食卓のスパイスとして日本人に馴染み深い胡椒。家庭でもよく使用される日本人の国民的なスパイスです。家庭の食卓だけでなく、ラーメン屋さんやファミリーレストランのテーブルによく置いてありますよね。
そんな胡椒は、日本だけでなく世界中で愛されているスパイスです。唐辛子、マスタードと並んで世界三大香辛料の一つとされており、『スパイスの王様』 と呼ばれています。一口で胡椒と言っても、種類、形状、作り方も多種多様です。用途によって使い分けることで、食卓がより楽しくなります。
今日は、そんな胡椒の知られざる魅力と、今までの料理を一味もふた味も美味しくしてくれる胡椒の便利な使い方をご紹介します。
目次
胡椒は、漢方薬として使われていた?
胡椒の歴史
インドが原産地である胡椒は、紀元前4世紀ごろにはヨーロッパに伝わり、古代ローマでは、金と同じく、通貨として使えるほどの価値がありました。中世ヨーロッパで大航海時代に突入したのは、胡椒が原因になったという説もあります。
胡椒は、漢方薬として使われていた歴史もあり、中国の古代の薬学書である『本草綱目』でも紹介されています。日本での歴史も長く、奈良の東大寺の正倉院に、胡椒が収められています。貴重な薬として、聖武天皇の頃には日本に渡来していたようです。
胡椒の薬効
古くは薬として使われたこともある胡椒。健康だけでなく、美容にも役立つ食材として使われてきました。胡椒の辛み成分である『ピぺリン』には、古来より、防虫作用、抗菌作用、防腐作用があるとされてきました。このため、中世の冷蔵技術がない時代には、肉や魚を長期保存するために珍重されていました。
スパイシーな胡椒入りの料理を食べると体が熱くなることがありますが、胡椒にはエネルギーの代謝を上げる作用や、血管を拡張して血流を上げる作用もあるそうです。この他、ミネラル成分も含まれています。
胡椒を選ぶ時は種類に注意
種類に注意
店頭で並んでいる胡椒は、いろんなタイプがあります。ブラックペッパーやホワイトペッパーと言った色の違いだけでなく、粉末状・粒状など形状の異なるものや、粗挽き・細挽きなど挽き方の異なるもの、本当に様々な種類の胡椒が販売されています。それぞれ味や風味、 料理の際の使い方が異なるので、注意が必要です。
最近は、胡椒に他の調味料を加えたブレンド調味料も多くなってきました。ブレンド調味料は多くの場合、味が調整されています。塩、化学調味料などの添加物が使われていることもあるので、減塩や添加物が気になる方は注意が必要です。
胡椒には異なる種類が存在
胡椒には、黒、白、赤、緑と言った4色の異なる種類が存在します。色の違いは、胡椒の収穫時期と加工方法の違いによるもので、種類ごとに辛さや香りが異なります。そのため、様々な種類の胡椒の特徴を知ることは、料理の味をアップする助けになります。
ここでは、4色の胡椒の特徴と適した料理をご紹介します。
黒胡椒(ブラックペパー)は辛味がと刺激があり刺激が強め
完熟前の熟していない緑色の実を、果皮ごと乾燥させたものです。辛みと刺激があり、香りも強めです。匂いや臭みが強い食材や、味が濃い食材によく合います。
また、卵料理などのたんぱくな味の食材のアクセントとして使うこともあります。スイーツの味を引き締めるために、使われることもあります。
白胡椒(ホワイトペパー)は辛味が少なくマイルド
完熟して赤くなった実を、果皮を除いてから乾燥させたものです。辛みはマイルドで、香りは弱めです。癖が少ないので、たんぱくな味の食材に合わせても、食材の味を生かすことができます。
緑胡椒(グリーンペパー)さわやかな香りと辛味がある
完熟前の熟していない緑色の実を、乾燥させたものです。ブラックペッパーとの違いは、果皮を除いてから乾燥させるところです。爽やかな香りと辛みがあります。塩漬けすることもあります。
美しい色を活かし料理のトッピングとして使ったり、さわやかな香りを活かしてソースやドレッシングに加えることもあります。
赤胡椒(ピンクペパー)は鮮やかで辛味と香りは一番少ない
完熟して赤くなった実を乾燥させたものです。味は一番マイルドで、辛みは控えめです。香りも弱めです。綺麗なピンク色が特徴です。料理の華やかに仕上げる彩りの目的で、主に使います。
ブレンド胡椒&変わり種胡椒
4色の胡椒以外にも、胡椒と名が付く調味料は数多くあります。ここでは、胡椒と名が付く調味料の中でも、最近人気のあるものをご紹介します。
塩胡椒
お店に行くと、いろんなメーカーの塩と胡椒をブレンドした調合調味料が販売されています。これらは、塩や胡椒以外に、調味料も加えられていることが多く、一振りで塩と胡椒の味付けが終わることから、手軽に使える調味料として人気があります。
様々な料理の下味付けや仕上げに使われます。
酢胡椒
テレビ番組で紹介されたことで有名になりました。家庭で簡単に作ることができます。酢と胡椒をブレンドしたものです。
酢に胡椒を加えると、なぜか胡椒の臭味が消え、辛さが控えめになります。特に、餃子をさっぱりいただくときに、おすすめなつけだれです。胡椒のピリッとした辛みが効き、とても美味しいです。
にんにく胡椒
にんにくと胡椒をブレンドした調味料です。にんにくの香りと胡椒のピリッと辛みがほしいときにおすすめです。ラーメン、ステーキ、焼肉、野菜炒め、鶏の唐揚げなど、味が濃い味付けの料理によく合います。胡椒だけでなく、にんにくの風味も加えたいときに使います。
柚子胡椒
柚子と唐辛子を原料とする調味料です。胡椒と言う文字が名前に入っていますが、実は胡椒は含まれていません。九州地方でよく使われています
柚子の香りと唐辛子の辛味が、料理の味わいを高め、九州では、お刺身、焼き鳥、おでん、味噌汁など、様々な料理の薬味として使われています。
梅胡椒
梅と唐辛子を原料とする調味料です。梅胡椒にも、胡椒は含まれていません。さっぱりした梅の味わいに、唐辛子の辛味が加わり、酸味と辛みが調和した、独特の味わいです。
胡椒はミルで挽くのがおすすめな理由
胡椒は粒状の木の実です。スーパーなどでは粉に挽いた商品や、塩などと混ぜた商品が多いですが、本来の風味を楽しむなら、ミルで使うたびに挽くのがおすすめです
胡椒のフレッシュな香りが楽しめる
挽きたての胡椒の香りは、挽いた状態で売られている胡椒にくらべて格段に良いです。胡椒は香辛料ですから、香りは食欲をそそる料理に仕上げるために、香りは重要なポイントです。
胡椒の香りは熱に弱いので、加熱し終わった料理に挽きたて胡椒をかけるのが、最も香りを保つことができます。
ピリっとした辛味が楽しめる
胡椒と言えば、ピリッとした辛味を味の特徴として思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。胡椒をミルで挽けば、たくさんかけなくてもピリっとした辛味が楽しめます。
お好みの粗さに
最近のミル付胡椒には、粗さ調節機能がついている商品があります。細かめから粗めまで粗さを自由に調節できるため、料理の味付けの幅が広がります。
胡椒の挽き方によって香りが変わる
胡椒を選ぶ時に種類も大事ですが、挽き方も重要になってきます。ホール状の物からパウダー状の物まであり、挽き具合によって香りや味の感じ方が変わってくるので、料理によって合う挽き方があります。
煮込み料理やマリネはホール
ホールは粒のままの状態の胡椒です。ホールは、ゆっくり香りと辛みを引き出し、料理に深みと味をつけることに向いているので、煮込み料理やマリネなどの漬け込み料理に向いています。
また、胡椒は挽きたてほど香りが立つので、料理の際にミルを使いホールを挽いて使うと一番良い状態での胡椒の香りを楽しめます。
料理にアクセントを加えるなら粗挽き
粗挽きは香りが持続しやすいのが特徴で、香りや辛みを強く感じることができます。
料理の味をひきしめたいときや、何か物足りないと感じた時にひと振りするだけで、味や香りに香辛料ならではのパンチがきくので、料理にアクセントをつけたいときに使うのが向いています。
万能に使えるパウダー
パウダータイプの胡椒は、料理の下ごしらえから料理の仕上げまで万能に使えます。胡椒の香りや辛みが優しいので、和食から洋食、中華料理まであらゆる料理と相性がよく、一般的にレシピなどで「胡椒」と書かれているものはパウダーの胡椒を指します。
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第10位 紀州南高梅 梅胡椒
10位は、『紀州南高梅 梅胡椒』です。梅生産量日本一を誇る和歌山県を代表する品種である紀州南高梅を、唐辛子と練り合わせた調味料です。
ピリッと辛い梅肉です。しっかり梅の味がするので、肉料理や魚料理のアクセントとしたり、冷やっこや餃子の薬味として使うと美味しいです。梅肉が合う食品によく合います。
第9位 ホシサン ゆずこしょう
9位は、『ホシサン ゆずこしょう』です。九州熊本の老舗で、味噌や醤油醸造元であるホシサンの柚子胡椒です。原材料は、唐辛子、食塩、柚子皮だけと、とてもシンプルですが、柚子胡椒の本場九州の老舗が作ったものだけあって、柚子と胡椒が絶妙なバランスで配合されています。
さしみ、水炊き・湯豆腐などの鍋もの、鶏料理、味噌汁、ラーメンなど、いろんな料理の薬味や隠し味として使えます。ピリッとした辛さと、ふんわり広がる柚子の香りに病みつきになる人も多いと思います。
第8位 GABANグリーンペパー ホール
8位は、『GABANグリーンペパー ホール』です。ホテルやレストランのシェフにも人気のあるGABANのグリーンペッパーです。綺麗な緑色をしています。肉料理、魚のマリネなどに合います。
第7位 S&B 袋入りペッパーミックス
7位は、『S&B 袋入りペッパーミックス』です。香りも色も違う4種類(ブラック・ホワイト・グリーン・ピンク)の胡椒が、バランスよくブレンドされている、彩り豊かなペッパーミックスです。
味と言うより、料理の彩りを美しくするために使います。肉料理や魚料理に添えると綺麗です。
第6位 長者様のにんにく胡椒
6位は、『長者様のにんにく胡椒』です。にんにく味が好きな人にはたまらない、にんにくと胡椒のブレンド調味料です。
青森産のにんにくパウダーが使用されています。他にも、みかんの皮、ごま、マスタード、けしの実などが加えられ、調味されているので、1つ持っていると便利な調味料です。ラーメン、野菜炒め、カレーなどに加えると、いつもと違った味わいが楽しめます。男性に好まれる味だと思います。
第5位 GABAN ホワイトペッパーパウダー
5位は、『GABAN ホワイトペッパーパウダー』です。世界各国の原産地で収穫される最上級の原材料を入手し、プロ視点の商品を提供することで有名な会社であるGABANのホワイトペッパーです。
GABANのホワイトペッパーは、マイルドで雑味がないので、料理の味を邪魔しません。色が真っ白なので、料理を綺麗に仕上げてくれます。魚料理、鶏料理、卵料理、ホワイトソースやスープなど薄い色の料理、サラダ、ラーメン等、いろんな料理に合います。
第4位 マスコット ピンクペッパー
4位は、『マスコット ピンクペッパー』です。スパイス専門メーカーとして有名なマスコットブランドのピンクペッパーです。綺麗なピンク色が特徴で、料理の飾りやドレッシングの彩りにぴったりです。
第3位 ダイショー 味塩こしょう
3位は、『ダイショー 味塩こしょう』です。「ひと振り3役」のキャッチフレーズで有名な、日本初の塩と胡椒をブレンドした調合調味料です。
塩と胡椒だけでなく、調味料を独自の製法でバランスよくブレンドしているので、料理に振りかけるだけで下味付けや仕上げが簡単にできます。これ一つで味付けが完了する手軽さが、忙しい主婦には嬉しいですよね。
容器のサイズも数種類あり、詰め替え用も充実しているので、好みに合った使い方ができます。化学調味料が気になる方のために、化学調味料不使用タイプもあります。肉料理、魚料理、野菜料理、チャーハンなど、様々な料理に便利に使えます。
第2位 S&B テーブルコショー
2位は、『S&B テーブルコショー』です。胡椒と言ったら、これを思い出す人が多いのではないでしょうか?多くに家庭の食卓で、昔からお馴染みのテーブルコショーです。
200円弱と言う手に取りやすいお値段も、人気のポイントですね。見た目が白いので、原材料はホワイトペッパーと勘違いしがちですが、ブラックペッパーとホワイトペッパーが、絶妙のバランスでブレンドされています。ブラックペッパーの香りと白胡椒のマイルドさの両方を同時に楽しむことができます。
粉が細かな粒に挽き揃えられているので、仕上がった料理にふわっとかけても、味の偏りができにくいです。容器は食卓で使いやすいサイズで、ワンタッキャップ仕様なので片手でぽんっと開き、使いたいときに楽に使えます。肉料理、魚料理、野菜料理の味付けや、ラーメンや目玉焼きなど、幅広い料理に合う便利な調味料です。
第1位 S&B ミル付きブラックペッパー
1位は、『S&B ミル付きブラックペッパー』です。何と言ってもおすすめなのは、ミルが付いているところです。挽きたてのブラックペッパーの辛味と香りを、フレッシュな状態のままで手軽に楽しむことができます。
多くのスーパーの店頭に置いてあり、手に入りやすいことも大切なポイントです。手に入りやすいということは、多くの人に使われている製品であるということです。安心して使うことができます。
一度容器を買ってしまえば、なくなった時は詰め替え用を買うだけで済みます。S&B ミル付きブラックペッパー』のお値段は300円、詰替え用は200円程度で購入することができます。コスパが良いことはうれしいポイントです。
肉料理、パスタ、野菜炒めなどに最適です。我が家の子供はこの調味料が大好きで、いろんなお料理に挽きたてのブラックペッパーをかけて楽しんでいます。
ミル付きの胡椒おすすめ人気4選
ここでは、おすすめのミル付きの胡椒をご紹介します。
スパイスアップ ブラックペッパー ミル付き
出典: Amazon.co.jp
挽き立てならではの香りが楽しめる
粗挽きにできるミル付の黒胡椒です。厳選された南アフリカ共和国の黒胡椒が使われています。挽き立ての胡椒の香りと味を十分に楽しめる商品です。ミルは使いきりで、中身の詰め替えはできません。
お店によっては300円位で販売されています。手に取りやすい手ごろな価格と、たくさんのお店で扱われている買いやすさが人気の商品です。
ユウキ MC T&Tミルブラックペパー
出典: Amazon.co.jp
美しいボトルが魅力
フランスでデザインされた美しいボトルが人気のミル付黒胡椒です。握りやすく挽きやすい形のボトルは人気があり、ボトルが目当てで購入する人も多いです。中には厳選された黒胡椒が入っています。
ミルは詰め替えできないことになっていますが、ドライバーなどでこじ開けて再利用している人もいるようです。スッキリした辛さの黒胡椒です。肉料理やサラダなど便利に使えます。
日本珈琲貿易 カルメンシータ ミル付きブラックペッパー
出典: Amazon.co.jp
2段階に挽ける便利なミル付
粗挽き、細挽きの2段階に粗さに挽けるミル付きの黒胡椒です。ベトナム産の太陽を浴びて成熟した黒胡椒が使われています。カルメンシータは、スペインではスパイスのマーケットリーダーとして認知されているブランドです。
ミル付の胡椒は粗さが選べない商品が多いですが、この商品のミルは2段階の粗さに挽くことができます。1つ家庭に常備しておけば、異なる粗さの胡椒をいろんな料理に便利に使うことができます。
FAUCHONミル付きブラックペッパー
出典: Amazon.co.jp
さすがフォション!香り高い胡椒!
美味追求の姿勢を守る世界の美食トップブランド「フォション」のミル付き黒胡椒です。世界各国から良質の原料のみを厳選し、フォションのシェフが吟味したスパイスの1つで、胡椒ならではの香りが強めながら、料理に使用すると素材の味を引き立て辛みが強すぎず美味しくなります。
また、ミルはセラミック製で耐久性があり、容器に直接フォションのロゴが印刷されていて高級感のあるオシャレなデザインです。お値段は1300円ほどしますが、詰替用の黒胡椒も販売されていますし、素材の甘みを惹きたて香り高い胡椒を求める方におすすめの商品です。
胡椒のミルおすすめ人気商品
京セラ セラミック ミル ペッパー・結晶塩用 ブラック CM-15N-BK
出典: Amazon.co.jp
丈夫で長持ち!粗さも変えられる!
京セラのミルになります。セラミック刃なので、丈夫で切れ味が長続きし錆びることがありません。粗さ調節機能付きで、料理に合わせ粗く挽いたり、細かめに挽いたりと挽き方を変えられ、ミル部分が分解できるので清潔を保って使い続けることができます。
価格は800円ほどになります。長く使い続けることを考えるとセラミック刃のこの商品は丈夫でお手入れも簡単なのでおすすめです。
LUFU ペッパーグラインダー
出典: Amazon.co.jp
置いてあるだけで目を惹く格好良さ!
LUFUのミルです。ステンレススチール製なので、耐腐食性、耐摩耗性に優れ、丈夫で衛生的です。凸ピンプレスの研削方法で押しつぶし胡椒を挽く仕組みになっているので、親指でプッシュするだけの操作簡単。片手だけの作業で胡椒を挽くことができます。
スタイリッシュでデザイン性が高いミルなので、パーティーなどでテーブル上に置いてあっても違和感なくオシャレを演出してくれます。価格は1400円ほど。デザイン性を求める方におすすめです。
胡椒の売れ筋ランキングもチェック!
なおご参考までに、胡椒の売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認してください。
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胡椒を上手く使って料理のランクをあげよう
今回は、市販されている胡椒の中から、私のおすすめの商品をご紹介しました。胡椒の種類とともに、お料理が美味しくなる胡椒の使い方も併せてご紹介させていただきましたが、気になる商品はありましたか?
「辛いものが大好き!」という方だけでなく、普段のお料理の味をワンランクもツーランクもアップするために、いろんな胡椒を試して、自分なりの胡椒の使い方を探し当ててくださいね。これまで使い方がわからず手が出なかったものもも、購入しキッチンに置いておくと、意外と使える場面があって驚くかもしれませんよ。