〜って探してた時に、出会いました。
Livedoorって当時西新宿にあって。新宿の東口のGUCCIとかある方に、バーニーズがあって。そこで見つけたんですよね。カッコイイなーって。
確か5〜6万円ぐらい。ハタチにとっては高いですよね。でも、それを買うことで、「値段に関係なく、本当に惚れ込んだモノ」を買おうって、吹っ切れたんです。
ここでこれを我慢して、マルイとかでどうしようもないバッグ買うんだったら、ここでバシッと買っとくか!って(笑)。僕、こういうのが多いですね。
ー今は、どこでよくお買い物されるんですか?
銀座がメインですね。スーツはハタチから、7丁目の麻布テーラーで作っていて。
あとは、松屋で「銀座の男」市っていう、スーツの催事が年に2回あるんですが、それを20年仕切ってる超有名バイヤーさんがやってるんです。スーツを百貨店で買うとすると、松屋が頭一つ抜けるんですよ。その催事だけは、必ず行ってますね。
スーツは、ネクタイとのコンビネーションとか、シャツとか革靴とか時計とか、ハマると大変ですよ(笑)。
ーたむたむさん、車も相当関心ありますよね?
車はね……かなりヘビースペンディングしてますね。スーツをあまり着なくなった今となっては、車に相当つぎ込んでます。
スマホ変えるよりも、車変えるほうが早いっていう(笑)。毎年、車を買い換えます。新しいのに乗りたくて。車は24時間、365日興味がありますね。
今のJaguar(ジャガー)は最長で、もうすぐ乗って2年になりますが、その前の車は8ヶ月、その前も8ヶ月でしたね……。
次は、イギリスつながりで、Bentley(ベントレー)もいいなと思ってたんですが、もっと重みのある年齢の人が乗るべきかなと。
そうすると、IT企業に身を置いているので、Tesla(テスラ)は、今かなり有力候補です(笑)。
爽やかでスマートな美の貴公子「たむたむ」さんは、アクティブでチャレンジャーなIT戦士でもあった♡
Twitterでは、「業界の賢人たちから聞いた、美の秘密」や「感度の高いビューティアイテム」を発信してくださる、たむたむさん。なんとなく、クールで物静かな印象があったのですが、お会いしたら、とってもフレンドリーで、ご自身の今までやこれからやりたいことなどを、アツく語ってくださいました!
この記事では、そのお顔を見せることができないのですが、近々公開予定の「YouTuberたむたむ」をぜひ、楽しみにしてみてください♡
次回は、たむたむさんの「鉄板お気に入りアイテム」を、ご紹介!新着記事は、いち早くto buy公式Twitterで配信いたします。
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