演奏家に必要なアイテム、楽器の他にもピアノ、フルート、ヴァイオリン、クラリネット、トランペット、声楽、、どんな楽器でも、練習に必要なもの。それは「楽器」はもちろん、正しいテンポを教えてくれる「メトロノーム」、正しい音程を教えてくれる「チューナー」。必需品ですよね。
曲のテンポの速度を知ることは大前提として、吹奏楽、オーケストラ等、大人数であわせる場面はもちろん、ソロや個人練の大事な大事な相棒となります!
私自身も、フルートを始めたきっかけとなった小学校でのスクールバンドへの加入、中学では名門吹奏楽部へ、高校では専門的に音楽科、大学は音大へ、卒業後は音楽事務所に、プロのフルート奏者となりました。フルートこの道20年!その傍らにはいつも、メトロノーム君がいてくれました。
今回はそんな私が、メトロノームを紹介させていただきます。
目次
メトロノームの使い方
まず、使い方をご紹介いたします。
時計の針が1分に60回、カチ・カチ・・と動きます。この速さがテンポ60です。メトロノームを使い、テンポを上げていく(=数を増やしていくと)早くなっていきます。反対に、テンポを下げると(=数を減らしていくと)ゆっくりとなります。
使用の例をあげると、好きなように「ドレミファ・・・」と弾くのではなく、メトロノームが打つ、カチ・カチ・・にあわせて、始めはゆっくりから、キレイに弾ける様になったらだんだんと早いテンポにしていくと、最終的には粒の揃った音を目指すことが出来ます。
途中で指が転んでしまったり躓いたらダメ!自分に厳しく、続けることが上達への近道になります!
これは曲の中の、細かく難しい部分にも応用が出来ます。ゆっくりのテンポからじっくり粒を揃えて何日も何日もコツコツ続けることでアラ不思議!いつの間にかサララ~と指が回るようになるのです!
メトロノームの種類
メトロノームには、大きく2つの種類があります。
機械式メトロノーム
メトロノームと言うと、三角形で振り子が右に左にカチカチ・・・と振れる、こちらを思い出す方が多いのではないでしょうか。ネジ巻き式とアナログで、拍頭をチン♪とベルが知らせてくれる、もっともスタンダードなこの機械式。
1816年に生まれ、一番最初に使用したのはベートーヴェンだとか。テンポを目でみてとりやすく、振動でも感じ取ることが出来る為、きっと晩年の耳が不自由になってしまったベートーヴェンにも役にたったのでしょうね。
速度を、重りの位置で変える際、Allegroやprestoなど、速度表記も覚えることが出来ます。しかし、シンプルな構造のため、振り子が狂い易く、劣化してしまうことが難点です。
自宅やお教室など、なるべく持ち運びが無い演奏環境にオススメなのがこの機械式メトロノーム。1日の練習の終りには、ネジを巻いた分完全に鳴らしきってから保管をすると長持ちします。
使用中にももちろん、鳴り終わる時があります。私の先輩は、「メトロノームにご飯あげよう」とネジを回していました。可愛い発想で今も覚えています。
持ち出しの可能性の低い、自宅や教室、練習場所、などにオススメ。落下などの衝撃が、一番の大敵です。
ピアノなど音量の大きいものにも負けず、目でテンポを比較的確認しやすいため、吹奏楽部のパート練習でも活躍します。中学時代、フルートパートでは「メトロノーム先生!」とお呼びしていました。笑
電気を使わないアナログ構造で、見た目にも美しく、時代を長く愛用されています。
電子式メトロノーム
テンポの狂いなく、多くが電池などの電気で使用する電子メトロノームは、音の高低で拍頭を教えてくれます。吹奏楽部の頃はこのメトロノームを一人一つ持っていて、個人練習でピッピッピッピとそれぞれ思い思いのテンポで練習していました。
魅力の1つとして、音量の調節が出来ること。お家で静かに運指の練習をするときは控えめに、大人数の中練習しなければならないときは大音量で、テンポを知ることが出来ます。
1日に何時間も使用する方には電池切れが唯一の弱点!予備電池が必要です。(一部アダプターを接続できるものもあります。)
小さくて便利なキーホルダー式、楽譜などとまとめて持ちやすいカード式、特に人気なのは可愛いクリップ式です。吹奏楽やオケなどいろ色な音が大音量で入り混じる場において楽譜や襟元、人によっては耳に挟んで使用できる優れものです。
持ち運びが簡単ですが、かばんの中でリセットボタンが押されてしまって「ピーーーーーー」と鳴って慌てるという話はもはや吹奏楽あるあるです。
ライブシーンでよく使われるのは?体感型メトロノーム
テンポを振動で伝えるメトロノームも多数。足に巻きつけたり二の腕に巻きつけたり、腕時計型などのウェラブルなものや見た目がお洒落なものが多いです。ライブシーンで、観客の歓声やスピーカーでもはや自分の音もどこー!?という場でもビートを体感できるアイテム。スマホで連動して共有も出来ます。
余談ですが友人の知り合いは、パチンコにこの体感型メトロノームを使用していたとか・・・どうやって使うんでしょうね?
楽器のタイプ別、おすすめメトロノーム
ピアノ
グランドピアノ、アップライトピアノの場合は、ピアノそのものに安定して平らな部分に置く事ができる為、置き方のタイプがオススメです。ピアノの音に負けない、大音量タイプを選びましょう。
ピアノ向けのメトロノームはコレ!
NEUMA メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
シンプルな”ピアノブラック”
やはりピアノには、演奏の傍に置いていてマッチする、モノトーンがおすすめです。
大音量でハノンやリズム練習が捗ります・・・!
ギター
ギターの練習でメトロノーム?と思われる方もいるかもしれませんが、基礎があっての自由な表現ができるというものです!
是非メトロノームでテンポ乱れのない演奏法を身につけましょう。ギターは演奏前にチューニングを行いますので、チューナー一体型の電子メトロノームがオススメです。
ギター向けのメトロノームはコレ!
KORG メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
置き場所がなくても大丈夫。
ギターネックや譜面台などに挟んで使用できるので、安定しておくスペースがなくとも大丈夫。スタジオやカラオケで練習!という時にも一緒に持って行きやすい小型サイズ。チューナー機能も、安心信頼のKORGです。
ドラム
チームの基準となるリズム、テンポを刻むのですから 、吹奏楽やオーケストラの練習、またはバンドドラムの練習にメトロノームはかかせません。
ドラムは音が大きいので大きな音の出る置き方でも聴こえにくく、安定して置ける場所の確保も難しい場合が多いので、クリップ型の電子メトロノームがおすすめです。プロの奏者も楽譜や服の襟、自分の耳、につけて練習しているかたが多いようです。
ドラム向けのメトロノームはコレ!
KORG メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
リズム感を鍛える!ゲーム的にトレーニング
豊富なリズムパターン、大音量設計も魅力ですが、正しいテンポ感を身につけられる「測定機能」が新しい!ぼーっとしてしまいがちの毎日の基礎練習の時間に、ゲーム感覚でパワーアップが叶います。
声で励ましてくれるモードもあり。目指せ太鼓の達人!
吹奏楽・弦楽器
学校の部活やサークル、その他楽団で使うなら、楽器ごとに置き方メトロノームを用意し、パート練習、セクション練習の際には使用したいですね。視覚的にもテンポが分かり、”全員であわせる”という事が体感しやすくなります。
個人練習の時にはやはりまわりの練習の音がある場面が多いので、クリップ型の電子メトロノームを楽譜、襟、耳につけるとよく聞こえます。静かな場所、安定しておける場所があればチューナーと一体型の電子メトロノームでも良いでしょう。
吹奏楽・弦楽器向けのメトロノームはコレ!
SEIKO メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
巻き不要!タクト棒で視覚的にもテンポをキープ
ACアダプターに接続し、巻き上げ不要の置き型メトロノーム。カラフルで見やすくしたタクト延長棒は、合奏中、クリック音が聞こえなくても視覚的にテンポを確認できます。
電池でも可動するので、コンセントのないリハーサル室などにも持っていけます。
価格帯別 メトロノームの機能
現在一般的に使用されている、楽器屋さんで購入出来るメトロノームは、安いもので1000円代~4000円代です。最近の電子型はとても高機能なもので、しかもこの価格帯で手に入ります。形状の差やデザインの好みで選んで良いかなと思います。
一方、置き方のメトロノームは上を見れば見るほど高額なものが。例をあげてみましょう。
ニッコー メトロノーム 木製ミニ
出典: Amazon.co.jp
コンパクトな置き方。プラスチックなどのほかの素材に比べ2.3千円値がはりますが、木製ならではの特性や見た目の美しさで人気があるようです。
ウィットナー 木製メトロノーム 最高級ウォルナット
出典: Amazon.co.jp
最高級のウォルナットで作られるドイツのウィットナー社のメトロノーム。塗り加工が選べるので、お部屋の雰囲気にあわせられます。確かな技術と見た目の美しさは、もはやインテリアとしても楽しめます。
【機械式】メトロノームのおすすめ3選
スタンダードな置き型、また持ち運び便利なもの、ちょっと嬉しいプラスアルファ機能付きからデザインの可愛さまで。
これから購入される方や買い替えをお考えの方へ、おすすめのメトロノームを、場面別に少しマニアックな目線でご紹介します。
YAMAHA メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:MP-90IV
- カラー:アイボリー
- テンポ:40-208/min、 39ステップ
- 拍子:拍子ベル有り、0、2、3、4、6拍子
- 特徴:ネジ巻きツマミ
YAMAHAのベーシックな置き方メトロノームは永く愛されている基本中の基本。シンプルで美しいのでインテリアの邪魔にもなりません。操作が簡単なのでお子様の練習にもおすすめです。
SEIKO メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:SPM320BK
- カラーバリエーション:7色展開
- カラー:ノアールブラック
- サイズ:114(W)×202(H)×119(D)mm
- 重量:398g
- テンポ:40~208回/分(39ステップ固定)
- ビート:0,2,3,4,6 拍子
こちらはSEIKO(セイコー)の置き型メトロノーム。大きさは他の置き型と変わりませんが、カチカチの音が少し大きいことで有名です。吹奏楽やオーケストラのパート練習や、アンサンブル練習にもオススメです。
丸みのあるフォルムが可愛らしいと人気があります。黒はペンギンのような見た目がキュートですね♪
SEIKO 振り子メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:SPM400B
- カラー:ブラック
- サイズ:87(W)×201(H)×110(D)mm
- 重量:415g
- テンポ:40~208回/分(39ステップ固定)
- ビート:0,2,3,4,6 拍子
楽器に譜面台、鉛筆にクロス・・・練習前の移動は荷物が多い!そんな悩みの為に、メトロノームが画期的に進化しました。・・・ストラップが付いたんです!「その手があったか!」目からうろこのアイディア商品ですね。
学校やお教室など、移動をしてのレッスンをする先生にも人気です。
【電子式】メトロノームのおすすめ6選
SEIKO クオーツメトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:SQ50-V
- 寸法:67(W)×95(H)×32(D)mm
- 重量:約140g(9V電池含む)
- テンポ:40~208拍/分(39ステップ)
- 基準音発振:A4(440Hz)、B♭4(466.1Hz)
- 電池:1 9V 電池(付属)
メトロノーム特有のコツコツ・・・チーン!が苦手な方にオススメ。直感的に操作できるダイヤル式は、女性や大人の方にも人気です。スピーカーにつなぐと更に音量を出すことも出来ます。
YAMAHA 電子メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:ME-55BE Pink
- 電池:1 Lithium Metal 電池(付属)
- 特徴:クリップ式。ダイヤル式調節
吹奏楽部で使用率の高い、のクリップ式。襟元や耳に直接挟めるくらいの軽量型です。私が中学生の頃は無かった、AとB♭を鳴らしてくれる機能が付いたようです。使用していないときは時計がわりにも。
全部の電子メトロノームに言えることですが、充電式になったらもっと嬉しいんだけどなー。(一部アダプターに接続できるものもあります)
KORG チューナー・メトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:KOR TM40
- カラー:シルバー
- サイズ:15.748 X 8.636 X 3.556
- 電池:2 AAA 電池(付属)
- 特徴:メモリー・バックアップ機能搭載
私自身は音高以降はこのチューナーとメトロノームの一体型を使用しています。メトロノームとしてもリズムの豊富さやチューナーと同時に使用できるため、より質の高い練習にもつながります。
スピーカーやイヤホンに繋いでも使用可能です。ボタンを全部押すと全点灯する遊びを、大人になってもたまにしてしまいます。
YAMAHA チューナーメトロノーム
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:TDM-75DMN3
- カラー:ブラック
- 電池:2 C 電池(付属)
- テンポ :30~252(1ステップ、振り子メトロノームの目盛毎にも設定可能)
- 特徴:ボリューム無段階調節(ダイヤル式)、オートパワーオフ機能搭載
上の商品の最新版。液晶モニターにバックライト機能が付き、もちろんライトのみでのON ・OFFが可能。ステージ袖の暗がりでテンポの確認や、暗転のままのチューニングでの、強い味方になりますね!
そして何と言ってもキャラクターのデザインコラボが凄い!ミッキーやプーさんなどのディズニーと、キティちゃんやシナモンなどのサンリオ。色も様々あり、カラフルで可愛いデザインが選び放題です。
羨ましい・・・もう自分でシールでデコる時代は終わったんですね。笑
SEIKO メトロノーム・チューナー・ストップウォッチ
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:STH100RKY
- カラー:パステルイエロー
- 電池:2 AAA 電池(付属)
- メトロノームテンポ:30~250拍/分
- チューナー基準ピッチ:A=410~450Hz
- ストップウォッチ最大測定時間:1時間59分59秒
- 電源:単四乾電池×2本(3V)
- 端子:インプットジャック(6mm)/イヤホンジャック(3.5mm)
こちらはメトロノーム・チューナー・そしてなんとストップウォッチが付いたもの!ストップウォッチはどんな時に使うのでしょうか・・・使い方次第では、より効率的な練習が出来そうですね。
少し大きめで存在感のあるかわいらしいデザインは、自宅での練習も楽しくしてくれそうですね。
KORG Humidi-Beat
出典: Amazon.co.jp
- メーカー型番:HB-1J-WH
- カラー:ホワイト
- 特徴:温度・湿度計、メモリー・バックアップ機能、オート・パワー・オフ機能、時計
こちらは温度&湿度計が付いたかなりコンパクトなキーホルダータイプ。楽器はデリケートなので、湿度と温度の管理が永く愛用するためには必要です。
特に木でできている楽器(クラリネットやヴァイオリンなど)は、寒暖差や湿度によって、実は割れてしまうことが珍しくありません。
私も中学時代、夏の合宿で涼しい山の上に行った際、ピッコロの頭部管が一筋割れてしまったことがあります。。テープで応急処置をしましたがかなりショックでした。。。
ヴァイオリンなど、楽器によってはケースの中に入れられるスペースがありますので、環境が大きく変化するような時に簡単にチェックできる、便利なアイディア商品ですね。
メトロノームの売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、メトロノームの売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
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メトロノームでスキルアップ!
メトロノーム一つとっても、年々進化している音楽小物。私が吹奏楽部だった頃よりもたくさんの商品がでていて、特にストップウォッチ機能は、意外と「腹筋」「背筋」「マラソン」「腹式呼吸」などで身体を鍛えている吹奏楽部にとっては使い勝手が良さそう・・・と感心してしまいました。
これから購入される方、買い替えをお考えの皆さんに、参考にしていただけましたら幸いです♪メトロノームで、もっと質の高い練習に挑戦しましょう!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。