キャンプを本格的に始めてから、まだ6年ほど。もともとは家族の趣味に付き合って…という側面が強かったために、ほぼ強制的にアウトドアに連れていかれる日々だったのですが、どうすれば楽しく過ごせるかという工夫をするうちにキャンプ道具(=ギアといいます)の「物」としての面白さや魅力を発見し、気が付けばギア研究のためにアウトドア雑誌を家族の誰よりも熱心に読む習慣が身についてしまいました。
キャンプ道具で命を守る道具、寝袋やテント、レインウェア、登山靴、から揃え始め、不快感なく過ごすためのマットや衣類も一通りそろってくると、次に欲しくなってくるのが、快適に過ごすための道具だと思います。
私の場合、欲しいなぁと思い始めたのはキャンプ用のチェアでした。相方は自分のチェアを持っているのに、私は簡易ベンチだったので、指をくわえて見ていたのです。そして目を皿にして他のキャンパーさんのチェアを眺めて、どのチェアがいいのか研究していました。
そんな中、たまに見かけるHelinoxというロゴのチェアに目が留まり、なんだか良さそうだなぁと気になったのが私とヘリノックスとの出会いでした。
調べてみると、ヘリノックスはキャンプチェアの中でも最高峰の高級ブランドだったため、なかなか気軽には手を出せませんでした。何回も買い替えるタイプのリッチなキャンパーではないので今年購入に至るまでじっくりとどの製品が良いのか研究し、ヘリノックス正規代理店であるモンベルストアでの試し座りも重ねて、納得いくものをようやく選ぶことができました。その考察結果を他の方にも生かしていただければ幸いです。
ヘリノックスとは?注目されている理由について
まだまだアウトドア初心者な私などより詳しい方がたくさんいらっしゃると思うので恐縮ですが、ヘリノックスの製品についてその特徴などを少しご説明させていただきたいと思います。
ヘリノックスは軽量アルミテントポールなどで有名なDAC社が製造している製品です。(調べるまで製品のプロモーションの雰囲気などから北欧の方の企業だと思っていたのですが1988年創業の韓国の会社でした)
DAC社のアルミポールは軽量で丈夫、そして何よりその品質の高さから、アウトドアブランドのHILLEBERG、小川テントのOGAWA、私も愛用しているモンベル、コールマン、MSR、ノースフェイス、などなどキリがないほど多くの一流アウトドアメーカーに採用されています。
DAC社はテントポールやパーツで有名な企業だったのですが、そのDAC社が立ち上げたファニチャーブランドがHelinox(ヘリノックス)です。ヘリノックスで一番有名なのはチェア(椅子)だと思うのですが、他にもコット(寒冷地でキャンプをする場合やテント下に石が多いときに使う地面から距離を取って快適に眠るための簡易ベッドのような道具)、テーブルなども有名です。
ヘリノックス製品に採用されている合金製ポール(TH72M)は強度が非常に高く、その上しなやかさ(柔軟性)を同時に持つ素材です。実際ヘリノックスのチェアを組み立てる際に、すごくしなやかでありながら丈夫な骨組み(アルミフレーム)だなと実感することが私もできました。その合金製ポールを加工する際には腐食に強い上に、環境に優しい技術が採用されているということです。
ヘリノックスのチェアについてはコンパクト性能や機能性がそもそも高いうえに、そのほかにカラーバリエーションも豊富で魅力ある製品が展開されています。また様々なシーンに応じた種類の製品も豊富に用意されています。さらに、有名ブランドとコラボレーションした製品づくりも積極的に行われているため、オンリーワンの製品を見つける楽しみもあると思います。
ヘリノックスチェアの選び方のポイント!
実はキャンプ場だけではなく、自宅のリビングでも問題なく使えるのがヘリノックスのチェアだと思います。是非お気に入りの一つを見つけていただけたら嬉しいです。
ヘリノックスチェアの大きな特徴としては、どのチェアについても、そのポールの丈夫さから包みこまれているようなホールド感が若干強めかなという個性があるように感じています。さて、ヘリノックスのチェアにはいろんなシリーズが出ていますが、下記で一つ一つご紹介していきたいと思います。
迷った時に買って間違いがないチェアワン
チェアワンはヘリノックスの代表作で世界最大級の国際総合見本市「ISPO 2013」でISPOアワードを受賞したこともある製品です。
そんなことからもヘリノックスのチェアで一番有名なのがおそらくチェアワンだと思います。背面にはメッシュ素材が使われていて、通気性が抜群です。つり下げ式シートが採用されていて座り心地も抜群です。
52×50×66cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重145kgで、重さが890g(スタッフバッグ込で960g) という軽量さも実現しています。四本足が柔軟に路面を捉え、安定した座り心地を実現しているということです。
チェアワンには特に専用の別売りパーツがあり、注目しているのが砂地で使用する際に沈み込みを防止できるチェアワン グラウンドシート、そして寒い時期に使用する際にダウン中綿入りのカバーヘリノックスシートウォーマーなども用意されているのがとても魅力的です。軽量性も座ったときの快適性も、太鼓判が押せる素晴らしい製品だと思います。(チェアワン バイタルコレクションというのもあります)
モンベル ヘリノックス グラウンドシート チェアワン用
出典: 楽天市場
Helinox ヘリノックス シートウォーマー グリーン
出典: Amazon.co.jp
アクティブな人やお子さん向けのチェアワン ミニ
チェアワン ミニは文字通り、チェアワンのミニサイズです。40×34×44cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重90kg。重さが450g(スタッフバッグ込で500g)とにかく軽いことから野外フェスなどにも持っていきやすいサイズです。
作りは小さめですので、小柄な人やお子さんに向いているモデルかと思います。
大柄な人はチェアワン L
ヘリノックスは包まれているホールド感が強めと書きましたが、若干大柄な人は今までご紹介したものだと窮屈に感じられるかもしれません。そういった型にも安心なモデルがチェアワンL。
58×55×72cm (幅×奥行き×高さ)とゆったり作られているのがいいですね。耐荷重145kg。重さが1,090g(スタッフバッグ込で1,160g)です。
(現在ホームチェア XLというタイプも販売されているようです。どちらかというと屋内使用向きと思われます)
どこにでも持ち運びやすい軽量性があるチェアゼロ
チェアゼロはチェアワンの快適な座り心地はそのままに軽量コンパクト性を追求したモデルです。シートにポリエステル・リップストップを採用。フレームのポールの肉厚を薄くするなど、軽量化に特化しているモデルです。
52×48×64cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重120kg。 驚きの軽さ490g(スタッフバッグ込で510g)を実現しています。
室内のチェアとしても最適なコンフォートチェア
コンフォートチェアはチェアワンと中身としてはほぼ同じと私は理解しているのですが、座面の奥行が若干あるぶん、座りやすい印象を受けました。
チェアワンよりインテリア性が高く、室内で使うのにも向いているデザインやカラーが豊富に用意されているのがコンフォートチェアです。
52cm×53cm×67cm(幅・奥行き・高さ)耐荷重145kg。重さが980g(スタッフバッグ込で1100g)。
回転機能まであるスウィベルチェア
折り畳み式でどこにでも持ち運べる携行性はそのままに、なんと回転機能まで持たせたのがこちらのスウィベルチェア。座ったまま方向転換できるのがとても便利で、キャンプ中の料理をするときに特に良いという感想を聞いたことがあります。50×52×70cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重120kg。重さが1.21kg(スタッフバッグ込で1.30kg)
背をもたれて使うことができるチェアツー
チェアツーは「チェアワン」を元にし背中をもたれることができるハイバックタイプです。ハイバックタイプの中で一番シンプルな作りのチェア。ロッキングフットTWOを取り付けるとロッキングチェアとして使えるのが魅力的です。
55×65×84cm(幅×奥行き×高さ) 耐荷重145kg。重さが1.07kg(スタッフバッグ込で一番1.18kg)「チェアツーホーム」というタイプもあります。
ヘリノックス CHIR TWO用 ロッキングフット
とにかくリラックス重視なひとはビーチチェア
ビーチチェアはハイバック(背中をもたれることができる)タイプのローチェアです。砂地などの路面が柔らかい場所でもチェアが沈み込まないようなデザイン設計になっているということです。ゆっくりリラックスしたい人、海岸でくつろぐキャンプをよくする方向けのモデル。59×73×80cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重145kg。重さが1.34kg(スタッフバッグ込で1.48kg)「ビーチチェアホーム」というタイプもあります。
全身を預けてのんびりするにはサンセットチェア
私が悩みに悩んで購入したのはこちらのサンセットチェア。もたれられる背あて部分が長く、頭部までしっかりホールドされる感じのハイバックタイプ。
59×73×98cm(幅×奥行き×高さ)耐荷重145kg。重さが1.34kg(スタッフバッグ込で1.48kg)地面からの座面の高さが46cmあります。
これに座ったらもう動けなくなるほどリラックスできます。「タクティカル サンセットチェア」というタイプもあります。
ちなみにヘリノックスのチェアには魅力的な付属パーツもいろいろと用意されています。ヘリノックス チェアボールフィートという別売りパーツを脚先につけるとフローロングの床に傷が付くのを防ぐことができ、ビーチなどでは砂地に埋もれるのを防ぐことができるそうです。夏専用のメッシュシート(ビーチチェア サマーキットなど)も別売りで用意されているので季節に応じた使い分けができるのもいいですね。
Helinox ヘリノックス チェアボールフィート
Helinox ヘリノックス ビーチチェア サマーキット
出典: Amazon.co.jp
ヘリノックスおすすめ10選
ヘリノックスの製品はとにかくどこにでも持ち運べて荷物にならない軽量性を求めるキャンパーさんから、自動車で移動するので重量については気にしない、とにかく快適性を求める人。また、室内で利用したい!とかビーチでのみ利用するという方にまで誰にでもピッタリくる製品があると思います。というわけで豊富な選択肢から10選をご紹介していきたいと思います。
ヘリノックス サンセットチェア
出典: 楽天市場
ゆっくりのんびりくつろぎたい!
ホールド感があって安心感がもたらされるヘリノックスのチェアですが、私はそういったホールド感よりゆったり感重視ということと、チェアを持っていくときの移動手段が車メインということから軽量性は特に重視しませんでした。また、座面が低いものよりは高いものが好みだったこともあり、自然とサンセットチェアに選択肢が絞られました。
サンセットチェアに座るとまるでハンモックでのんびりしているのと同じくらいのくつろぎ感があり、貧乏キャンパーにとっては高い買い物でしたが、後悔は全くしていません。非常にお勧めの製品です。
コンパクトにまとまります。
中にはポールとシートが入っています。ポールは一つにつながっているのですが、折れて収納できるようになっています。
上からひっかけて、座面の部分もポールにかぶせれば簡単にチェアが組み立てられます。非常に簡単!
ヘリノックス アウトドア チェアワン
出典: Amazon.co.jp
ヘリノックス シートウォーマー
出典: 楽天市場
定番の安心感。
次にお勧めなのが、定番のチェアワンです。コンパクトでありながら座り心地が良く、丈夫。そして付属品も豊富なのが魅力的です。付属品の中で特に併せ買いしたいのがヘリノックスシートウォーマーです。秋・冬のキャンプもすごくくつろぐことができそうです。お勧めの決め手は類似品を寄せ付けない品質の高さです。
チェアゼロ
出典: Amazon.co.jp
山にも持っていけるかも?
ペットボトル一本分の重さで、山にも持参できるほどの軽量性。実際、山にもっていっている方のブログなどを拝見したのですが、やはり大絶賛されていました。疲労の中で地べたに座るより、快適なイスに座れたら、登山やウォーキング中の回復にも役立ちそうです。
ヘリノックス コンフォートチェア
出典: Amazon.co.jp
運動会でも注目されそう!
様々なカラーバリエーションが用意されていてとてもおしゃれなコンフォートチェア。運動会やピクニック、バーベキューにも持っていきやすいサイズながらおしゃれなのがとても魅力的です。
ヘリノックス タクティカル スウィベルチェア フォリッジ
出典: Amazon.co.jp
くるくる回転できる
アウトドアショップで意外とお勧めされたのが、このスウィベルチェア。座りながら、くるっと回転できてキャンプ中のお料理しているときに便利です!とのことでした。
くるくる回転できるアウトドア用のチェアは子どもも喜びそうです。
ヘリノックス ビーチチェア
出典: Amazon.co.jp
ビーチでベランダで、バーベキューにも良さそう。
海岸でこの椅子に座りながら朝日や夕焼けをじっくり眺めることができたら、すごく幸せな気持ちになれそうですね。ビール片手に自然との一体感を楽しみながら、のんびり過ごすのにロータイプのビーチチェアは最適な気がします。
PENDLETON x HELINOX Chair home Canyonlands
ヘリノックス×メゾンドバカンス コンフォートチェア
メゾンドバカンス&ヘリノックスのコラボレーション コンフォートチェア
7選目、8選目ではヘリノックスと他ブランドのコラボ製品についてご紹介したいと思います。ヘリノックスは様々なブランドとのコラボ製品も世に送り出しています。ペンドルトンとのコラボチェアにはその温かみのある生地に癒されます。キャンプでも室内でも楽しく使えそうなアイテムです。メゾンドバカンス&ヘリノックスのコラボレーションのチェック柄のチェアもとても素敵です。
他に持っている人が少ない珍しいヘリノックスチェアを持ちたい人にはコラボアイテムがとてもお勧めです。
ヘリノックス アウトドア チェアワン ミニ
出典: Amazon.co.jp
子どもに買ってあげたくなる
大人がヘリノックスに座ろうとするとそれを必ず邪魔してくるのが小さい子どもたち。むしろ最近私のヘリノックスのチェアも子どもに奪われっぱなしです。そこで危ないのがバランスを崩して転倒しそうになること。
座面が低くて安定感のある小さいサイズのチェアワンミニを子ども専用にしてあげたいなぁと思います。野外フェスなどにも持っていきやすいサイズなので行動派の大人にももちろん良いと思います。
ヘリノックス CHAIR TWO HOME
出典: Amazon.co.jp
色合いがカッコいい!
チェアツーの中でもこちらのモデルはコンフォートチェアをもとにハイバックタイプになっているタイプ。別売りのロッキングフットを組み合わせるとロッキングチェアにもなります。
キャンプ以外で自宅で使うのにも絵になるチェアツーホーム。私も欲しいです。
ヘリノックスの売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、ヘリノックスの売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
楽天売れ筋ランキング
こだわりのヘリノックスでアウトドアを楽しもう
人気があるヘリノックス。ヘリノックスを使っているだけで、未だに私もあの人はリッチなキャンパーさんだわ~という羨望のまなざしを送ってしまいます。
ステータスがあるというだけでは、もちろんなくて、実際使ってみても、不器用な私のような者でさえササっと組み立てることができ、そしてササっと収納ができるとても使いやすい製品です。
使いやすいだけではなくて軽量で持ち運びしやすく、座り心地も抜群。他のキャンプチェアに比べると少し高い買い物かもしれませんが…長~く使えることを考えた時に、ヘリノックスはやはり心からお勧めできる道具だと思います。
最後にして、ここで悲しい注意事項!テントなどの拠点を用意し、そこからどこかに出かける際にはヘリノックス製品についてはできれば収納して(車の場合は)持ち運ぶ。せめてテントの中や前室にしまっておくようにすることをお勧めします。言いづらい寂しい話なのですが、ヘリノックスは高級アイテムのため盗まれるということもあるそうです…。
盗難だけには気を付けつつ、キャンプ道具は飾るのではなくどんどん使って頂き、快適で楽しいキャンプライフを送って頂きたいと思います。