万年筆愛好家&インク沼の住民の皆さんこんにちは!そうでない方もこんにちは!
前回軽い気持ちで書き始めた記事が気づいたら【東日本編】【西日本編】の二回になっていました…
でもほんとに万年筆を使ってるとですね、いつの間にかインクって増えていってしまっていませんか!?
メモだとか書き物するときに使えるインクは一度に1色だけだし、(補足とか追記とかしても+1色くらいにしかならない)ゴリゴリ使ってる気になっててもインク補充するほど案外減ってないんですよね…(消費するより買う方が多い…)
きれいな色のインクを見るとすぐ欲しくなってしまうのがいけないんですけど…中でも難敵なのがご当地インクなんですよね…ほんと魔力を持ってると思います(笑)
ご当地インクって?
ご当地インクというのは、各地方の文房具店さんがその地方・地域にゆかりの風物(特有の気象から草花・農産物のような名物、観光地・景勝地、時には偉人など、とにかくその地の特色が伝わるもの)のイメージを独自の調合で制作され、その地方限定で発売している色素以外にも地元愛と情熱も配合されて誕生した【限定】という魔力を持った特別なインク達のことです。
単に「△△堂オリジナルインク ○○○(色名)」と称してる場合もありますが、だいたい地名がついてたりちょっと変わった名前だったりするのでわかるかと思います。
あと、見ているとセーラー万年筆さんのコロンとしたボトルか魔法の薬瓶のような背の高めのボトルのどちらか(どちらも50ml)に独自のラベルが貼られているパターンが多いようですが、(あくまで憶測ですが)ひょっとしたらこれは文房具店さんがセーラーさんにオリジナルインクを発注できるシステムがあったりするのかも…と思っています。
まだまだあるよ!ご当地インク!(西日本編)
近年、増えてきたご当地インクですが、中には数量限定販売の物もあり、完売したものも見受けられたので、前回の【東日本編】に引き続き、今回も「現在も販売を継続していて通販で買えるインク」をご紹介したいと思います。
前回、東西を分けようとなった時に境目をどうするかと考えた際に「にっぽんど真ん中祭り」(通称どまつり)を開催している名古屋のある愛知県からにしようという事にしました(笑)
愛知 三光堂 オリジナルインク 名古屋シリーズ 全16色 50ml
ということで、西日本編はその名古屋からスタートです。個人的な事ですけど、うちの母の実家が名古屋で親戚一同があり、私自身も母の里帰り出産による名古屋市生まれであり幼少期のお盆や連休時の母の帰省、長じてからも名古屋に10年近く住んでいたこともあって、インクに冠された地名にどれも馴染みがあります。地元にゆかりのあるものとしてはなかなか嬉しいものですね、ご当地インク。
でも、意外に落ち着いた色が多い印象ですね。
ポケモンGOが流行った時に名古屋の聖地となった鶴舞公園をモチーフにした鶴舞ブルーが気になります。
(昭和区 鶴舞公園)
岐阜 ディーズ ステーショナリー ぎふ色インク 全5色 各50ml
名古屋のお隣、岐阜にもご当地インクがあります!しかも織田信長モチーフ(信長「緋色の風雲児」)。
案外、歴史上の人物のインクはそんなに多くないので珍しいですよね。色見本を見た感じだと、こちらも結構落ち着いた色合いがそろっている印象です。
(岐阜城)
大阪 ギフショナリー・デルタ 水都 全10色 各50ml
織田信長が農民の倅から取り立てたのが豊臣秀吉。その秀吉の城があるのが大阪。
大阪のご当地インクは意外な名前です。そう言われれば大阪って海に接していて水の街ですよね!大阪市と隣接し、同じ大阪湾を望む16世紀ごろの堺の街を「東洋のベニス」と表した言葉もあるくらいですし。
色見本の感じを見ると和名の美しさも京都に負けていないですが、大阪という街のエネルギーを表したような鮮やかな色合いのものが揃っています。
(水の街 大阪)
京都 TAGステーショナリー 京彩 京の音 全13色 各40ml
これは美しいです…!色もさることながら、「蹴上の桜襲」「大原の餅雪」名前の付け方からもう違います…
雅ですなぁ…ボトルも素敵…個人的には「今様」と「蹴上の桜襲」が気になっています。
買っちゃうかもしれません。
(仁和寺の桜)
兵庫 ナガサワ文具センター 神戸INK物語 全67色(2018年3月末現在) 各50ml
出典: Amazon.co.jp
ブランド | |
---|---|
カテゴリ |
同じく海に接したおしゃれな港の街。東が横浜なら西は神戸。そんな神戸のご当地インクです。
インクを愛するインク沼住民の方の間では「ご当地インク」と言えばわりとすぐに名前が挙がるような有名シリーズじゃないかとは思います。
通常販売品の他にシリーズの中でも数量限定品も存在し、もう手に入らない色もあるというちょっと調べたぐらいでは色数が全何種なのかわからないような、発売している色だけで神戸の地図が出来てしまうほどの圧倒的色数を誇る「ご当地インクの雄」と言っても納得してもらえるのではないかと思えるシリーズです。
こういったインクは、1色ごとに名前の由来となった場所、あるいは山や草花について解説した文章が付いている場合が多いですが、こちらの場合70色近くにそれぞれあるとの事…凄いですよね。
しかも現在進行形で新色が追加発売され続けています…
しかもまだ地図には白い部分がありますし、この分だとまだ当分の間は地図が完成!となる日は来なさそうな印象ですね(笑)
出典: Amazon.co.jp
ブランド | |
---|---|
カテゴリ |
(神戸港マジックアワー)
愛媛 ペンギャラリー報画堂 Souseki
【Souseki】
【別注インク】
さらに西に向かうと瀬戸内海です。瀬戸内海って日本のエーゲ海ですよね…(憧れ)
数年前までは夏になると瀬戸内レモンとかって商品が増えるけど、「東京の人は瀬戸内に夢見すぎなんじゃ…」くらいのことを思ってましたが…すみません!!!!全力でお詫びして訂正します!!!!瀬戸内は素敵なところいっぱいでした!!!!
愛媛と言ったら道後温泉と夏目漱石と坊っちゃん、海としまなみ海道、今治タオル、みかんやいよかん、ポンジュースあたりが上がりますでしょうか。
インクとしてはセンスあふれてます!!!!別注インクのしまなみブルーと石鎚ブルーの美しさたるや…!
石鎚ブルーのような色は初めて見ました。どどめ色というか品のある、内に赤を含んだ深いぶどう色というか… しまなみブルーは吸い込まれるようなコバルトブルーです。ごめんなさい、こんな衝撃を受けた色はご当地インクでは初めてです。
以前、報画堂さんで限定万年筆を買ったことがあるのですが、対応が良かったです。その時はこんなインクがあるとは気づきませんでしたが、この記事書き終わったら買ってきたいと思います(本気)
(夜の道後温泉)
岡山 うさぎや 26色 各50ml
瀬戸内海の対岸の岡山は倉敷のインクです。10色前後のラインナップのお店が多いなか、26色となかなか種類が多いです。
そして、結構明るくて暖かい色のものが多い印象です。ジーンズをモチーフにしたインクって珍しいですよね!
広島 多山文具 多山オリジナル 広島インク 20色 各30ml
岡山のお隣広島のインクです。魚介とかもみじ饅頭とか…50mlの物が多い中、こちらは30mlと。もし現地でお土産に買っても邪魔になりにくそうですね。通販もあります。
山口 木阪賞文堂 オリジナル万年筆インク 2色 各50ml
山口県の南東部、白壁の街柳井市の民芸品「金魚ちょうちん」。そこからモチーフをとったご当地インク。
柳井金魚ちょうちんレッドと柳井しらかべの夕暮れの2色のみですが、その他にメモ帳やマグネット、はたまた表札など他にも色々なグッズが作られており、ホームページから熱意が伝わってきます。
なお、柳井市のふるさと納税の返戻品にもなっているので、「どこかにふるさと納税したいけど…」というときにもいかがでしょう?
(金魚ちょうちん)
大分 明石文昭堂 別府ビューシリーズ 10色 トワイライトシリーズ
【別府ビューシリーズ】
【トワイライト】
別府といったら温泉ですよね!私もかの地には遊びに行ったことがあり、地獄めぐりしましたがその行き帰りに高台から見下ろした街のいたるところから湧き上がる温泉の湯気が上がっていたのが印象的でした。
別府ビューシリーズには目が覚めるような色が何色かあって、トワイライトシリーズの落ち着いた色合いと好対照です。
ホームページの冒頭に社長さん直筆の創業90周年にあたってのごあいさつ文が掲載されています。こういう、発売元の社長さんのお人柄がしのばれるような品というのもいいですね。
(別府の町並み)
熊本 甲玉堂 甲玉堂オリジナルインク 7色 50ml
こちらも割と明るい色合いが多いです。でも明度が高いというより彩度が高いという感じがします。
私も熊本は一度訪れたことがありますが、その後震災にも見舞われる不運がありました。
小さなインクを買うのでも熊本の物を買うという事で趣味と復興応援を両立できるという素敵な事に…なるので、是非お勧めしたいインクです!
(熊本城)
その他、ネットで買えない気になるご当地インク。
前の項でご紹介したお店は実店舗もありながら、ネット販売もしているお店を集めたのですが、残念ながら案外多いんですよ、オリジナルご当地インクだしてるけど「実店舗だけでしか販売していない」というところ。
■福岡 サプリもりつね店
■福岡 文具のたまおき
どちらも福岡県の県中部の飯塚市と北九州市の文具店さんなのですが、お店のホームページに載っていない、ボトルのインクの写真もほとんどないという謎のインクです。サプリさんの方はおもしろそうだったのですが…今後の情報に期待ですね。
西日本編まとめ。
予想外にたくさんあったご当地インクですが、その地域の風物にモチーフを取らないオリジナルインクを出しているお店も数店ありました。
万年筆界隈のツワモノたちの中には限定品を買うために遠征なさる方もあるようですし、夏休みも近づいてます。
忙しい日々に追われる毎日、ふとどこかへ旅に出たくなったら「気に入ったご当地インクのモチーフを訪ねる旅」というのもいかがでしょうか?