「Bluetoothオーディオトランスミッター」という商品は皆さまには耳慣れない名前かもしれません。ですが、世界中でも右肩上がりに利用者が増え続けており、Bluetooth製品も開発が進み、様々な商品が世に誕生しています。
私はスポーツジムのトレーニング用に小さな古いウォークマン(Bluetooth機能なし)を持っているのですが、やはりケーブルが邪魔で運動中にイヤホンが取れてしまうこともしばしば。
「いっそのこと、無線にしたいっ!」ということで、スタイリッシュなBluetoothイヤホンとBluetoothオーディオトランスミッター(音楽を無線通信で送信する機器)を購入しました。ジムは勿論、家事や外出の時にも大活躍しています。
目次
Bluetoothオーディオトランスミッターとは?
サッカー日本代表選手がBluetooth製品を利用している話を前述しましたが、使用には音を送信側(トランスミッター)と受信側(レシーバー)の2つのBluetooth製品が必要となります。
通信の送受信で受信側(イヤホンなど)のBluetooth製品は持っているけれど、送信側(ウォークマンなど)にBluetooth機能が無い場合は音楽を聴くことは出来ません。ペアリングというお互いを認識させる処理ができないからです。
そこで必要となるのがBluetoothオーディオトランスミッターなのです!Bluetoothオーディオトランスミッターは、Bluetoothに非対応の製品に用いることでワイヤレス機器が利用できるようになる製品です。
具体的なBluetoothオーディオトランスミッターの接続例はこんな感じです。
・Bluetooth非搭載の古いウォークマンに接続してBluetoothイヤホンとペアリングすると、古いウオークマンの音をイヤホンから聞くことができる。
・テレビに接続してBluetoothヘッドホンとペアリングすると、テレビの音をヘッドホンから大音量で番組を楽しむことができる(恋人同士で一緒に同じテレビの音を楽しむ、なども可能です)。
・Bluetooth非搭載のデスクトップPCに接続してBluetoothイヤホンとペアリングすると、PCの音楽や番組の音声をイヤホンで聞きながら家事をすることができる。
など、使い道は様々です。Bluetooth製品とペアリングすれば他にも様々な用途で活躍できます。
Bluetoothオーディオトランスミッターの選び方
商品を購入する際に注意すべきポイントに主に「Bluetoothのバージョン」「コーデック」「送信距離」「音質」「ヘッドホンとの相性」「同時可能接続数」があります。
これらを確認せずに購入してしまうと、実際にペアリングできたとしても製品同士でBluetooth通信の互換性がなく「音が出ない?」ですとか「音質(ノイズ)が出る!」などと悲しい事態になる可能性があります。そうならないためにも、次のポイントをご参考になさってください。
Bluetoothのバージョン
Bluetoothの規格にはいくつかのバージョンが存在します。音質やデータ転送速度、消費電力や到達距離、更にはセキュリティーなど非常に重要なファクターが更新されています。
重要なポイントとして、バージョンが違っても互換性があります。しかし、基本的にペアリングした2つの機器のバージョンの低い方に合わせ、Bluetooth通信が行われます。オーディオトランスミッターだけでなくペアリングの相手となるBluetoothオーディオ類のバージョンも確認しておくと良いでしょう。
以下に現在普及しているバージョンについてご説明します。
・Bluetooth 3.0
通信最大速度24Mbpsに向上した通信方式HS(High Speed)が追加されました。電力管理が強化されているので消費電力を抑えます。
・Bluetooth 4.0
通信最大速度1Mbpsです。この4.0以上が現在一般的なバージョンです。大幅に省電力化された Bluetooth Low Energy (LE)が追加されました。残念ながら、LEでの通信は3.0以前のバージョンと互換性がありませんのでご注意ください。
・Bluetooth 4.2
現在の主流Bluetooth。4.0より省電力化が進みました。 さらに従来から10倍のパケットサイズに対応したことで、データ転送速度が最大2.5倍に向上しています。オーディオトランスミッターを購入する際は4.2以上が推奨です。
・Bluetooth 5.0
現在の最新バージョンです。最大通信速度は4.2の実に2倍になり、最大通信距離が400mまで対応しています。
以上がBluetoothバージョンです。現在、市場に出回っている商品は4.0~4.2が多いと思います。気にしておきたいこととして、 普及が始まった1.1を始めとした3.0までのバージョンと4.0以上のバージョンとでは互換性がありません。この問題について、Bluetoothは複数の通信が可能のため、 どちらも対応できるようほとんどの製品が実装されています。
製品のBluetoothのロゴを見て「Bluetooth SMART READY」と記載があれば、下位のバージョンになってしまいますが通信可能です。商品を買う上で、今後は4. 0以上の製品に開発が進むと思います。現在最新5. 0以上のバージョンも更新されるでしょう。
新しいBluetoothオーディオトランスミッターを購入して も、古いバージョンでは使用できなくなる可能性があります。そのため、最低でも4.0以上をラインに検討しましょう。
コーデックをチェック
音楽データをアナログからデジタルへ変換するときの圧縮方式をコーデックとよびます 。Bluetoothオーディオトランスミッターを使用する際は、 音楽データを聴くことが一般的と思います。
ですが、 送受信側の両方で「同じコーデック」を持っていないと使えません。 ヘッドホンのスペックが良くても、 実際に通信で送る音楽データは劣化してしまいますので、 レシーバー側に合わせた正しい選択をしましょう。
主なコーデックは「SBC」「AAC」「apt-X」「 LDAC」があり、それぞれについてご説明します。
SBC
安価でコストパフォーマンスが非常に良いので「 とりあえず試してみたい!」「安さ重視」「良いスピーカー、 ヘッドホンを持ってない」という方にはお薦めです。
SBCはBluetoothにて音データを扱う製品なら、 必ず実装されているコーデックです。 そのため非常に汎用性が高く、 あらゆる製品の対応が可能になっています。
ただし、他のコーデックより高圧縮な設定されているため、 消えてしまう音が多めです。 動画を見ている場合は致命的な音の遅延も発生してしまうことがあ ります。 上質な音を楽しみたい方は他のコーデックをおすすめします。
AAC
iOSデバイスで使われている優秀なコーデックです。音の圧縮率はSBCと殆ど変わりませんが、 AACは音楽データの送信タイムラグがほとんど発生しません。
優れた圧縮方式のため、 SBCが苦手な高温域の音も安定して聴くことが出来ます。また音の遅延に関しても、 高圧縮で音データを送信しているので極めて少なくなります。 SBCでは気になったノイズもかなりカット。 動画を見る方におすすめのコーデックです。
apt-X
apt-XはAndroidデバイスで使われるコーデックです。優秀なAACと同じく高温域が消えることがありませんし、音声データの遅延もほとんどありません。
圧縮率がSBCと比べて非常に少なく音が消えないため、CD音源に近い音楽を聴くことが出来ます。優れたコーデックで高音質の音楽を楽しみたい方におすすめします。
更に上位版として「apt-X HD」「apt-X LL」というコーデックがあります。 「apt-X HD」 音に強いこだわりがある方には、こちらがお薦めです! 「apt-X LL」 は動画に対応した低遅延のコーデック。テレビを見ることを目的としてる方に最もおすすめのコーデックです。
LDAC
ソニーが独自に開発した音楽特化のコーデックです。 上記でご紹介したコーデックと比較してもapt-X HDとほぼ同格の優秀な圧縮方式となります。
非常に優秀なアンプ・ スピーカーをお持ちで、 Bluetooth送受信ともソニー製品で合わせられる方は特におすすめです。
コーデックについてご理解いただけたでしょうか?皆様がお使いになる機種がどれに対応しているか、 ご確認いただき商品を選んでみましょう。
送信距離をチェック
Bluetoothの製品は2018年現在、 通信距離によって3種類の区分けが存在します。 機器の電波強度を表し「Class」と呼ばれます。 Classは現在1から3まで規定されています。
最も一般的で世に多く使われているのはClass2です。 個人的に使う場合はほとんどClass2の範囲で使用可能だと思 います。Class3の機器はかなり少ないため、 購入の際は確認しましょう。
ただし、気をつけたいことが2点あります。
まずひとつめ。Class1は規定上100mとなっていますが、この規定は電波強度を指しており、必ずしも有効範囲が100mであることを保証しません。
例えば100mWも50mWもClass1に分類されます。ここで重要となるのが「機器固有の最大出力」です。例えばTVから出力するのであれば、何メートル離れたところまで使う予定なのか?を予め確認しておき、何mWまでの出力ができる商品が必要なのか目安にしましょう。
また、無線通信範囲で通信の混線(Wi-Fiなど)や物理的障害物(家具やドア等)の多さ、電子レンジなどとの併用で通信の遅延が起こります。
使いたい用途と使用環境を可能な限り確認して購入しましょう。
もう一つはペアリングするBluetooth機器のClassが合っているかです。実はClassが違っても通信は可能です。ですが、通信の時には送受信で電波強度の低いClassになってしまうため、強いClassの性能が無駄になってしまいます。両方のBluetooth機器のClassもきちんと確認しておくと良いでしょう。
ヘッドホンとの相性をチェック
メーカーや製品によっては相性が悪く、ペアリングできても音質が悪い、ノイズが入るなどのトラブルを起こす可能性があります。不安な方は買う前にメーカーさんに問い合わせてみると良いでしょう。
同時接続可能数をチェック
一般的なBluetooth規格としては同時に7台接続(マルチペアリング)可能となっています。最新の製品では8~9台に対応した機種も数は非常に少ないですが販売されています。
ここでポイントは、ペアリングが可能な最大台数です。製品の同時使用とイコールではありません。つまり同時に使えないパターンが存在します。それはペアリングしたプロファイル(用途によって使い分けられるBluetooth通信方式)が同じであること。
プロファイルは役割によって数多く存在します。ペアリングした製品は役割に応じて決められたプロファイルを使用します。使えるプロファイルは基本1台対1台の関係となります。
今回のお話ではオーディオ専用になりますので同じ役割(使用されるプロファイルも一緒)になります。ペアリングした製品の使い方が全く同じ場合の同時接続は、基本的に1台しか使えません。
ただし、現在は2台同時使用が可能な商品も販売されているようです。「マルチポイント」という機能です。一つのプロファイルを使用して複数台へ接続が可能です。
例としてテレビをイヤホンで見ながら夫婦・恋人で楽しむ(深夜・子供が寝たあと等)。そのような用途を検討している場合はメーカーさんのHPなどでマルチポイント機能対応かどうかも確認(音が劣化するか等のデメリット含め)してみましょう。
【おすすめ】BluetoothオーディオトランスミッターおすすめランキングTOP5
第5位 Anker Soundsync Bluetoothレシーバー
Bluetoothバージョン | 5.0 |
---|---|
通信可能距離 | 約9m |
同時可能接続数 | 2台 |
コーデック | ー |
まず5位はAnkerのBluetoothレシーバー。Bluetoothが5.0に対応しており、通信速度や質にこだわる方におすすめです。反面コーデックの対応については明記がありません。AACは可能とのことですが、利用者が試した結果なので確実ではない点に注意しましょう。
一方トランスミッター・レシーバーの中ではかなり小型な商品でもあり、車内などスペースが限られた場所でも使いやすいメリットを持っています。
第4位 サンワダイレクト Bluetooth トランスミッター 400-BTAD005
出典: Amazon.co.jp
Bluetoothバージョン | 4.0 |
---|---|
通信可能距離 | 約10m |
同時可能接続数 | 1台 |
コーデック | SBC、apt-X、apt-X Low Latency |
4位はサンワダイレクトのBluetoothトランスミッター。5位に比べるとBluetoothが4.0と古いタイプ、同時接続が1台きりというデメリットがある一方、コーデックがSBCとapt-X2種類の合計3タイプから選べます。
Bluetoothが使えないと言うほど古くありませんし、同時接続にこだわりがないならおすすめです。少し前の機種だけに、価格が控えめでもあり、初めての方やお試しとして使いたい方に向いています。
第3位 サンワダイレクト Bluetoothオーディオトランスミッター&レシーバー 400-BTAD006
出典: Amazon.co.jp
Bluetoothバージョン | 4.1 |
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通信可能距離 | 約10m |
同時可能接続数 | 2台 |
コーデック | SBC、apt-X、apt-X Low Latency |
3位もサンワダイレクトのBluetoothトランスミッター。こちらはレシーバーとしての機能も備えているほか、同時接続が2台まで対応。またBluetoothも4.1と4位より新しいです。機能が増えても手のひらに収まる小型さは変わらず、18gの軽さも魅力。
ちなみにコーデックは4位と同じくSBC、apt-X、apt-X Low Latencyの3種類ありますが、2台同時接続を行う際は自動的にSBCとなります。
第2位 エレコム Bluetoothオーディオレシーバー LBT-AVWAR501XBK
出典: Amazon.co.jp
Bluetoothバージョン | 5.0 |
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通信可能距離 | 約20m |
同時可能接続数 | 登録可能数8台 |
コーデック | SBC、AAC |
2位はエレコムのレシーバー。Bluetoothが最新の5.0であり、コーデックが複数対応しています。また通信可能範囲はおよそ20mとランキング中最長。レシーバーの設置場所と接続機器との間で距離が必要な場合に重宝します。
やや値段は高いですが、接続時に常時電力供給を受けられるタイプで、充電の手間が省けるのも魅力的です。
第1位 Anker Soundsync Bluetooth トランスミッター レシーバー
出典: Amazon.co.jp
Bluetoothバージョン | 5.0 |
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通信可能距離 | 10m |
同時可能接続数 | 2台 |
コーデック | aptxHD aptx Low Latency aptx SBC(レシーバーモードのみAACも追加) |
1位はAnkerのトランスミッター&レシーバーをチョイス。Bluetoothのバージョン、コーデックの対応種類数など2位以下を上回る機能性を持ち、なおかつコスパが良い商品です。多用なケーブルが同梱されており、接続機器の互換性も高く、様々な機器で活躍してくれます。
通信可能距離や同時接続なども2位以下と同じで、比較においてデメリットと言える部分がありません。迷ったらこちらのBluetoothトランスミッターから始めてみてはいかがでしょう。
【おすすめ】Bluetoothオーディオトランスミッターの比較表はこちら!
商品画像 |
No.1
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No.2
|
No.3
|
No.4
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No.5
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商品名 | Anker Soundsync Bluetooth トランスミッター レシーバー | エレコム Bluetoothオーディオレシーバー LBT-AVWAR501XBK | サンワダイレクト Bluetoothオーディオトランスミッター&レシーバー 400-BTAD006 | サンワダイレクト Bluetooth トランスミッター 400-BTAD005 | Anker Soundsync Bluetoothレシーバー |
Bluetoothバージョン | 5.0 | 5.0 | 4.1 | 4.0 | 5.0 |
通信可能距離 | 10m | 約20m | 約10m | 約10m | 約9m |
同時可能接続数 | 2台 | 登録可能数8台 | 2台 | 1台 | 2台 |
コーデック | aptxHD aptx Low Latency aptx SBC(レシーバーモードのみAACも追加) | SBC、AAC | SBC、apt-X、apt-X Low Latency | SBC、apt-X、apt-X Low Latency | ー |
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Bluetoothオーディオトランスミッターの売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、Bluetoothオーディオトランスミッターの売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
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Bluetoothオーディオトランスミッターで快適な生活に!
古いウォークマンなどをお持ちの方、TVの音を無線ヘッドホンやイヤホンで聞きながら家事をされたい方はぜひ、BluetoothオーディオトランスミッターでBluetoothを使いこなしてみませんか?