パソコンの普及などで近年は特に大人を中心に文字を手書きすることも少なくなったと言われて久しい昨今、「万年筆というとボールペン以上に使わない」と思われている方もおありかと思いますが、ところがどっこいです。
その独特の滑るような書き味、味わい深いインクの濃淡、国内外数々のメーカーから発売され、美しい軸(万年筆本体)との無限の組み合わせで「沼」とも称される数多の美しいインクたち…!あなたの知らない間にも、年齢を問わず万年筆愛好家は増えているのです!
かくいう私も万年筆を愛好しておりましてですね、あれよあれよと半年で10本近くに増えました(笑)
最初はふいの事故(墜落)やインク漏れなどが心配で、家でのみ手帳に記入したりメモ書きしたりという風に使っていたのですけど…だんだんと持って出て、外でも使いたくなったんです。
同好の方ならお解りでしょうが、まぁ、ごく自然な成り行きですよね!
今回は同様の道を来ている方中心にオススメをご紹介を致していきたいと思います!
さて、持って出るのに「普通の箱型のペンケースではカラカラしちゃうし…」と何かケースを購入しよういうことになり、下調べしたところタイプは以下の主に5種類でした。
目次
【万年筆用ペンケースの種類は主に5種類!】
フラップタイプ
主に革や布で作られていて、収納本数は1~3本くらいのものが多い。キャップの頭(天冠)をフラップが覆うので保護される範囲も広い。
ロールタイプ
こちらも革や布(帆布)で作られたものが多く、紐の付いた長方形の革(布)の本体の内側に設けられたポケットや平ゴムにペンを差して固定、フラップをかぶせて(ついていない場合もある)海苔巻きのように、巻いて紐で止めるという方式。
作りから言って横からかかる圧力にはペンが束になって受ける形にはなるものの、10本以上の本数の持ち運びが可能。
出先でクレジット決済のレシートにサインだとか、ちょちょっと使いたい時などにカバンからこれを取り出して海苔巻きを開帳して…とやると、ドン引きされるかもしれない(笑)
ジッパータイプ
本体の外周をジッパーで閉められるようになっている完全防備タイプ。
特に固定が出来るようになっていないポーチタイプのほか、普通の二つ折りの革や布(この場合は板芯ありの場合が多い)の本体内側にポケットや平ゴム等で固定できるようになっている。
これも、基本は2~3本までのものが主流。中には大型のタイプでは二つ折りの本体の左右両方の内側にペンを差せるようになっており、合計で10本以上の収納を可能にしたものもある。
ただ、機能的だけども万年筆自体の長さとケース自体の長さが合わないという場合があるのに注意。あとジッパー部との接触による傷にも注意。
ペンシース
革、あるいは布。
糸で筒状に縫い合わせた最も簡易的な作り。出し入れが簡単で個人的には一番使い勝手が良いと思っているタイプ。
1~5本くらいまでの物が多いような感じ。
ハードケース
木や竹、或いは革で箱型に作られているもの。
傷については収納形態にもよるけれど、圧力には強く、ジッパー式の更に上を行く保護性能を期待でき、一番安全に持ち運べるかと思われる。
ただ、本数が多いほど箱が大型になるためか、持ち歩き用にはあまり対応本数の多いものは出ていない様子。
【ケースタイプ×素材】
万年筆の素材としては摩擦による傷やを防ぐためにかあまり固い素材は使われていないようです。
革
染め、型押し等の加工の他、ペンと共に使いこんでの良さが出るようにとヌメ革の場合も。
手触りもよく、厚みのあるものを使っている事が多いので安心感があるものが多い。ほぼ全タイプのケースに見られる。
布
ナイロン生地から綿、麻、人工スエードまでいろいろ。この辺りは好みで。ロール式以外は、強度に注意して選びたいところ。
ポーチ型など安めも出ているタイプもありますが、価格としては(ボールペン、シャープペンを入れるようなものと比べると)全体的に1000円以下というのはあまりなく、単純に「ペンケースに5000円かぁ…」と考えると少し高く感じるかもしれませんが、革がつかわれていたりと素材のことを考えるとまぁ納得です。
実用品ではあるものの、万年筆は軸やその佇まいを愛でるという側面もありますのでね。
次はシーン別にご紹介したいと思います。
【コスパで言ったら…】
厳密には万年筆専用ではないものの、スリムですし、一応自立するだけの強度があります。色もきれいだし。カートリッジ式万年筆だったらスペアのインクが入っていいかもしれません。
コクヨ 超スリム 立てて使えるペンケース ミニ
出典: Amazon.co.jp
【万年筆と揃えたい】
メーカーの純正ペンケースであれば、自社の製品を入れるように作られているのでまず間違いないですね!
ペリカン レザーペンケース 2本用 ブラック/ブルー、ブラック/グリーン
出典: Amazon.co.jp
単色のデザインも多い中、ちょっと珍しいかもしれませんね。
モンブラン ペンポーチ 30301
出典: Amazon.co.jp
「万年筆といえばモンブラン」というほどの知名度を誇るモンブラン社ですが、不朽の名作149モデルは実は同社他モデルや他社の物に比べて大型で同軸自体も太く、ケースも太さは対応できても長さ的にフラップタイプでないと入らない事があります。
こちらも同じモンブラン製のフラップタイブのケースであれは安心です!
【究極のお勧め】
多分大きさから言ってこれ以上のはないと思います。
ちょっとくらいくらい踏んづけちゃったり落っことしても大丈夫なハードケースタイプ。
シックかつ、しっかりしたつくりで中身も2本独立して入れられるようになっており互いに干渉しない。中身の万年筆を守りつつ、カバンに一緒に入っている他の品物も傷つけにくいデザイン!
問題があるとしたら、入れられるのが2本のみなので、その2本を選定できるかどうかでしょう(笑)
ペリカンレザーペンケースPB-1
出典: Amazon.co.jp
【お留守番組にも…】
なお、選抜から漏れたお留守番組にはこちら!
豊岡クラフト 万年筆箱
出典: Amazon.co.jp
【番外編】
ちなみ私が使ってるのはこちら。
NAGASAWA PenStyle 1本差し キップレザー ペンケース
出典: Amazon.co.jp
神戸のご当地インクで有名なナガサワ文具センターさんのオリジナル商品です。
とても柔らかい革で作られていて、見た目も安っぽくなく丁寧な縫製で質もよいです。
下の方にさりげなく、鍵のマークが型押しされていて、中はワイン色の㈱東レの開発した素材エクセーヌ。
私の場合、あくまで気軽に持ち出せてさっと使える取り回しの良さを重視していたので、フラップ式ですら煩わしさがあると感じていました。
そして、そう何本も持ち歩く必要もないと考えているのでせいぜい収納も2~3本まで。
カバンにペンがさせるような幅の内ポケットがあったこともあり、「傷がつかなければいい」というのがスタンスです。
確かに万年筆を始めた理由の一つに軸の美しさに魅せられたというのはあるのですが、やっぱり実用品として身近で気軽かつ身軽に使いたかったんです。
ジャケットの内ポケットから愛用のマイペン(万年筆じゃない事の方が多いけど)を出してさらさらと書くような人(男性が多いかな)ってケース使わないじゃないですか。
女性の場合はスタイル的にあまりジャケットの内ポケットから~って感じじゃないので、結果、私が選んだのは板芯もない1本刺しのシースです。
なお、奥に写ってるのが、メインで使ってる万年筆、ペリカンのスーベレーン M605マリーンブルーです。
出典: Amazon.co.jp
ペリカンのスーベレーンは書きやすさから人気があるシリーズですが、限定品に素晴らしく惹かれるものが多くて、発売の度にお財布がピンチになり悶絶します(笑)
で、こちらに、同社のインクシリーズ、エーデルシュタインのサファイアを入れています。
という事で…
【万年筆を持って出かけよう~オススメ5選~】
PILOT×SOMESレザーコレクション ペンシース1本差
出典: Amazon.co.jp
凄いよ、日本のモノづくり!を感じられる商品だと思います。国産万年筆三大メーカーのひとつ、パイロットが同じく国内唯一の馬具(馬の鞍とか手綱などのこと)メーカー、ソメスサドルとのコラボ商品です。
カバンなども作っているのでご存じの方もおありかもですが、宮内庁の馬具御用達とのことなのでそのクオリティは推して知るべし!です。
外は牛革、内側はスウェード張りだそう。派手でなくとも質のいい良いものを持ちたい方に。
プラチナ万年筆 1本用ペンケース 筆衣 ふでごろも
出典: Amazon.co.jp
和風布が他とは一線を画しているシリーズ。布製の袋の口を二つ折りにしてひもでとめるという、懐刀のような風情です。
和風の他にデニム地もラインナップされており、ちょっと違ったものを持ちたい方にいいかもしれません。
NAGASAWA beside ペンシース
出典: Amazon.co.jp
こちらも(愛用品で上げた)神戸のナガサワ文具センターさんのオリジナル商品です。
㈱東レのエクセーヌを使用、ナガサワ文具さんのヒット商品、神戸の街をイメージしたご当地インクのカラーをピックアップして再現しています。
実は「元町ルージュ」は私も持ってますけど、besideシリーズに起用されてる色はどれも鮮やかだけどあまりない、ちょっと目を引く素敵な色ばかりです。
インク沼にはまっちゃってるような方にはオススメされなくとも吸い寄せられる商品だと思います(笑)
ロールペンケース 栃木レザー 本革 万年筆
出典: Amazon.co.jp
ソメスコラボにはロールがなかったのでロールペンケースならこちらはいかがでしょう?
革には国内最高峰の皮革製造メーカー「栃木レザー」の手にしっとりと吸い付くような手触りのオイルヌメ牛革を使用。
カラーも男女問わない3色展開。収納もスリムタイプ3本、スタンダードタイプ2本に対応した5本差しです。
デルフォニックス ロールペンケース
出典: Amazon.co.jp
革は高いから…って方にはこちら!万年筆専用ではないと思いますが、一目見たときからこれは私も欲しいと思ってました!
なんだかおしゃれでカラーも8色展開。万年筆以外にもカートリッジやポケットに合うサイズにカットしたら吸い取り紙までいろいろ入れられそうです!
まとめ
…という訳で、素材とタイプの組み合わせ、加えてのデザイン。ペンケースも万年筆の世界を楽しくしてくれるツールの一つだとおもいます。
お気に入りの1本に合うケースをお探しの方にはぴったりのペンケースが見つかりますように!
そして、万年筆ユーザー以外の方もこの記事が万年筆という文房具の事を思い出すきっかけになれば嬉しいです。